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トップチームの1年で“戦いの場”を知った鈴木彩艶の証言

2020年12月25日 10:00 浦和レッズニュース

 鈴木彩艶にとって充実した1年だったことは、表情を見ればすぐに分かった。

「今シーズンはユースに籍を置きながらも、トップチームの練習に参加していく形で過ごしてきました。キャンプのときから、試合に絡む可能性があると思いながらプレーするようになって、より一層、『自分は浦和レッズのトップチームにいるんだな』という気持ちになりました。何試合か、ベンチに入ることもでき、最初は本当に緊張していてサポートも何もできなかったんですけど、公式戦の雰囲気を経験することで、ベンチにいる選手としての立ち居振る舞いも学ぶことができました」

 憧れの埼玉スタジアムのピッチに立つことは叶わなかったが、Jリーグという“戦いの場”を知り、選手として多くの刺激を得た。

「ユースの試合とは全然違いました。表現が正しいかは分からないですけど、Jリーグの公式戦は、これから戦場に行くかのような雰囲気がありました。それくらい一人ひとりが、いつもとは違う雰囲気を醸し出していたので、その姿にまずは驚きましたね」

 ユースにいれば、公式戦に出場する機会は間違いなく得られたであろう。だが、トップチームでの日々は、自身でも成長を実感できるほどの毎日だった。

 なぜなら、これまで自分が強みだと思っていたプレーが、トップレベルでは課題でもあることを痛感したからだった。

「自分のストロングは、キックだと思っているんです。キックでは飛距離も出せますし、相手の裏へ通すこともできる。セービングだけでなく、そういったところでも自分はチャンスを作れると思っているんです。でも、今シーズンは正直、そこをうまく発揮することができなかった。逆に今は課題にもなっているんです。今までやってきたことが全くダメだったというわけではないんですけど、まだまだ足りないということが分かったときは、ショックが大きかったですね」

 問われたのは、判断の速さだった。ユースとは異なり、トップチームの練習は、プレースピードも格段に速くなる。より瞬間的に、正しい判断を行い、遂行する必要があった。

「トップチームの練習に参加しはじめたころは、シュートのスピードと質も全く違ったので、本当にそこについていくのに苦労したんです。でも、徐々にそのシュートスピードに慣れてきて、シュートへの対応に関しては、自分でも成長してきたなと思っていたんですけど、今度は、ビルドアップや攻撃の部分が活かせなくて。慌ててしまうというか、何もできなくて、自分から発信するプレーというのができなかったんですよね。自分から人を動かす。自分から前にトライしていく。そういった部分はかなり試行錯誤しました」

 大先輩であり、正GKである西川周作からは、自分が課題と感じていた判断力を学んだ。

「西川さんは、ビルドアップのところでボールを失うことがないんです。練習中も含めてキックミスをすることがまず、ない。どんなにプレッシャーがかかっていても、足元の空いているスペースが分かっていますし、周りも見えているから、一人飛ばしたようなパスも出せる。本当にすごいなと思いましたね」

 福島春樹からは、ベンチでの立ち居振る舞いを学んだ。

「自分がメンバー外で春樹くんがベンチ入りしているときには、春樹くんの動きを観察して、どう振る舞えばいいかを学びました。チームメイトに対する声の掛け方、雰囲気の作り方、そうした姿勢を学びましたね」

 そんな福島からは、練習中にも「構えるときに力が入りすぎている」とアドバイスを受けたこともあるという。先輩たちの一つひとつのプレーが、一つひとつの声が鈴木の財産になった。

「(石井)僚くんとは、自主練を一緒にやる機会も多く、お互いにお互いのプレーに対して言い合うことも多かったんです。どちらかというと、一緒に成長していってもらえる存在でした」

 年齢が近く、練習を共にし、それぞれの課題に向き合える存在は、鈴木にとって心の拠りどころでもあったのだろう。

 また、浜野征哉GKコーチは、練習の映像までも毎回確認し、翌日の練習に活かしてくれただけに感謝の言葉は尽きないという。

「自分でも毎回、練習の動画を見てはいたんですけど、浜野さんも見てくれて、次の朝にも一緒に確認して、技術的なことも含めて話をしてくれました。一対一での構えや対応の仕方……まだまだですけど、アドバイスをもらえて、少しずつそこも成長できたと思います」

 本人も「まだまだ」と言うように、課題は尽きない。ただ、強みだと思っていたキックを活かすために、判断力の速さを養わなければならないことに気づいたように、公式戦の雰囲気、試合での立ち居振る舞いも含め、この1年間で多くのものを吸収した。

 だから、こんな思いも芽生えた。

「同時に試合に出たいという思いも強くなりました」

 トップチームのユニフォームに身を包み、埼玉スタジアムのピッチに立ちたい。

「ジュニアができた小学5年生のときから、ずっとこのクラブでプレーしてきて、今年で8年目になります。このクラブがなければ、ジュニアの1期生として初めてトップチームに昇格する選手になることもできませんでした。だから、チームに恩返しするわけではないですけど、自分が試合に出て結果を残したいですし、今のジュニアやジュニアユースの子どもたちのお手本になれるような選手になれたらと思っています」

 同世代には負けたくない——。年末にはU−19日本代表の合宿に招集されたが、そこでも浦和レッズの一員であるという矜持は持っている。

 チームにおいては、挑む頂きが高いことも分かっている。でも、浦和レッズで育ってきた自分が挑まないわけにはいかない。

「立ちたいですよね。埼玉スタジアムのピッチに立って、試合に勝ちたいです」

 2021年——鈴木彩艶は、刺激的な日々のなかで、その頂きに再び挑んでいく。

(取材/文・原田大輔)

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返しきれない感謝の気持ちを胸に

2020年12月18日 18:45 浦和レッズニュース

 2020シーズンは「感謝」の一年になった。

 新型コロナウイルス感染症の影響で、人々の「日常」が大きく変わってしまった2020年。

 大原サッカー場の練習見学も2月中旬にはできなくなっていたし、いつも顔を合わせて応じていたメディア取材も、以降すべてオンラインになった。全員で練習もできず、もちろん試合もできなかった。

 する人、見る人、すべての人から、私たちが大好きなサッカーが奪われてしまったような気持ちになった。

 でも、そんな状況でも変わらないものがあった。それは、支えてくださるすべての方の温かさだった。

 オンラインだとしてもその温かさは十分に伝わってきた。

「お互い大変だけど、がんばろう」

 いつもそんな声をかけてくださり、励ましてくれた。

「元気、勇気、希望」

 それは選手たちがプレーを通して提供できる大きな価値だと信じていた。

 しかし、7月4日のJ1リーグ再開初戦、埼玉スタジアムで見た光景は、「支えてくださるみなさん」から「選手」へ与えられた元気と勇気と希望そのものだった。

 浦和レッズは明日19日、J1リーグ最終戦を迎える。

 ここまで来ることができたのは紛れもなく、関わるすべての方々の高い意識と行動、そして協力のおかげだ。

 お返ししたくても返しきれないくらいの感謝の気持ちを胸に、選手たちはピッチで闘う。

(浦和レッズオフィシャルメディア)

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2020阿部勇樹【特別編】(本人ギリギリOK)

2020年12月18日 18:30 浦和レッズニュース

 ついにこの男が帰ってきた。

 誰であろう、浦和レッズの22番、阿部勇樹のことである。

 この「浦和レッズニュース」にもたびたび登場してきた阿部勇樹だが、最近はあまり見かけないと思っていた方も少なくないだろう。

 コロナ禍でのチーム活動再開後、ケガの影響があり、なかなか思うように練習ができない日々が続いていた阿部だったが、先日12月12日に行われた湘南ベルマーレ戦で、約1年ぶりに埼玉スタジアムのピッチに戻ってきたのだ。

 阿部がピッチに立った瞬間のスタジアム全体から沸き起こった大きな拍手、そのときにガラっと変わった空気の質。こんなことができる選手はそうそういないと改めて感じさせてくれた。

 一緒にピッチに立った橋岡大樹も、「阿部さんがピッチに入るだけでみんなが引き締まるというか、ものすごく影響力があると思いました」と改めて感服していた。

 我々浦和レッズニュースは阿部勇樹の復活をまだかまだかと待っていた。

 なぜなら、お届けしたい素材をたくさん撮りためていたからだ。

 今回は2020阿部勇樹・特別編(本人ギリギリOK)の動画をお届けしよう。

 もう2020シーズンも最終地点。

 遅れて帰ってきた、浦和レッズの阿部勇樹が埼スタを熱くする。

(浦和レッズオフィシャルメディア)

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cat_20_issue_oa-urawaredsnews oa-urawaredsnews_0_zbka77q8q5op_大槻監督「最後の3連戦、3つ目は必ず勝ちたい」 zbka77q8q5op zbka77q8q5op 大槻監督「最後の3連戦、3つ目は必ず勝ちたい」 oa-urawaredsnews 0

大槻監督「最後の3連戦、3つ目は必ず勝ちたい」

2020年12月18日 18:30 浦和レッズニュース

 12月18日、大原サッカー場でのトレーニング後、大槻毅監督の最後の定例会見がオンラインによって開かれ、明日19日にホームで開催される北海道コンサドーレ札幌戦に向けた質疑応答が行われた。

 リーグ王者の川崎戦から2日がたち、このチームでの最後のトレーニングの様子を聞かれると、「選手のコンディションをしっかり整え、リカバリーも含めてゲームに向けていくことが一番の策だと思います。いつも通り、試合前日はミーティングをして映像を見て、準備をしてトレーニングをして、『明日がんばりましょう』と話しました」とこれまでと変わらない試合前日だったと語った大槻監督。

 ミハイロ ペトロヴィッチ監督が率いる札幌戦に向けて、「前線から1対1のマンマーク的な守備を続けているところ、あとはミシャさんらしく前線でコンビネーションが生まれている点などあると思います。ただ、レッズでやられていたこととは少し違う表現になっていると思いますし、いまの特徴をしっかりつかんで戦いたいと思います。また、前回の試合も4-3というシーソーゲームのようなバタバタとしたゲームでしたが、明日はしっかりと上回るようにがんばります」と、前回対戦したときとは違った試合展開にしたいと語った。

 サッカー界における浦和レッズのあるべき姿について聞かれると、「浦和レッズにふさわしい成績を出し続けることを求められていると思います。残念ながらこの2年間はタイトルを1つも獲れませんでしたし、リーグに関しては残念な結果が続いていることは非常に責任を感じています。タイトルならびにリーグ戦での順位が高い位置にいるということを常々、浦和レッズは目指さなければいけないと思います。それと同時に、それを継続するためのクラブとしての取り組みが求められているのではないかと思います」と、長く在籍したクラブへの自身のおもいを語った。

 明日の今シーズン最終戦に向けて、「3連戦で引き分け、負けという結果ですので、3つ目は必ず勝ちたいという思いが強いです。まだ何も終わっていませんし、明日試合があるので、まずはそこにみんなで向かっていくことが大事だと思っています。最後にホームでしっかりと戦って、上回るところを選手と表現できればと思っています。がんばります」と会見を締めくくった。

 ホームで行われる今シーズン最終戦、北海道コンサドーレ札幌戦は明日12月19日(土)14時にキックオフされる。

(浦和レッズオフィシャルメディア)

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「最低限のことができた。それだけですね」

2020年12月18日 17:30 浦和レッズニュース

 レッズの最前線に立つべき選手には、それなりの結果が求められる――。

 かねてから興梠慎三が、言い続けてきたことだ。12月16日の川崎フロンターレ戦で、自身の持つ記録を更新する9年連続二桁ゴールを達成しても、淡々と"浦和の責任"を口にした。

「二桁ゴールにこだわっているわけではないですが、浦和レッズのフォワードとして試合に出ている以上、最低限のこと。だから、最低限のことができた。それだけですね」

 J1通算得点は元日本代表FWの中山雅史に並ぶ歴代3位タイの「157」。100得点の大台に乗せてから、そうそうたるレジェンドたちの記録を抜いてきた。鹿島アントラーズ時代はずっと背中を見ていた柳沢敦(108得点)、90年代前半から日本サッカーをけん引し続けるカズ(139得点)、そして鹿島の黄金時代にコンビを組んだ尊敬するマルキーニョス(152得点)。ただ記録で上回っても、先人たちへの敬意を払い続けている。謙虚な気持ちを忘れることはない。自らが周囲に生かされるフォワードであることを理解している。

「ひとりで打開してゴールを決めるタイプではない。チームメイトに感謝したい。応援してくれているファン・サポーターに感謝したい」

 節目のゴールはPK。駆け引き上手の興梠らしさが詰まっていた一発である。助走で半歩タイミングをずらすと、平然とした顔で逆のコースを突いて、ゴールネットを揺らした。仲間たちに祝福され、ピッチには笑顔が広がっていた。

「冷静に決めることができてうれしい。チームメイトがプレゼントをくれました」

 34歳を迎えても一定の得点力を保っていることを証明してみせた。すぐに気持ちを切り替え、ホームでのリーグ最終戦に向けて、気持ちを高ぶらせている。

「情けない試合が続いているなかでも、一生懸命に応援してくれているファン・サポーターがいます。最後は勝利で終えたい。全力で戦いたいと思う」

 クラブの将来を考えて、最近は若手の台頭を促す発言が増えているものの、ピッチに立てば、結果をしっかり残してきた。手拍子で後押しすれば、本人にも思いは届くはずだ。たとえ声に出せなくても、心の中で唱えることはできる。

<浦和のエース、行こうぜ慎三>

 中山雅史を抜くJ1通算158点目は、赤く染まる埼スタで決めてもらいたい。

(取材/文・杉園昌之)

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【プレイバック2012】ミシャと歩みはじめた「3-4-2-1」の原点

2020年12月18日 16:45 浦和レッズニュース

 下位に沈んでいたチームは、わずか1年で3位へと躍進する。新たなる指揮官がもたらした創造性あふれるサッカーによって――。

 前年を15位で終えた浦和レッズは2012年、ミシャことミハイロ・ペトロヴィッチ監督に未来を託した。広島で約6年間指揮を執り、実績を残していた指揮官は、就任会見で次のように抱負を語った。

「私のサッカーはすごく複雑だ。私が考えるサッカーは、運動量が多く、そのなかでも考えながら走ること、考えながらコンビネーションを発揮していくこと、それが噛み合わなければならない。そのため、ある程度の時間が必要だと思っている」

 ミシャサッカーの代名詞でもある3-4-2-1システムと独特の戦術を活かすべく、クラブも補強に動いた。広島でミシャの指導を受けていた槙野智章を1.FCケルンから期限付き移籍で獲得。さらに2010年夏にレスターへと移籍した阿部勇樹を呼び戻したのである。

 いまでは、可変システムという言葉も一般的になったが、ミシャが掲げる3-4-2-1システムは、攻守において配置が変わるため、高度な戦術理解と阿吽ともいえる連係が求められた。指揮官も就任会見で語っていたように、戦術が浸透するには時間を要するため、当初は少なからず懐疑的な目も向けられていた。

 開幕戦の相手は、ミシャの古巣である広島だった。同じサッカーを標榜するミラーゲームとなったが、0−1というスコア以上に、チームとしての完成度を見せつけられた。

 ただし、広島時代にミシャのもとでプレーしていた柏木陽介と槙野、さらには戦術理解度の高い阿部の復帰は、チームにとって大きなアドバンテージとなった。

 第2節では前年王者の柏をいきなり打ち負かす。さらに圧巻だったのは、難敵である鹿島にアウェイで勝利した第5節だった。当時の3-4-2-1の布陣は以下のメンバーである。

FW:⑯ポポ
MF:⑦梅崎司、⑧柏木陽介、⑩マルシオ・リシャルデス、⑬鈴木啓太、⑭平川忠亮、㉒阿部勇樹
DF:②坪井慶介、⑰永田充、⑳槙野智章
GK:⑱加藤順大

 開始2分に先制点を許すも、わずか1分後に華麗な連係を見せる。後方からスイッチとなる縦パスが入ると、柏木が反応。ゴール前のスペースに走るマルシオ・リシャルデスに絶妙なラストパスを供給したのである。5分にはやはりコンビネーションから、ポポが追加点。さらにPKで1点を加えると、3−1で逆転勝利。これにはミシャも、「五分五分の展開ではあったが、勝利に値するプレーができた。良い内容のサッカーができている」と、大いなる手応えを示した。

 試合を重ねるたびに、ミシャサッカーの代名詞であるパスワークには磨きがかかっていった。肝となるボランチでは、阿部と鈴木が文字通り舵を取った。運動量に加え、突破力が問われるWBでは梅崎と平川が見せた。シャドーと呼ばれる2列目では柏木が躍るように相手を翻弄。徐々にボールを支配できる時間帯も長くなっていった。

 第10節からはリーグ戦11試合負けなし。第14節でG大阪に勝利すると、3位に浮上した。ただし、そのシーズン、引き分けが二桁の「10」を数えたように、勝ち切れない試合も多かった。特に指揮官を悩ませたのが、1トップ、いわゆるフィニッシャーの存在である。

 シーズン序盤は、デスポトビッチやポポが起用されたが、思うような結果を残せなかった。そのため、ときには原口元気が前線で起用される試合もあったほどだ。この年のチーム最多得点は、マルシオ・リシャルデスの9得点。明らかに1トップを担える人材が不足していた。

 優勝した広島とは、第32節で再戦。41分には梅崎が、61分には鈴木がゴールを決めると、2-0で完封勝利。開幕戦では完成度の違いを見せつけられたが、1年間積み重ねてきたことで、同じサッカーを標榜する相手を凌駕できるまでに成長していた。3位でシーズンを終えると、4年ぶりにACL出場権を獲得したのである。

 最終節となった第34節の名古屋戦。埼玉スタジアムには、ファン・サポーターにより人型のビジュアルボードが描かれていた。2012年シーズンをもってチームを去ることが決まった田中達也への感謝だった。表現されていたのは、2003年にナビスコカップ(現ルヴァンカップ)で優勝した試合で、彼がゴールを決めたときのシルエットだった。

 浦和レッズに加入して12年。得意のドリブルで魅了し、ゴールで歓喜をもたらした背番号11は、5万人が見守るなか、チームメイトに胴上げされると宙を舞った。

Jリーグ:3位
ナビスコカップ:予選リーグ敗退
天皇杯:4回戦敗退

(取材/文・原田大輔)

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誰よりも責任感の強い阿部勇樹が語った「浦和を背負う責任」

2020年12月18日 16:00 浦和レッズニュース

 シーズン最終盤の12月12日。13カ月ぶりにホームのピッチに立つと、万雷の拍手を浴びた。必死にボールを追いかけながら、あらためて感じた。

「やっぱり、埼スタは素晴らしいなって。この雰囲気の中で、サッカーができるのは素晴らしいなって」

 コロナ禍の影響で、入場者数はまだ制限されたまま。スタンドからは以前のような大声援も聞こえてこない。それでも、阿部勇樹にとって、特別な空間に変わりはなかった。気持ちのこもった拍手、熱い思いを乗せた手拍子、そのすべてが心に響いた。浦和レッズの在籍通算年数は、チーム最長となる13年。湘南ベルマーレ戦でクラブ通算361試合目のリーグ戦出場となったが、いまも初心を忘れていない。

「こういう状況でも多くの人たちに来てもらっている。レッズしか知らない選手は、ファン・サポーターがつくり出す雰囲気を当たり前と思うかもしれない。でもほかのチームでプレーした経験のある選手は分かるはず。これは決して当たり前ではないし、普通ではない。これだけの人たちの思いを背負って戦っていることをよく理解しないと。僕らは全力で戦う姿を見せる責任がある」

 まさに今季、クラブとして掲げた指針の一つだ。

<浦和を背負う責任>

 ジェフユナイテッド千葉から移籍してきた阿部が、年齢を重ねるたびに言い続けていたことである。「長くいても、浦和の環境に慣れてはいけない」と。いまの指針をずっと胸を留めてきた男にあえて聞いた。

「今季、チームは浦和の責任を背負って戦えていたか」

 少し間を置いて、静かに口を開いた。

「やれた部分もあるし、なかなかうまくいかなった部分もある」

 浦和の責任を語る上で言っておきたいことがあったのだろう。すぐに言葉を続けた。

「間違ってはいけないことがある。プライドと見栄は違う。誇りを持つのは大事だけど、強がってごまかすのは浦和にふさわしくない。厳しい現実から逃げてはいけない。その上で浦和の責任を背負い、勘違いしないで進んでいきたい。僕個人だってそう。受け入れるべきことは受け入れる。立ち止まることはできない。進化していかないと」

 今季は阿部自身、もどかしい思いをしてきた。ケガの影響で開幕前から戦線を離脱。足にメスを入れたわけではない。無理をすれば、動ける状況だっただけに苦しんだ。39歳にして、これほど実戦から遠ざかったのは手術以外で初めての経験。復帰を急ぐあまり再び悪化させたこともあった。メディカルスタッフと意見を交換しつつ、ピッチに戻る道筋を立て、一歩一歩、歩んできた。

 スタンドの上から眺めるチームも、もがいていた。一時期はプレーに迷いが出て、自信を喪失しているようにも見えた。

「良いときと悪いときの差がはっきりしていた。もっと自信を持って、仲間を信じて戦わないといけない。アグレッシブにチャレンジしていけば、見ているファン・サポーターにも気持ちは伝わると思う」

 心の中で思っていたわけではない。練習場では仲間に声をかけ、特に若手の奮起を促していた。「もっといけるんじゃないのか」って。復帰戦で同じピッチに立った高卒ルーキーの武田英寿には、さらなる飛躍を期待している。阿部は自らが通ってきた道を振り返るようにしみじみと話す。

「(武田は)ここからがスタート。一度試合に出れば、次も出るためにどうすればいいのかを考える。すごくいい刺激になったはず。年齢なんて関係ない。遠慮せずに、どんどんやってほしい」

 いまから22年前。16歳と333日でJリーグデビューを飾り、当時の最年少出場記録を更新。年上ばかりの環境のなかで頭角を現し、めきめきと成長していった。それでも、引っ込み思案な性格で年齢差に気を使い、先輩に指示を出せなかったことはいまも苦い思い出だ。

「僕は(21歳で)キャプテンになるまでは、自分から殻を破ることができなかった。でも年齢を気にして言いたいことも言えないのは、本当にもったいないので」

 だからこそ、若手が萎縮しないような雰囲気づくりには気を使う。声がけもすれば、背中で示すこともある。一方的にアドバイスするだけではない。

「互いに刺激を与え合う存在でないと。そうやってチームは大きくなっていくもの。僕だって、年上だからと特別な扱いを受けるわけでもないし、いままでそんなことはなかった。やるからにはみんなと一緒にやりたい。これからもそうでありたいので、しっかり準備していく」

 クラブの掲げる3年計画の1年目は、すでに終わろうとしている。徐々に世代交代も進む。それでも、誰よりも豊富なキャリアを持ち、誰よりも責任感の強い阿部の存在意義が薄らぐことはないだろう。同じボランチの柴戸海をはじめ若手たちはお手本としており、経験を持つ選手たちも一目を置く。本人の意欲も衰えることはない。

「いつまでやれるかは分からないけど、3年計画の何年かは関わりたい。何かを残していきたいと思っている。僕自身、レッズが好きだから。レッズのために戦いたい。ファン・サポーター、クラブスタッフ、チームメイトたちを含めて大きな家族。みんなを喜ばせたい。そのために努力していく」

 2020年シーズンを締めくくる12月19日のホーム最終戦では、その思いを体現することを誓う。

「先につながるような試合をする。今季はこれで終わりだけど、浦和レッズは続いていくから。試合が終わったときにチームメイトとファン・サポーターと一緒に喜んで、大きな拍手で称え合えれば最高かな。そのために全力でがんばります」

 今季の目標であるACL出場圏内にはもう手は届かないが、意味のない消化試合にするつもりはない。明るい未来につなぐ、勝ち点3を積み上げる。

(取材/文・杉園昌之)

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[vs札幌] 未来を担うタレントたちの競演

2020年12月18日 15:45 浦和レッズニュース

 12月19日のJ1リーグ最終節、浦和レッズはホームにコンサドーレ札幌を迎える。4試合勝ち星から見放されているが、チームは先を見据えたトライを続ける。

 前節の川崎フロンターレ戦では高卒ルーキーの武田英寿が初めて先発出場。ボールロストからカウンターを浴びるなど未熟な一面も見せたが、攻撃にアクセントをつけるパスなど可能性も感じさせた。

 2020年を締めくくる一戦では、結果はもちろんのこと、来季への希望にも目を向けたい。

 12月12日の湘南ベルマーレ戦以来、2試合続けてセンターバックでプレーする橋岡大樹は持ち場を変えて、随所に持ち味を発揮。トップチームに昇格して以降、主に右ウイングバック、右サイドバックでの起用が続いてきたが、アカデミー時代は年代別代表にも名を連ねてきたセンターバックだ。言うなれば本職である。

 ここ2試合ではさすがのプレーを披露。持ち前の対人能力の強さだけではなく、自慢のスピードを生かして裏のスペースをカバーしつつ、大胆なインターセプトも見せている。右サイドバックとして著しい成長を遂げてきたが、あらためてセンターバックとしての潜在能力も高いことを示している。

 その橋岡が中央に回ったことで、右サイドバックに抜擢されているのが大卒2年目の岩武克弥。チャンスをもらった24歳は、はつらつとしている。ビルドアップのミスはあるが、川崎戦では鋭い出足のパスカットから先制ゴールのきっかけをつくった。PKを誘発したゴール前への飛び出しも目を見張る。チャレンジするプレーが増えており、特徴も見えてきた。最後のアピールにも燃えているはずだ。

 伸びしろのある若手たちは、まだほかにもいる。ケガから戻ってきたボランチの柴戸海も、最終戦に向けて闘志をたぎらせる一人。大卒3年目の25歳はシーズン中盤までコンスタントに先発出場の機会を得て、自信を深めた。

「まだまだ自分がチームを引っ張っていくというより付いて行っていますが、これからは自分が引っ張っていけるようになりたいです」

 埼スタに響く熱い手拍子には、熱いプレーで応える。ここからさらに飛躍していくためにも、結果でしっかり応えることを誓う。

「絶対に勝って、喜びを分かち合いたい。個人としても、チームとしても成長していく上で大事な試合になる」

 今季ラストの埼スタでは浦和の未来を担うタレントたちが、きっと躍動してくれるはずだ。

(取材/文・杉園昌之)

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室井市衛コーチがハートフルで大事にしている3つのこころ

2020年12月18日 13:15 浦和レッズニュース

 赤いハートのロゴをあしらった2トントラックで浦和の街を走っていると、「あ、ハートフルだ」と子供たちから手を振られるようになった。

 浦和レッズが、2003年にハートフル活動を開始してから17年。すっかり地域に浸透している。活動方針は昔もいまも変わらない。テーマはこころを育むこと。

 コロナ禍の中でも、感染予防対策をしながらブレずに活動を続けている。ハートフルクラブのコーチを務めるOBの室井市衛はしみじみと話す。

「いままでやってきたことを継続しています。あらためて、継続する大切さを知りました。制限があるなかでも活動はできます。楽しみに待ってくれている子供たちがいますから」

 活動は小学生を対象とした定期的なサッカースクール、サッカークリニック、小学校の体育授業のサポートなど、多岐にわたる。レッズOBの鈴木慎吾、盛田剛平、池田学らもコーチになっているが、技術の向上と体を鍛えることだけを目的にしていない。むしろ大事にしているのは、仲間を信頼し思いやるこころ、お互いに楽しむこころ、何事も一生懸命にやるこころ。指導する上でも、最も気を使う点だ。

「仲間のため、チームのために、頑張ったところをよくみて、声がけをしています。簡単そうですが、コーチの質が問われます。選手育成とはまた違います。学校の先生に近い感じですね。僕も最初はできるのかどうか戸惑いましたが、いまはやりがいを感じています」

 スクールには街クラブで挫折した子供もいれば、親に半ば強引に手を引っ張られて来るタイプまでいる。どのような子供に対しても、指導方針は一貫している。

「参加した子供に、サッカーって面白いな、楽しいなって、思ってもらえるようにしたいです。ただ楽しいだけではなく、挨拶することや約束は守ることなど、言うべきことは言います」

 普及活動の一環ではない。レッズが来る前からサッカーが深く根付いている土地である。ハートフルは、あくまでサッカーを通じて、思いやりを伝えていくことを徹底している。コロナ禍の影響で人と人の距離ができ、疑心暗鬼になりそうなこともある。

「こういう状況だからこそのハートフル」

 実際に小学校、幼稚園、保育園に足を運ぶことで子供たちから喜んでもらったりもした。これこそが浦和における、レッズの存在意義だろう。これからも心の土台が揺らぐことはない。

(取材/文・杉園昌之)

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大槻監督「選手とともに浦和レッズの勝利に向かう」

2020年12月11日 17:45 浦和レッズニュース

 12月11日、大原サッカー場でのトレーニング後、大槻毅監督の定例会見がオンラインによって開かれ、明日12日にホームで開催される湘南ベルマーレ戦に向けた質疑応答が行われた。

 悔しい敗戦を喫した鹿島戦から2週間がたち、チームの状況を聞かれると「少し期間が空いたが、しっかりとメリハリを付けて、今週からは特にスイッチを入れるようにやりました。ケガ人も増えている状況ですが、フレッシュな選手ももちろんいますし、選手も一生懸命やってくれました」と様子を語った大槻監督。

 アグレッシブなプレーでハードワークが多い湘南ベルマーレ戦に向けて、「気持ちだけで勝負できるのであれば気持ちを高めればいいですが、そうではないと思っています。相手とのかみ合わせは当然ありますので、どこが空いて、どこに走るスイッチを入れられるか、そこで奪ったときに有効な手段は何なのか、というところをトレーニングしましたし、それを表現する回数が多くなることを目指したいと思います」と意気込みながらも、「ただ、すごく走るチームですし、過去の試合を見ていると力関係によっては押し込まれてからのカウンターが多くなる試合もありますので、入りの時間帯からしっかりとやりたいと思います。入りの勢いはすごくあるチームなので、その点を注意して進めたいと思います」と、熱い試合が予想される中でも冷静に対戦相手を分析し、試合の入り方の重要性を語った。

 残り3試合に向けて、「プロフェッショナルの仕事として、100パーセントの力を注ぐことは当然のこととして表現しなければいけませんし、選手の立場で言えば個人の価値を様々な人に見てもらう場だと思います。個人だけではなくグループとして、チームとして、これまで積み上げてきたものを見せる場として、埼玉スタジアムは素晴らしい場だと思っています。それに対して選手個々が訴えかけて、自分が持っているもの全てを出して、それを見てもらうということは譲れないと思っています。そこが大事なのではないでしょうか」と、選手たちに求める姿勢を語った。

 最後に監督自身のことを聞かれると、「僕のキャリアどうこうは関係ありません。浦和レッズが勝利に向かっていくということを選手とともにやっていく。それだけです。浦和レッズの勝ち星が増えることが大事です。残り3試合ありますので、そこで彼らが今まで積み上げてきたことや、彼ら自身の価値を上げるためにしっかりとプレーすることが重要だと思っています」と会見を締めくくった。

 ホームで行われる湘南ベルマーレ戦は明日12月12日(土)17時にキックオフされる。

(浦和レッズオフィシャルメディア)

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