全16両にモーターを搭載
JR東海は2019年4月18日(木)、東海道新幹線でN700S確認試験車を使った、最高速度360km/hでの速度向上試験を5月中旬から6月中旬まで行うと発表しました。
360km/hを目指して速度向上試験を行うN700S確認試験車(2018年3月、草町義和撮影)。
N700Sは、新幹線N700系の置き換え用として2020年7月に営業運転を開始する予定の新型車両。量産に先立ち確認試験車が製造され、2018年3月から走行試験を行っています。
2019年5月中旬からの速度向上試験は、東海道新幹線(下り線)の米原~京都間で夜間に実施。徐々に速度を上げ、最終的に360km/hで走らせるといいます。確認試験車は16両編成中14両にモーターを搭載していますが、この走行試験では16両すべてにモーターが搭載されます。
JR東海は3月に発表した2019年度の設備投資計画で、N700S確認試験車を使った360km/hでの速度向上試験の実施を盛り込んでいました。計画通りに360km/hで運転された場合、営業車仕様の車両を使った東海道新幹線での試験最高速度の従来記録(2009年11月、N700系量産先行試作車が330km/h達成)を30km/h上回ります。JR東海は「N700Sのポテンシャルを高い次元で確認するため、360km/hの速度向上試験を行います」としています。
なお、試験専用車両を使った東海道新幹線での速度試験の最高速度記録は、1996(平成8)年7月に955形試験車「300X」が達成した443km/h。これは電車方式での世界最高速度記録でもあります。
【写真】電車方式で世界一! 最高速度443km/hの「300X」!
「リニア・鉄道館」で展示されている955形試験車「300X」。電車方式では世界最高速度の4433km/hを記録した(2016年6月、恵 知仁撮影)。
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