BSテレ東が誇る人気ミステリードラマの続編「サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 Season2」(毎週土曜夜9時放送)が、スタート!
2010年に「このミステリーがすごい!」大賞の優秀賞を受賞した佐藤青南氏の同名小説「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ(宝島社)を映像化し、2018年10月クールに放送され話題を呼んだ本作。栗山千明演じる被疑者の嘘を見破る女刑事・楯岡絵麻が、人が嘘をつく瞬間に0.2秒間だけ現れるその人固有の"マイクロジェスチャー"を読み取りながら、毎回登場する手強い被疑者の"嘘"を暴き、事件を解決していく異色の刑事ドラマだ。
Season2からは、絵麻の新しい相棒・東野浩介役で馬場徹がレギュラー出演。第1話の筧利夫をはじめ、川平慈英、杉田かおる、小川紗良、渡部豪太、横田栄司、姜暢雄、石田法嗣ら実力派俳優たちが毎回"被疑者役"としてゲスト出演する。
今回は、絵麻役の栗山千明にインタビュー。多くのドラマファンに支持される本作の魅力や絵麻を演じる際の心構え、自身の仕事観や結婚観について語ってもらいました。
被疑者と対峙する芝居では優しくなりすぎないように
──いよいよ「Season2」が始まります。前作、特別篇を経て、改めて思う本作の魅力は?
「個人的には、心理学に興味がある人が多いのかなと思います。ちょっと小難しいと思われがちな分野かもしれませんが、それをドラマにすることでものすごく理解しやすくなる。
私が演じる絵麻も刑事だけど堅くない。取り調べの時に"キャバクラトーク"で被疑者と向き合うこともあるぐらいですから(笑)。仕事から離れたら、婚活をしている30代の女性。そんな絵麻が刑事として活躍する姿は新鮮なのかもしれませんね。後輩刑事とのコミカルなやりとりも面白いですよね。今までにない刑事ドラマだという点が魅力の一つなのかなと思います。
1話完結で、ほぼ取調室のシーンのドラマです。毎回、被疑者役で登場するゲストの方たちとの心理バトルにも注目していただきたいです」
──これまでの撮影で印象に残っている心理戦はありますか?
「被疑者のキャラクターが毎回変わっていますよね。女優、占い師、サイコパス、弁護士など、いろんな職業や人物が登場しました。一つ挙げるとしたら、女性同士のバトルは演じていて面白かったです。前作の最終回に登場した野波麻帆さん演じるサイコパスとの心理戦は印象的でした」
──被疑者と対峙する演技で心掛けていることは?
「絵麻は"泣く子も黙る閻魔(えんま)さま"と呼ばれています。いいことを言って泣き落とすタイプの刑事ではなく、悪は悪として切り捨てるような怖さがある。だから、あまり優しくなぎないように心掛けていますね。被疑者から真実を引き出すために嘘をついて優しくすることはあっても、決して同情しない。そこはブレないように演じていきたいです」
──前作では、劇中での絵麻のファッションも話題になりましたね?
「衣装さんが、色がパキッとしているものなど、どんどん奇抜なものを提案してくださるんですよ。ステキな服が多いので私自身も楽しんでいます」
──撮影現場の雰囲気はいかがですか?
「前作でご一緒したスタッフさんが多いので、すごく安心感があります。同志が再び結集したような感覚。さらに団結力が強くなっているような気がします」
──そんな中、絵麻の新たな相棒・東野浩介を演じる馬場徹さんが今回から参加。
「東野は、白洲(迅)さんが演じていた西野とはまた違う面白味があるキャラクター。白洲さんとのやりとりはすごく楽しかったですけど、馬場さんもとってもいいリアクションをしてくださるんですよ。絵麻としては怒りがいがあると言いますか、こき使いやすい(笑)。
現場での馬場さんは前作から出演していたんじゃないかなっていうぐらい違和感なく溶け込んでいて。東野が田舎にいたという設定だからなのか、ものすごくピュアな方だなという印象。優しくて穏やかなので、私の心のオアシスです。劇中では白洲さんに負けないぐらいの顔芸を披露していますよ」
結婚、そして母になるということ
──栗山さんも絵麻も"働く女性"ですが、仕事に対する考え方に変化は?
「今振り返ると、20代はちょっと力みすぎていたのかなと思います。まぁ、10代は仕事に対しての責任感がなさすぎたのかもしれませんけど(笑)。30代に入って、ここ最近は少しずつですけど肩の力が抜けてきたのかなと感じています」
──絵麻は婚活をしていますが、結婚観も年齢と共に変わってきましたか?
「私は一人でいることが苦ではないというか、意外と好きだったりするんです。もちろん、友達とご飯を食べに行ったりするのは楽しいんですけど、お店をどこにするか、いつだったらみんな空いているのか。そんなことを考えているうちに面倒くさくなっちゃう(笑)。
そういう意味では誰かと会うという努力はしていないかも。自分から連絡することもないです。だから、たぶん結婚なんてできません(笑)。プライベートの空間に自分以外の人がいるという状況も無理ですね。
最近は役として母親を演じる機会もあるので、もし自分がお母さんになったら......なんてことも考えたりしますけど、やっぱり子どもを産む以上は親としての責任があると思うんです。成人するまでちゃんと育てることができるのか、社会に出る年齢になった子どもは無事に就職できるのか。今の時代、不安なことが多すぎて。いろいろ考えた末に結局面倒くさくなってしまう。プライベートに関しては、これから先も変化はないのかもしれません(笑)」
(撮影/uufoy 取材・文/月山武桜)
【プロフィール】
栗山千明(くりやま・ちあき)
1984年10月10日生まれ。ティーン向け雑誌のモデルを経て、1999年から女優としても活動。映画「バトルロワイヤル」(2000年)出演をきっかけに、映画「キル・ビル vol.1」(2003年)でハリウッド進出。「ATARU」(TBS系)、「熱海の捜査官」「不機嫌な果実」「遺留捜査」シリーズ(テレビ朝日系)、「FINAL CUT」(フジテレビ系)、映画「無限の住人」(2017年)、「チワワちゃん」(2019年)、舞台「十二番目の天使」など、ドラマ、映画、舞台など幅広く活躍。映画「種まく旅人~華蓮(ハス)のかがやき~」が2020年初夏公開予定。