水遊び、下着姿 …“子どもの写真”に思わぬ危険 声あげた母親たち
NHK NEWS
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  • 総評亀松太郎

    ネット技術の進展に伴い、新しいトラブルが日々起きている。その実情と対策について、具体的な事例をもとに分かりやすく伝えることが、ジャーナリズムには求められる。 とりわけ「子どもの写真のネット掲載」をめぐる問題について、子育て世代の閲覧も多いLINE NEWSで詳しく報じることは意義があるだろう。この記事はそんなニーズに応えるものだ。 多くの保育園や幼稚園が保護者へのサービスとして、子どもたちの裸や下着姿の写真でもネットにアップして閲覧できるようにしている。そのことが思わぬ被害につながるのだと警鐘を鳴らす母親たちの活動を、記事は詳しく伝える。 記事に登場する母親は、幼児の裸の写真を掲載している保育園・幼稚園のサイトが100以上あることを調べ上げたり、政府に提出する要望書への署名を集めたりと非常にアクティブだ。 読者は、彼女たちの活動を通じて「子どもの写真」をめぐる問題に気づく。そんな啓発効果の大きい記事だといえる。

  • 総評治部れんげ

    子どもを守るために声をあげた母親たちに敬意を表したい。同時に、子どもの写真が悪用されることに想像が及ばない、鈍感というより人権感覚を疑うような大人が少なくないことに、あらためて驚いた。 保育園や幼稚園などで働く人に対する教育・啓発が必要である。加えて、SNSに自分の子どもの顔がはっきり分かる写真を載せる大人が少なくないことにも危惧を覚える。 最近、翻訳出版された韓国の児童書「インフルエンサーのママを告発します」(晶文社)は、子どもに様々な服を着せてSNSに載せている母親に対し、子どもが異議申し立てをする。学齢期の子どもが主人公で、嫌だという意思表示ができるのが特徴だ。 一方、この記事に登場する「子ども」達の中には、まだ自分の意思を伝えられない小さな子ども達も少なくない。記事を機に、子どもの権利に関する議論と政策形成が進むことを願う。

LINE NEWS編集部より

SNSなどで何気なくシェアされている子どもの写真が悪用されている実態がありながら、幼稚園や保育園などの危機意識が足りていない現状に警鐘を鳴らす記事。子どもたちを性被害から守ろうとする母親たちの、切実な思いを伝えます。