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カニ鍋の忘年会から見えてきた それぞれの希望

広告 2022年2月25日 17:01 なかまぁる

京都の介護施設を訪ねようとしたら、その日は「カニ鍋の忘年会の日」だと聞かされた。
「このご時世に介護施設の職員が忘年会?」
耳を疑った。
後で分かったが、特別養護老人ホーム(特養)のご利用者の昼食のことだった。
こうした誤解の背景には、私たちが無意識のうちに「介護施設の入所者に忘年会はない」と決めつけていることがあるのかもしれない。
京都福祉サービス協会・紫野の施設長、河本歩美さん(50)はこう語る。
「ご利用者に忘年会でどんな鍋を食べたいかとアンケートをとったら、カニ鍋を食べたいという声が一番多かったんです」

このカニにもドラマがあった。
業者に相談したところ、高額で手が出なかった。
そんなとき、安価に仕入れてくれたのが、河本さんが1年ほど前まで所長をしていた西院デイサービスセンターでケアワーカーをする40代の男性スタッフだった。
元々魚屋で働いていたため、市場の関係者の知り合いがいた。
若年性アルツハイマー病を発症しつつも、スタッフとして働く。
河本さんが所長時代に相談を受け、働くことを提案し、採用した。
「普通に人として持っているパイプだとか、普段の生活の中で得意なことを、もっと自然な形で頼っていきたいと考えているんです。認知症の人ではなく、普通の人として、仲間として、できることをしてもらいたいなと思っています。『いつ、カニ入るの?』と何度もメールを打っちゃいましたよ(笑)」
河本さんは「したい」や「してあげる」といった言葉を嫌う。


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介護職員とは何か?
「ご利用者が本当にやりたいこと、主体的に動けることを支援することが私たちの役割なんです」
そしてこうも言う。
「時には支えられる、時には支える。ご利用者に向き合う私たち介護施設の職員は、対等な立場で関係性を作っていくことが大事だと思っています」
こうしたスタンスは、河本さんが関わってきた紫野や西院といった介護施設で働くスタッフにも浸透している。

「介護施設に入ったら人生はお終いと思ってもらいたくないんです。近所の友だちがふらっと会いに来られるみたいな、それまでの日常生活や地域とつながった場所にしていきたいんです」
こう熱弁するのは、入職して6年目の植村真妃さん(28)だ。

デイサービスを担当する飯田ナミ子さん(71)は、こんな介護をしたいと考えている。
「介護介護と言いますけど、ご利用者は独り暮らしの方も多いので、外に出たいんですよね。私がもし介護されるとしたら、どんどん(施設の)外に出してもらいたい。だから、私もそういうことをご利用者に出来たらと思います」

介護の未来を切り開く紫野の5人のスタッフや河本さんに、5年後や10年後の介護について語ってもらった。

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提供:GO!GO!KAI-GOプロジェクト(テレビ朝日映像)