「オープン戦、ソフトバンク4-3阪神」(7日、ペイペイドーム)
狙い澄まし、完璧に捉えた。すさまじい打球音と共に放たれた白球は一直線に左翼スタンドを目指す。阪神・陽川こん身の一振り。悠々とダイヤモンドを回ると、ベンチ前で“ゴリラポーズ”を披露した。
「追い込まれていたので、何とか次につなぐというか、コンパクトに振ろうと思っていたので。それが結果につながってよかった」
自慢のパワーをさく裂させたのは、3点を追う六回だ。1死一塁で打席を迎えると、2番手・二保が1ボール2ストライクから投じた5球目、144キロ直球を捉えた。高々と舞い上がった打球は左翼席に着弾。1点差に詰め寄った。
2月20日の中日戦(北谷)以来となる豪快な一発。この勢いのまま逆転とはいかなかったが、チームは王者・ソフトバンクを相手にオープン戦3試合連続の複数本塁打で、計6本塁打と高い長打力を見せつけた。
開幕スタメンを目指す陽川の打撃は好調だ。この日も1打席目に左前打を記録。キャンプでは、実戦10試合で打率・345、1本塁打とアピールした。「しっかりと結果を残していかないといけない立場なんで。1試合、1試合が大事。そういう気持ちを持ってやっているので、それがいい方につながっているかなと思います」と強い覚悟を示す。
矢野監督は「去年からね。本当にちょっと段階がワンランク、ツーランク上がったというところを見せてくれるし。スタメンで使いたくなるようなポテンシャル、能力はあるんでね。頼もしく見ています」と評価。成長を認め、さらなる奮起に期待を寄せた。
オープン戦は残り10試合。開幕へ向けてここからが勝負となる。「気を緩めずにチャンスがあれば、しっかりと結果を求めてやっていきたい」と陽川。目の前の打席に全力を注ぎ続ける。
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