チーム、そしてファンが待ちわびた若き左腕が甲子園のマウンドに帰ってくる。左肩コンディション不良で2軍調整を続け、2日に1軍に合流した阪神・高橋遥人投手(24)が3日、甲子園で行われた投手指名練習に参加。今季初先発する6日・巨人戦(甲子園)では2年連続被弾中の岡本を封じ、自身の開幕戦を勝利で飾る意気込みを示した。
投手陣の中で今年最も飛躍が期待されていた。ただ、左肩コンディション不良で2軍スタート。開幕から1カ月半。4日から始まる今季初の9連戦に向け、高橋が救世主となるべく満を持して今季初登板初先発に臨む。
「当然緊張すると思うので、いい緊張感に変えて、初登板なので思い切って投げたいと思います」
自身の開幕戦で相対するのは、首位を走る宿敵・巨人。通算で8試合に登板して1勝3敗、防御率4・15。中でも岡本は2年連続で本塁打を許している“因縁の相手”だ。「すごくいい打者だとは思いますが、その他もいい打者がそろっているので、一つ一つ丁寧にアウトを取っていきたいです」。天敵を警戒しつつ、他へのマークも緩めない。
矢野監督が左腕に込める期待は大きい。「開幕前から一番プラスアルファを期待している投手だったんで。まだか、まだかとこっちも思ってたし。初登板は緊張もあると思うけど、思い切って遥人らしくいってくれたらいいんじゃないかなと思っています」と復帰登板を心待ちする。
1軍昇格に向けて結果は残してきた。7月3日に実戦復帰すると、徐々にイニングを延ばしながら4試合連続無失点。同30日のソフトバンク戦でも5回2失点と着実にステップアップしてきた。
コロナで開幕が遅れたが、自身もスタートダッシュに失敗。ただこの期間が、プロ3年目の24歳を成長させた。自粛期間から書き始めた日記。「フォームのことや一日の反省ができるので、次の日の練習や試合に生かせるという意味では役立っていると思う」と自己分析。投球ができない期間には、ローテを守っている間には取り組めなかった、重い負荷を体にかけたトレーニングにも時間を充てた。
自分を見つめ直し、甲子園のマウンドで完全復活。いや、さらに進化した姿を見せる。4日から始まる宿敵との3連戦。巨人を倒すため、優勝するために貴重な一枚のピースが加わる。
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