阪神の西勇輝投手(30)が2日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の2億円プラス出来高でサインした(金額は推定)。来季が4年契約の3年目。1時間を超えた交渉では、変革期を迎えたチームの今後を話し合った。議論内容は球団施設などハード面から、技術や意識などソフト面まで多様。グラウンド内外でエースの自覚を示し、矢野監督の胴上げを導く決意を語った。
マウンドで見せる笑みはなかった。1時間を超える交渉後。青のスーツ姿で会見の席に着いた西勇は、引き締まった表情で来季の決意を語り始めた。「矢野さんを胴上げできるように」。4年契約の3年目。球団側とは、変革期を迎えたチームの今後を話し合った。
「自分のことよりもチームの話が多かったですね。1年間の総括とこれからの改善点。球団からの話もあったし、いい話し合いができたと思います」
移籍2年目もローテを守り抜き、リーグ2位タイの11勝、同4位の防御率2・26。147回2/3の投球回は、中日の大野雄(中日)に次ぐ同2位、17度のQS(6回以上投げて自責点3以下)はダントツの安定感だった。「自分の中では充実していた」。エースとして奮闘した1年だった。
チームが8勝16敗と苦しんだ巨人戦でも3勝。一方で、シーズンでは7・5差の独走を許した。西勇は詳細を伏せたが、交渉役の谷本球団本部長は「来季に向けて、とにかく勝とうという話を」と説明。藤川が現役引退し、福留、能見、上本らが阪神を去った。過渡期にあるチームの年長者で中心選手。広く互いの意見を交わした。
議論内容は球団施設などハード面から、技術や意識などソフト面まで及んだ。2年連続で12球団ワーストとなった失策数や、勝負どころでの手痛い被弾などチームの課題を共有。同本部長から意見を求められるなど、「できることからやっていきましょう、勝つために、と。あっという間の1時間でした」と、有意義な内容になったようだ。
来季、目標は180イニング。2年連続の開幕投手も最有力だが若手の台頭を求める。「僕が3、4番手という位置になれるチーム作りだと、本当に強いチームになるのかなと思いますね」。矢野監督を胴上げするために、グラウンド内外で役割を担う。エースとして16年ぶりの悲願を導く。
※写真は代表撮影
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