「阪神0-4巨人」(10日、甲子園球場)
阪神元監督でデイリースポーツ評論家の岡田彰布氏(62)が、藤川球児投手(40)の引退試合を甲子園球場で見届けた。2軍監督時代からの教え子を、自身の野球人生でNo.1のリリーフ投手まで成長したと評した岡田氏。その要因を明かすとともに、現役最後の藤川へ「ホンマにお疲れさん」とメッセージを送った。
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本当にお疲れさんやし、ようここまで頑張ったと思うよ。もしあのまま先発でずっとやっていたら、現役生活は10年くらいで終わっていたかもしれんしな。自分が現役時代、監督時代と見てきた中でリリーフとしてはNo.1のピッチャー。それも“No.1になっていった”という印象が強い。
そこまで成長できた一番の要因は「怖さを知っている」というところやと思う。リリーフピッチャーがイケイケやったらあかんのやけど…。怖さを知っているからそれだけの準備もするし、ピッチングも考える。
球児はゲームの中で本当にやってはいけないことをやらなかった投手。例えば絶対に一発を打たれたらいけない場面であったり、一打逆転の場面で相手の雰囲気や様子を感じ取ることができた。だから次の打者とてんびんにかけて、四球で歩かせるということもマウンドで考えていた。
やはり単にストレートが速い、すごい変化球があるだけでは一流と呼ばれるまでにはなれない。だからNo.1に成長していったという表現が正しいかなと思うんよ。今でも覚えているのは自分が2軍監督の時で、ちょうど球児が1年目で入ってきたんやけど、1歳上の井川とよく比較した。
井川は先発で完投能力もあったけど、球児を見るとやっぱり先発させると80~100球くらいでボールが落ちてくる。じゃあどこで力を発揮させてあげればいいのか-。そう考えた上でリリーフという選択肢やったんやけど、こればっかりは投げてみないと分からんかった。化ける可能性というのは感じていたんやけど、後ろでハマったというのは本人が頑張ったからやと思うよ。
アメリカから帰ってきて最初は先発やったけど、やっぱりダメでな…でもそこからリリーフとしてもう一花咲かせたことも本人の努力やと思う。なかなか難しいことなんやけど、どんな場面でも投げることに気概を持っていたピッチャーやから。本当にお疲れさん。
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