夫婦はなぜ、「夫の父からの精子提供」を選んだのか? 無精子症の現実に向き合った、ある家族の歩み
読売新聞オンライン
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  • 総評下村健一

    文字の記事ではまさに"字面"しか伝えられない、長男の言葉。それをこうして読者の私たちが直接自分の耳で聞くことができるのは、この形式の発信の真骨頂だ。 ただこの真骨頂は、今も相克の狭間にある。「このテーマを最大級の訴求力をもって社会に問いかけたい」というご両親の真剣な思いと、「果たして長男は [自分の発言をこういう形で公開されることの意味] を深く理解して同意しているのか」という問題と。 そもそもニュースとは、結論を伝えるものではなく、"永遠の中間報告"だ。この記事の最後の一文「こんな家族の形があってもよくないですか」という主人公夫婦の問いかけが全てだ。この問いかけへの応答として、発信者(読売新聞)の掲示板「発言小町」にはかなり熱い意見が100件以上も寄せられている。まさにこの記事は、"はじめの一歩"の役割を果たしている。 最後の一文の直前でご夫婦が語る「僕らにはこれが最も幸せな形でした」の"僕ら"の中に含まれるのは、ご夫婦だけなのか、それとも祖父母や子ども達も含まれるのか。その答自体も、これから時の経過の中で変転してゆくかもしれず、私たちは現在進行形の只中にいるのだと実感させられる記事だ。

  • 総評治部れんげ

    闘病を扱う記事は他にもある中で、この記事は「その後の人生」を追ったものという性格を持つ。 多くの夫婦は自分たちの血がつながった子どもを持ちたいと願う。過去の病気によりそれがかなわない時にどうするか。子どもを持たない夫婦のみの人生もあれば、里親、特別養子縁組といった選択肢もある。 この記事では、夫の父から精子提供を受けるという解決策を選んだ家族を描いている。 様々な課題がある中で、関係者が状況を理解し、話し合い、助け合っている姿が印象に残る。生まれてきた子ども達にも早いうちから事情を伝えているのが良い。

LINE NEWS編集部より

夫の父からの精子提供で不妊治療を行い、2人の息子を授かった夫婦。当事者の思いに耳を傾けず、親族提供が"ルール違反"となっている現状や、子どもたちに出自を伝える不安を乗り越えて、彼らが築いた幸せな家族の歩みを追います。