阪神の原口文仁捕手(28)が22日、甲子園で自主練習を行い、球団を通じて野球をする子どもたちにエールを送った。昨年は大腸がんの大病から手術と過酷なリハビリを経て、復活を果たした。野球ができない苦しい期間を経験しただけに、与えられた時間を決して無駄にはしない。自らのさらなる成長へ。少年少女たちに未来への投資を呼び掛けた。
野球ができる喜びを改めて感じるとともに、原口はこの時間を無駄にしてはいけないと考える。コロナ禍でチーム全員が集まって練習することはできない。それは、プロ野球だけでなく、アマチュアも同じだ。こういう時期だからこそ、子どもたちは目標を持って過ごすことが大事だと呼び掛けた。
「今、みんなで集まって練習できないけど。次にみんなで集まった時にみんなを驚かせられるチャンスだと思って、筋トレや野球の動作の練習をやってほしい。今、やるかやらないかでは大きく未来は変わると思う。みんなを驚かせることを目標に練習してもらいたい」
緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大され、多くの学校が休校となり、クラブ活動も休止中だ。子どもたちは我慢の「おうち時間」が続いている。本来なら冬に行ってきたトレーニングの成果を発揮する時期でもある。活動再開は依然として厳しい状況だが、原口は今の期間をレベルアップの好機だと捉える。
野球ができない期間を経験したからこそ、与えられた時間を無駄にしない。昨年は1月に大腸がんが判明して手術。今の時期は過酷なリハビリに励んでいた。「2年続けてこのような期間になるとは思っていなかったですけど。去年と違った形ですし、施設開放してくれている中で目いっぱい野球ができるので、意味ある時間にしたい」と前を向く。
約3週間の自宅待機期間も試行錯誤しながら体調維持に努めた。ランニングや体幹トレーニングに加え、以前から行っているヨガでリフレッシュ。再開される日に向けて準備を進めてきた。
この日はランニングやティー打撃、マシン打撃で200球を打ち込むなど約3時間、体を動かして調整した。「技術向上とか、こういう期間にレベルアップできるように取り組んでいきたい」と意欲を示した。
先行きが不透明な今こそ、求められるのは目標を持ち続け、前に進むことだ。幾度の逆境に打ち勝ってきた男が、少年少女たちの模範となり、希望となる。
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