阪神・井上一樹ヘッドコーチ(50)が8日、佐藤輝明内野手(22)に今オフは野球脳を鍛えていくことを求めた。後半戦に成績が急降下した原因を探るために、自身の打撃映像からバッテリーの配球をチェックすることを宿題とした。10日から始まる秋季練習中は対話を重視する方針で、“サトテル再生”に尽力していく。
7日にCSファーストSで敗退して終戦を迎えたばかりだが、来季に向けて準備を進めなければならない。井上ヘッドコーチが真っ先に口を開いたのは、後半戦で打撃不振に苦しんだ佐藤輝について。オフの期間に自身の打席での配球、攻められ方の傾向を研究していくように求めた。
「(配球は)冷静に考えたら分かる。同じような配球をされているのは本人も分かってるよね。じゃあ映像を見てごらんと。捕手がどう構えているとか、こんなスピードの投手は、この(配球)パターンが多いとか。動作解析の人もスコアラーもいる。そういうところから勉強して培われていく野球脳がある」
佐藤輝は1年目の今季、厳しい内角攻めや外角へ逃げる変化球に対応できなかったことが、球団ワーストのシーズン173三振の一因となった。
同コーチは「頭が悪い子じゃないけど、頑固な部分は持っている」と指摘。「そこを柔軟にして(周囲から)ちょっと吸収してもいいんじゃない?そういう部分に充てる時期かな」と、秋季練習から意識の改革も求めた。
また、佐藤輝は前半戦だけで20本塁打とハイペースで量産したが、後半戦は4本塁打と急失速した。同コーチは「夏場過ぎに急降下する=確実に1600メートルまで走れたけど、2500メートルを走れなくなった馬みたい」と競馬で失速する競走馬に例えて、スタミナ不足も指摘。野球脳を鍛えることと並行して、「体力作りはオフの間にやれよ」と一年間を戦い抜く土台作りも宿題とした。
秋季練習では「冷静に話をしていかなきゃいけない部分もある」と直接対話することも重視しているという。佐藤輝の再生、進化が来季の優勝へ大きなポイントになるだけに、全力でバックアップする覚悟だ。
外部リンク