「DeNA2-3阪神」(11日、横浜スタジアム)
頼もしいルーキーやで!!阪神のドラフト6位・中野拓夢内野手(24)=三菱自動車岡崎=が、貴重な追加点となるプロ初タイムリーを含む3安打を放ちプロ初の猛打賞だ。同期の佐藤輝、伊藤将、石井大に負けない輝きを放ち、今季2度目の同一カード3連勝に貢献。チームは対戦が一回りした15試合で貯金7とし、2位・広島に2・5ゲーム差。猛虎の勢いが止まらない。
レギュラーをつかむ日もそう遠くはないかもしれない。そんな期待を抱かせる活躍だった。2試合連続遊撃で先発した中野が、プロ初の猛打賞だ。
「スタメンで使っていただいたので、なんとしても活躍したい」。強い思いをグラウンドで体現した。
2点リードの四回1死三塁。カウント1-1から阪口の内角直球を左前へはじき返した。貴重な追加点となるプロ初タイムリー。「(2球目の)フォークの空振りの後に、(打つ)ゾーンを上げないといけないな、と。そこでしっかり修正できた結果です」と納得の表情で振り返った。
二回1死は阪口の直球を引っ張って右前打。九回2死も追い込まれた後、三嶋のフォークに泳ぎながらも中前打とした。しっかり準備ができていたことが大きいという。
「前の打者の配球や、ベンチで(配球を)見られる部分もあるので」。11試合に出場して17打数9安打で打率・529。初対戦の相手ばかりだが、イメージを打席の中ですり合わせることで、結果につなげている。
祖父が熱狂的な阪神ファンだった影響で、父も阪神を応援。その姿を見てきた中野は自然と虎党の“血脈”を継いだ。「小さい頃は今岡さんが好きだった」。初めて買ってもらったユニホームは今岡のものだったという。
中学からは鳥谷に憧れ、東北福祉大ではスラッガー社の鳥谷モデルのグラブを使っていた。「なんとしても追いつけるように」と将来の夢は鳥谷のような遊撃手だ。
佐藤輝、伊藤将、石井大に続く新人の台頭だ。中野は開幕からベンチスタートが続いたが、途中出場で結果を残し、10日・DeNA戦でのプロ初先発をつかんだ。2試合連続先発となったこの試合もプロ初の3安打。「二遊間の競争でチームにとっていい刺激になってくれている」と矢野監督の評価も高い。
中野のレギュラー獲りへの思いは当然強い。「自分が勝たせるんだと、強い気持ちで臨んでいる。スタメンで出てナンボだと思う。目標の新人王にもスタメンで出ないとたどり着けないので」。佐藤輝だけじゃない、オレもいる。勢いそのままに、遊撃の定位置を奪取してみせる。
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