「阪神春季キャンプ」(1日、宜野座)
阪神ドラフト6位・中野拓夢内野手(24)=三菱自動車岡崎=が1日、矢野監督から打撃を絶賛された。身長171センチ、体重69キロと小柄なサイズながらフリー打撃では力強い打球を連発。守備練習では川相臨時コーチの指導を受け、基礎をたたき込まれた。開幕スタメンを狙うルーキーがキャンプ初日に好スタートを切った。
キャンプ初日、24歳の即戦力ルーキーの株が急上昇だ。佐藤輝以外に目立った新人は?そう問われた矢野監督「中野」と即答。前評判が高い守備力だけでなく、ドラフト前からひそかに注目していた打撃を大絶賛だ。
「やっぱり中野はおもしろいと思うよ。走ってる姿もいいしね。バッティングも体は小さいんだけど、引っ張れるというのがオレの中で評価が獲る前から高くて。ちょこちょこ当てにいくバッティングをする左バッターって多いんだけど、しっかり振ることができるというのもアイツの魅力かなと思ったんで」
午後のフリー打撃。南国の太陽の下、中野は左打席から鋭い打球を連発した。体の軸がぶれることなく、最後までバットを振り切る。119スイングで柵越えこそなかったが、首脳陣の視線をくぎ付けにした。
サブグラウンドでは川相臨時コーチが開いた「川相塾」に入門。打球に対して右側から入る捕球体勢や送球までのステップ、さらに足の使い方まで…。実践的な名手の教えに「これから試して自分に合う形を見つけていきたい」と目をギラリ。「守備もしっかりできていた」と指揮官も合格点だ。
中野がグラウンドを後にしたのは午後6時過ぎ。予想以上にハードな練習に「体が結構しんどい状況。ここまで練習量が多いというのは覚悟していなかった」と思わず苦笑い。それでも「自分の中で初日、しっかりやりきれたなと思います」と充実感もたっぷりだ。
遊撃争いは昨季92試合出場した木浪が一歩リードの状況。北條、小幡らライバルは多いが、ルーキーは果敢に割り込む覚悟だ。「まだまだ100%の力を出し切れていない。これから実戦も入ってくるのでアピールしていきたい」。目標の開幕スタメンへ、これ以上ないスタートを切った。
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