プロ野球の守備のベストナインを選ぶ三井ゴールデングラブ賞の表彰式が18日、都内のホテルで行われ、阪神・梅野隆太郎捕手(29)が球団捕手史上初となる3年連続3度目の受賞となった。セ・リーグ捕手で3年連続はヤクルト・古田以来19年ぶり。来季4年連続となれば、ヤクルト・大矢、古田の最長記録に並ぶが「狙って取っていきたい」と力強く宣言した。
虎の正捕手が、長い球団史に名を刻んだ。守備のベストナインとされるゴールデングラブ賞を梅野が3年連続で獲得。球団捕手史上初の偉業を成し遂げた。今年はコロナ禍の影響から一部の受賞者だけが出席。参加こそできなかったが、ビデオメッセージで受賞の喜びを口にした。
「三井ゴールデングラブ賞に選んでいただき、ありがとうございます。僕自身3度目の受賞ということで非常にうれしく思います」
偉大な先輩の記録を塗り替えた。球団捕手の2年連続受賞は73、74年の田淵幸一と並んでいたが、周囲に「捕手でタイガースの生え抜きで3年連続は次(梅野が)取ったら初めてだよ」と伝えられ、強く意識していた。昨年から「狙っていく」と言葉にし、有言実行の受賞となった。
ブロッキングに自信を抱いた一年でもあった。捕逸数1と抜群の安定感を発揮。「やっぱりワンバウンドストップですかね。数字には見えないですけど自分なりに止めてきたり、キャッチしたり、進塁を防いだり」。そんな梅野にとって忘れられないプレーがある。
9月5日・巨人戦(甲子園)。7点ビハインドの三回2死一、二塁で打者・坂本。カウント1-2から藤浪が投じたフォークが手前で大きくバウンドした。下からミットをとっさに上げ、捕球したシーンがあった。
「左バッターボックスくらいの位置でフォークボールが結構、手前でバウンドしてキャッチした。ワンバン(捕球)で球場の皆さんからどよめきだったり、拍手をもらえて。(今まで)聞いたことがなかった。うれしい気持ちになりました」
入団1、2年目の頃は山田バッテリーコーチ(現2軍コーチ)と夜遅くまでワンバウンドの捕球練習を重ねた。地道な努力が実を結び、球界屈指の鉄壁捕手へと成長を遂げた。 来季はともにヤクルトの大矢(75~78年)、古田(90~93年)の4年連続という最長記録に挑戦する。「狙って取っていきたい。(来季は)優勝をして、最高の表彰式の舞台に上がれるように。ファンの皆さんと喜んで優勝パレードをできるようなシーズンにしていきたい」。新背番号「2」で守備の栄誉、栄冠をつかみにいく。
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