「ヤクルト4-7阪神」(21日、神宮球場)
力強い後押しだった。阪神・近本が藤浪に続くタイムリーを含む、今季3度目の4安打。同級生右腕の復活勝利を演出した。
必死な姿に燃えた。二回1死満塁。目の前で、藤浪が三塁へゴロを放つと、一塁へ全力疾走を見せた。先制の適時内野安打となり、16日・広島戦の二回から続いていた今季ワースト37イニング連続無得点を止めた。
ネクストバッターサークルで見せつけられた執念を、無駄にはしたくなかった。直後の1死満塁。吉田喜の初球、真ん中へのカーブを逃さなかった。完璧に捉えたライナーが一塁・坂口のミットを強襲。「初球から思い切って打ちにいくことができました」。3点差に広げる2点二塁打。三塁上で手をたたく藤浪の姿がうれしかった。
初回は10打席ぶりの安打となる左翼フェンス直撃の二塁打を放ち、四回無死は二塁内野安打。広角に打ち分ける本来の打撃を見せ、6度目の猛打賞を記録した。九回無死も中前打で7日・広島戦以来となる4安打。「チカ(近本)もジェリー(サンズ)も調子を落としていたので」と心配していた矢野監督を、安心させる大暴れだった。
近本が出塁すれば、打線は活気づく。3試合連続完封負けを喫した前カード・巨人戦は、3試合とも1番で出場し12打数1安打。四球もなく、トップバッターとしての役割を果たせていなかった。
どん底で響かせた4度の快音。手に残る感触を自信に変え、再び打線をけん引する。
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