「阪神4-7巨人」(3日、甲子園球場)
阪神の近本光司外野手(25)が新人年から2年連続となるシーズン100安打をマークした。球団史上6人目で、1999年坪井以来21年ぶりの達成。98安打で迎えたこの日、五回に左前打を放つと、九回に右翼席へ9号3ラン。コロナ禍で試合数が減少した中、見事に大台に乗せた。試合は九回に4点を奪う猛攻を見せるも及ばず、巨人戦の9年連続負け越しが決まった。
試合終了まであとアウト1つ。最後の打者になるわけにはいかない。こん身の一振りから放たれた白球は、右翼ポール際へ伸びた。笑顔なくダイヤモンドを一周した近本。豪快なアーチで到達した2年連続のシーズン100安打も宿敵に敗れた悔しさだけが残った。
6点を追う九回、2死二、三塁の好機だった。3ボール1ストライクから5球連続ファウルで粘り、10球目。宮国が投じた内角の直球を捉えた。高々と舞い上がった打球は右翼席へ着弾。土壇場で意地の9号3ランを放った。
五回に99安打目となる左前打を放ち、最後の打席で節目に到達。球団で新人から2年連続の100安打は1999年の坪井智哉以来、21年ぶり6人目となった。「特に数字を意識していることはないですが、チームのためになる一本を積み重ねていきたいと思っているので、もっともっと打てるように頑張ります」とまだまだ通過点にすぎない。
前日2日の同戦では、三回に今村から死球を受けながらも最後まで出場。矢野監督は患部の状態を心配していたが、本人の意思を確認し、この日も起用した。試合後には近本も「(左腕は)問題ありません」とキッパリ。戦う上で不安がないことを強調した。
結果を残さないと生き残れないプロ野球。1年目から頭にあるのは、元中日監督の落合博満氏の言葉だ。「自分と戦うのが三流。自分と相手と戦うのが二流。自分と相手と数字と戦うのが一流」。偉大な記録を残してきた大先輩の心得を胸に、戦っている。
7月下旬まで打率1割台で低迷したが、打率・293まで上昇。初の3割到達も射程圏内だ。指揮官は「開幕から苦しんだ中でここまで持ってきたというのも、それは自信になってくると思うし。もっともっと上を目指してほしいなと思います」とさらなる成長を期待した。
2桁王手9号
レギュラーシーズンも残り31試合。2年連続の盗塁王、自身初の2桁本塁打-。近本の戦いはまだまだ終わらない。
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