「阪神4-2広島」(30日、甲子園球場)
空っぽのスタンドに力強い声が響く。緊急事態宣言の発令を受けて無観客開催となった聖地で、阪神・秋山が“鯉キラー”ぶりを発揮して今季3勝目を挙げた。
昨季は広島戦に6試合先発して4勝0敗、防御率1・45。相性も考慮されて、中7日でカード頭を任された。これで広島戦7連勝。20年7月21日から9戦負けなしだ。
この日は、低めの制球でゴロアウトを量産。さらに「カットボールを軸で進められたっていうのは、今日の一つの勝因かなとは思います」と、ここまであまり使っていなかったカットボールを効果的に組み込み、スコアボードに0を並べた。
八回、代打・クロンにソロ被弾し、田中広、菊池涼に連打を浴びたところで降板。7回1/3を6安打2失点、94球と上々の内容だっただけに「投げきりたかった」と悔しそうな表情を見せた。
とはいえ、名誉挽回の内容だ。前回22日・巨人戦では3回10安打6失点とまさかの背信投球。今季の先発陣で初めて5回を持たずに降板した。悔しさをぶつけた一戦での好投。矢野監督は「前回からしっかり修正してくれたのは大きい」と評価した。
こどもの日を前に、本来ならば多くの子どもたちが訪れるはずだった甲子園。右腕は画面越しに声援を送る子どもたちにメッセージを送った。
「今はやっぱり速い球投げてとか、遠くに飛ばしてって時代。ちょっとコンプレックス抱えてる子とかでも、自分の長所を伸ばすことができれば諦める必要なんてない」
球速130キロ後半~140キロ前半の直球で打者を抑えていく自身の投球がなによりのヒントだ。26日に30歳の誕生日を迎えた。節目の1勝を手にし、さらなる活躍を見せる。
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