阪神、オリックスで監督を歴任した岡田彰布氏(63)が、球界の話題を深掘りする「岡田辞典」-。今回は開幕まで3週間を切った中、開幕ローテの考え方について語った。指揮官時代は投手のタイプ、球場の相性などさまざまな要素を加味してローテを組んだという岡田氏。今年の阪神は先発左腕に不安が残るが、例え右オンリーでも、いい投手から組み込んでいくべきと指摘した。
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いよいよ開幕まで3週間を切ってきたな。ローテーションに入るピッチャーは残り2回、多くて3回の調整登板になると思うけど、開幕ローテを組む際に首脳陣は色んなことを考えるんよな。
阪神の監督時代は右投手と左投手の人員がそろっていたから、右-左-右とか左-右-左というジグザグの形が組めた。そこまで意識したわけではないんやけど、やっぱり相手打者の目先を変えた方がええんよ。そら同じ右-右-右となるよりは、タイプが違った方がええわけやから。“慣れ”ということも考えて、少しでも相手がイヤがることをやらんとアカンなというのはあったよ。
そして翌日の月曜日に試合がないことを考えたら、日曜日の試合はリリーフ投手がつぎ込めるんよ。だからルーキーだったり、実績のない若手投手だったりを配置する。逆に次カードは週頭になるから、火曜日にイニングを投げてくれる、完投能力があるピッチャーを置きたいよな。
また選手個人によっても、下柳は甲子園のデーゲームが日差しの関係でまったくアカンかったら。デーゲームの週末は極力、避けるようにしとったな。他にも相手や球場との相性など、色んなことを考えながら開幕ローテを組むんやけど、今年の阪神は先発左腕に不安が残るよな。
高橋がキャンプ中の故障で離脱して、7日のオープン戦・ソフトバンク戦ではチェンの状態も、もう一つだった。あと候補に挙がるのはドラフト2位・伊藤将(JR東日本)くらいか。ただ状態が上がらない、そして実績に乏しい左腕を無理にローテへ組み込むよりは、右オンリーでもいいから状態のいい投手、力のある投手を入れるべきやと思うな。
もちろん目先を変えることや、タイプがかぶらないようにというのは一つの要素ではあるんやけど、それでいい右投手を外して左投手を入れるというのは考えん方がええよ。7日のソフトバンク戦を見ると、チェンよりもガンケルを先に使いたいよな。とにかく、いいピッチャーから使っていくという発想でええと思うよ。
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