「ヤクルト5-11阪神」(4日、神宮球場)
悪い流れをリセットする見事な“厄払い”の一打だ。阪神は直前のイニングに大山の悪送球で逆転され、2点を追った六回。2死から四球と安打で一、二塁とすると、西勇の代打・陽川が打席に入った。
田口の初球を迷いなく振り抜き、捉えた打球が左中間を破る。一走・中野も一気に生還するどデカい価値のある同点の2点適時二塁打。一振りで試合を振り出しに戻した。
「初球から打つことを決めていた」と明かした背番号55は、二塁ベース上でガッツポーズ。「一昨日の試合ではスタメンで出させてもらいながら打つことができなかった。何としても打つという気持ちで打席に入りました」と明かした。
大山が休養日となった2日の広島戦は先発出場しながら3三振で無安打。そんな陽川に試合前、井上ヘッドコーチが厄払い餅としてこどもの日に食べる笹餅を手渡した。「食べた効果が出ました」と笑顔で振り返ったが、自身だけでなく三回までに今季最多の1試合3併殺と、チームの重苦しいムードを振り払う一打となった。
「ツーアウトになって、ちょっとホッとしたところから追いつけたというのは、向こうにはすごいダメージになった」と矢野監督。終わってみれば6点差の圧勝だ。どんな状況からでも勝ち切れる、今の阪神の強さが如実に出た試合となった。
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