「オープン戦、阪神2-1オリックス」(20日、京セラドーム大阪)
シーズンに弾みをつけるで!阪神がオープン戦5連勝で、首位をキープした。同点の七回に矢野燿大監督(52)がエンドランを仕掛けて好機を拡大し、代打・糸井嘉男外野手(39)が決勝の中前適時打。21日・オリックス戦(京セラ)に勝てば、2016年以来5年ぶりのオープン戦優勝が決まる。
京セラドームに響く六甲おろしのメロディーが心地いい。関西ダービー2戦目。阪神が接戦を制して5年ぶりオープン戦Vへ王手をかけた。チーム一丸で白星をもぎ取った勝利に、矢野監督は手応えを深めた様子だ。
「こういう試合を取るっていうのは、もちろん成長の試合になると思う。シーズンでもこれを取る取れへんは大きな差になるから」
シーズンを想定したタクトが光った。1-1の七回だ。先頭・佐藤輝の二ゴロがアウトと判定されるとリクエストを要求。判定が覆ると、代走・植田を送った。梅野がエンドランで広く空いた三遊間をゴロで破って1死一、三塁。絶好機に代打・糸井が登場すると、ドームは大歓声だ。
「本番、そういうチャンスで迎える場面もあると思うから、集中していきました」
ここ一番での集中力はさすがだ。カウント2-1から阿部のカットボールを中前へ。「本番さながらの気持ちで打ちました!」。一塁上では、三塁ベンチから拍手を送る後輩たちへ拳を突き出した。
プロ18年目は厳しい立場だ。開幕は「左翼・サンズ、中堅・近本、右翼・佐藤輝」の布陣が濃厚。14年連続開幕スタメンには黄色信号がともるが、ベテランはオープン戦打率・444と元気いっぱいだ。矢野監督はこの日は早出練習に志願参加していたことを明かし、糸井に最敬礼した。
「代打で打つって簡単じゃない。ヨシオも代打でいいと思ってないと思うし、もっと打席に立ちたいとか、そういう気持ちが姿勢に表れている。影響力があるし、チームとしてありがたい存在です」
この試合はオリックスの先発左腕・宮城に5回まで1安打で9三振。大苦戦したが、六回に新加入・山本の二塁打から突破口を開いて先制し、オープン戦では17年以来4年ぶりの5連勝だ。
矢野監督も「うちのバッターだって点を取れないときも出てくるだろうから、でもこうやって点を取って追いつかれて、またすぐに取ってっていう」と試合内容にニンマリ。
同率首位で並ぶソフトバンクも勝ったため、21日・オリックス戦はオープン戦Vがかかる大一番となる。最終戦も白星で飾り、16年ぶりのリーグ優勝へ弾みを付ける。
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