9月9日。担当記者として忘れられない試合がある。10年前の2010年。首位を走るチームに“事件”が起きた。2位・中日との一戦は2-2で延長十回。判定に激高したブラゼルが退場処分を受ける。野手を使い切った真弓監督は右翼に投手の西村を指名した。
打者の打球方向をデータなどで見ながら、左翼の平野と入れ替えること4往復。5時間21分の死闘を引き分けた。実は、この起用を進言したのが、抑えの藤川だった。マウンドでも「飛ばす気はなかった」と2イニングを0封。取材した僕も、少し興奮しながら執筆した記憶が懐かしい。
シーズンも残り52試合になった。巨人の背中は遠いがチームは、逆転Vを信じて戦っている。奇跡を願いながら、求めるのは胸焦がす試合。土佐のいごっそうは引退会見で、粉骨砕身の22年を語った。花道にふさわしい、記憶に残る試合を。まだ熱い戦いが見たい。(田中政行)
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