補聴器つけた愛娘、保育園を転々としても現れる壁 会社を辞めた父が挑む“難聴理解”は未来への一歩
FBS福岡放送ニュース
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  • 総評下村健一

    変に捻らない素直な構成が光る。主人公の至和さんも《初めは知らなかった》、というエピソードから始まり、短いセンテンスを重ねて輪の広がりを描いた末に、最後は「《知る》ことから始めてみませんか」というストレートな読者への呼びかけで締めくくる。さらに、クラウドファンディングへのリンク等、具体的な行動の入口も添えられている。 「百聞は一見に如かず」と言うけれど、この記事はその逆を体現しているようだ。いくら説明文を見ても私にはわからない感音性難聴の人たちの聞こえ方が、『HearLoss』の動画の音を聞くだけで、ほんの一端にせよ疑似体験できる。単なる啓発動画とは違う魅力を持つ『なんちょうなんなん』の楽しさも、動画であの曲を耳で聞いて初めて体感できる。まさに「百見は一聞に如かず」だ。 とは言え、視覚情報も負けていない。選ばれている写真全てで、主人公の橙さんは笑っている。その表情が、「この記事は、ポジティブなベクトルで読んでいいんだよ」と読者を導いてくれている。

  • 総評亀松太郎

    個人的な体験で恐縮だが、昨年、感音性難聴の聴覚障害者とその家族を取材した。この記事に登場するのは感音性難聴の小学生と父親なので、同じような話かと思って読み始めたが、全く違う意外な内容だった。 「一言に難聴といっても個性があり、聞き取りやすい音の高さや、歪みの程度は人それぞれ」 記事の中にこんなフレーズが登場する。同じ言葉でくくられる障害も、その内実は多種多様で、当事者や家族の営みもさまざまだということを実感させられた。 今回は、父親が難聴への理解を促すため、クラウドファンディングを活用してアニメを作るのだが、これがとてもよくできている。記事を読みながら、その途中に埋め込まれたアニメを視聴することで、「なるほど、難聴の人にはそう接すればいいのか」と思った人も多いだろう。 この記事は、社会課題に対するクリエイティブな試みをテンポ良く紹介することで、同じような活動をしたいと考える人々に勇気とヒントを与えている。

LINE NEWS編集部より

重度の難聴の少女とその父親が直面する見えない障壁や誤解を取り上げ、社会理解が進まず苦しむ難聴者の現実を浮き彫りにした記事。難聴者も健常者も暮らしやすい社会を目指し、難聴理解の輪を広める親子の歩みを追います。