藤川が投げれば、誰もが勝利を確信していた。うなりを上げる火の玉ストレートで目の前の打者をねじ伏せていく。2005年のリーグ優勝時、鉄壁だった「JFK」。当時、野球少年だった私はどうすればあの直球が投げられるのか、研究したものだ。
18年から阪神担当となり、何度か右腕を取材させてもらうことがあった。勝った時はいいのだが、足が重くなるのが敗戦投手になった時。的外れな質問をすると「それは違うよ」と立ち去られることも…。逆に立ち止まってもらえるとうれしかった。
広島の新井が引退した際には「ある程度の年齢になってくるといつでもそういうのと隣り合わせになってくるのでしょうけど。(新井氏の)DNAは次の世代につながっていっている」と話していた。球児魂も間違いなく若虎に継承されている。22年間、お疲れさまでした。(井上慎也)
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