阪神の矢野燿大監督(52)が6日、甲子園球場など施設の見学に訪れた新人9人を前に訓示を行った。入団会見前の監督からの訓示は異例と言えるもので、その時間も約30分間。仲間となる新人に“矢野イズム”をたたき込んだ。また、多くの新人選手を来年の1軍春季キャンプに呼ぶことも示唆した。
アツい“講義”は約30分間にわたって行われた。指名あいさつ時に顔を合わせているドラ1・佐藤以外は初対面。背筋を伸ばして座る9人の選手を前に、矢野監督は立ったままで熱弁を振るった。
「今まで選手に伝えてきてるようなことを伝えたんやけど。うちのチームとしては、こういうふうにやるとか、こういうことを大事にしているとか」
来季の「挑・超・頂 -挑む 超える 頂へ-」も含めた、矢野阪神のスローガンに込めた思い、積極性を重要視する野球のスタイルだけでなく、言霊の大切さ、プロ野球引退後のことまで話は及び、時には「どう思う?」などと、新人に意見を求める場面もあったという。
「野球だけできればいいと俺は思っていない。辞めてからの方が人生は長い。今日言って、今日理解できるものではないかもしれないけど、ちょっとでも引っ掛かってくれたら」。そんな思いを込めて“矢野イズム”をたたき込んだ。
入団会見前の段階で、時間をかけて行う異例とも言える訓示を行ったのは、今年のドラフトで即戦力候補を多く獲ったことも関係している。
「ほぼほぼ連れて行こうと思っている。ケガで調整が遅れているとかがない限りは1軍に呼んでいこうかなと思っている」。指揮官は故障明けの選手や高卒の高寺を除く、ドラ1・佐藤、2位・伊藤、4位・栄枝、6位・中野、8位・石井を来春の1軍キャンプに呼ぶことを示唆した。
「伝えたことを頭に置きながら、自主トレ期間を過ごすというのも大事」。早期の実戦も予告し、キャンプまでにしっかり体づくりをしておいてほしいという願いも込めた。
集大成となる3年目。矢野監督は選手のために、そして優勝のために、この先も労苦をいとわない。
外部リンク