「阪神2-7巨人」(4日、甲子園球場)
“火曜日の男”の菅野撃ちも勝利には届かなかった。阪神は宿敵に完敗を喫した。打線が反撃を見せたのは0-3の六回。1死二塁からジェリー・サンズ外野手(32)が左越えに7号2ランを放った。1点差まで追い上げながら八回に拙守から4点を失い、勝負を決められた。ヤマ場の9連戦初戦を落とし、借金生活に逆戻り。きょう5日こそ、本拠地甲子園で首位巨人を打倒する。
確かな雰囲気が、打席に立つサンズから漂っていた。勝つためには打つしかない。反撃ののろしを上げようと、豪快にバットを振り、左翼席に白球を叩き込んだ。しかし、得点は助っ人のこの一発のみ。ここまで何度も勝利に導いてきたアーチもこの日ばかりは実らなかった。
3点を追う六回、1死二塁で打席が巡ってきた。ここまで無得点に抑え込まれていた菅野を前に集中力を高めて打席に立つ。カウント2-2からの6球目、外角のスライダーに踏み込み、フルスイングした。
「いい投手だけど、あのボールは甘く来たね。ただ、それをしっかり仕留めることができたことは良かったよ」
バットの芯で完璧に捉えた打球は、高々と舞い上がり左翼席に到達。7月28日・ヤクルト戦(神宮)以来、6試合ぶりの7号2ランは阪神の助っ人が甲子園で菅野から放った初アーチ。再びチーム単独トップとなる23打点目を挙げ、巨人に1点差に詰め寄った。
“ミスター・チューズデー”だ。初回に2死から右腕の初球、外角への150キロ直球を右前にはじき返して出塁した。火曜日は7月14日・ヤクルト戦(甲子園)から4試合連続安打。同曜日は15打数11安打、打率・733と驚異的な数字を残している。
昨季の韓国リーグ打点王は戦う場所が変わっても、勝負強さは変わらない。得点圏打率・476はリーグトップ。「ランナーがいなくても常に打ちたいという気持ちは持っているよ。ただランナーがいる時はしっかり状況を確認して、いろいろなことを想定して打席に入れているので、その結果ヒットを打てていると思うよ」と好成績の要因を分析する。
サンズが本塁打を放てば、チームは負けなしだったが“不敗神話”は6でストップ。さらに9連戦の初戦、首位・巨人との一戦を落とした。チームは再び借金生活。ここが踏ん張りどころだ。サンズは水曜日も打率・333と好数字を残す。5日は先発の藤浪を援護し、まずは一日で勝率を5割に戻す。
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