阪神は25日、決戦地となる神宮で開幕前日の最終練習を終えた。取材に応じた矢野燿大監督(52)は練習前のミーティングで「めちゃくちゃ勝ちたい!」と、選手にあふれる熱い思いを伝えたことを明かした。集大成となる監督就任3年目のシーズン。“矢野イズム”の浸透したチームで日本一を勝ち取ることを誓った。
開幕を翌日に控え、気持ちの高ぶりを抑えることができなかった。練習前の全体ミーティング。矢野監督が約10分間にわたり、熱い思いを選手、スタッフに伝えた。
「めちゃくちゃ勝ちたい!優勝したい」
もちろんチームの士気を高める狙いもあるだろう。だが、実にストレートなこの言葉は、指揮官の率直な思いがあふれたからに他ならない。
「俺めっちゃ勝ちたいなぁと思って。何でこんな勝ちたいと思うようになったんかなぁと思った時に手前味噌なんやけど、めっちゃいいチームになれてると俺は思ってて」
少し照れくさそうに明かす大きな手応え。打者なら凡打時の一塁への全力疾走、投手なら痛打された後のベースカバー…苦しい時でも全力でやり切ることが諦めない気持ちにつながると信じて、選手に求めてきた。
「夢と理想ばっかり語ってきてて…でも、ホンマにそこに近づいている手応えがあって。自分は全然できてなかったし、余計“こいつらすごいな”って」。自分が現役の時にはなかなかできなかった姿勢。だからこそ選手に“矢野イズム”が浸透しつつある状況がうれしい。
そして理想のチームに近づいているからこそ今季は勝利、優勝を渇望する段階に来た。チームスローガンの“挑、超、頂”に『頂』の文字を入れたのもそのためだ。
「今まではあんまり入れたくないなというのがあったんだけど、もう今のチームなら入れてもいいんじゃないかと。証しを残したい。このチームで、このメンバーで何か形として残したい」
形として残すのはズバリ『日本一』の勲章だ。集大成となる勝負の監督就任3年目。確かな手応えを携えて、矢野阪神が船出を切る。
外部リンク