甲子園球場には秋風が吹き始めた。季節が移り、時代の流れを肌で感じる。既に現役引退を表明した藤川に続き、福留の来季構想外が明らかになった。他球団への移籍を模索する。引き際は難しい。正解もない。ただ昨年の鳥谷に続き、スター選手の流出は悲しい。
この日、2軍戦に出場した福留は練習から、ルーキーの遠藤に助言を送った。開幕直後、不振に陥った近本、ボーアらも師事していた。在籍した証しを残そうとしているのだろう。藤川も藤浪ら後輩に声を掛ける場面が目にする。こうして伝統は受け継がれていく。
シーズンは残り16試合。優勝は限りなく厳しくとも消化試合ではない。投打のレジェンドの姿、言葉を球団として財産にしたい。終わりは始まりでもある。いまこそ新たなスター選手の台頭を待つ。明日に望み、来季に可能性、未来に夢をつなぐ戦いが求められる。(田中政行)
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