「阪神春季キャンプ」(22日、宜野座)
阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21)=近大=が22日、キャンプ名物の連続ティー打撃に初挑戦し、さすがの怪物ルーキーもタフさが求められるメニューに悶(もん)絶した。苦悶の表情でバットを振り込んだ反動からか、フリー打撃では今キャンプ初の柵越えゼロと強烈な洗礼を浴びた。
ここまで涼しい表情で豪快にバットを振っていた佐藤輝が息を切らし、苦悶の表情を浮かべた。鋭いスイングが次第に失速していく。キャンプ名物の連続ティー打撃。初体験の怪物ルーキーがお手上げだ。
「疲れました」
今春初めて、場内に流れるBGMが布袋寅泰の「スリル」に変わった。この曲が流れると、ティー打撃のペースが一気に速くなり、約200球が入った1箱を打ち終えるまで連続で打つのが決まり。佐藤輝は声を発しながらマスコットバットを懸命に振り、何とかノルマを達成したが…。
これまで経験したことがないハードメニュー。その後のフリー打撃では疲労なのか、なにかしら歯車が狂ったのか、本来の姿がなかった。これまで打撃練習では見る者を魅了する何本もの豪快な柵越えを放っていたが、この日は60スイングで今キャンプ初の柵越えゼロ。納得のいく打撃ができなかったのか、バットをたたき付ける場面もあった。
井上ヘッドコーチは「見てなかったんだけど、ヘロヘロだったんだって?パワーはあるけど持久力がないからね。いつ(2人で約1000球を捕球する)デスノックを入れるのか、ちょっとこれは頭が痛いところ」とスタミナ面での課題を口にした。
しかしながら、これまで実戦8試合に出場して打率・452、2本塁打、8打点。期待に応えて余りある奮闘を見せている。18日の練習試合・DeNA戦(宜野湾)では、伊勢の高めの直球に詰まりながらも、右中間のスコアボードを越える推定140メートル弾をマーク。さらに21日の練習試合・広島戦(宜野座)では、昨季セ・リーグ新人王の森下から右中間へ二塁打を放ち、7試合連続安打&3試合連続打点をマークするなど、バットでのアピールは十分だ。
ドラフト1位の重圧に負けず、圧倒的な存在感を示している黄金ルーキー。23日に行われる練習試合・DeNA戦(宜野座)には、「3番・左翼」で先発出場予定だ。「甘いところに来たら、しっかり仕留められるようにしっかり準備をして臨みたい」。名物メニューに快音を封じられた憂さを晴らす。
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