「ヤクルト5-9阪神」(27日、神宮球場)
勝利のハイタッチに充実感が漂う。2試合連続スタメンの阪神・梅野が、3安打3打点の大暴れ。最後までグラウンドに立ち続け、正捕手の意地を示した。
「神宮というところで、1点でも多くという気持ちが強いので。守る方は1点でも少なく、(攻撃は)1点でも多く取れる時に取るというか、しっかり結果として出たので良かったです」
怪物ルーキーの後ろで、“恐怖の7番”と化している。4-0の三回1死満塁は田口のスライダーを右翼線へ。2点をたたき出し、左腕をKOした。
「ヤギ(青柳)に追加点を取ってあげたかったし、テル(佐藤)も四球でつないでくれた。絶対にランナーをかえしてやるという気持ちで打ちました」
七回2死二塁は左前打を放ち、九回2死三塁も左翼線へ適時二塁打。打撃では長打ではなく、勝負強さにこだわる。中軸と下位をつなぐポイントゲッターとして、打線のキーマンとなりそうだ。
昨季は開幕マスクを任されたものの、捕手も日替わり起用の方針で2、3戦目はベンチスタート。悔しさは今も胸に刻む。開幕前には「自分の中で秘めた思いを今後に生かしていくということしか考えていない。とにかく前向きに、今年は今年の戦いで頑張ります」ときっぱり。開幕前には全試合出場を掲げ、シーズンに突入した。
開幕戦では粘投の藤浪を懸命のリード。右打者の頭上を通過したボールにも飛びつき、ワンバウンドも必死に止めた。バットは開幕2試合で打率・444と絶好調。04年以来17年ぶりのビジター開幕2連勝へ導いた立役者の存在感は増すばかりだ。
「すごいピッチャーばかりなので、信頼して配球してます」。コロナ禍の九回打ちきりルールにも正捕手は前向き。桜が舞う神宮の杜(もり)で梅ちゃんも満開スタートだ。
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