cat_18_issue_oa-tokyoshimbun oa-tokyoshimbun_0_43923541761d_「川崎事件のように危害を加えては…」容疑の元次官 長男を懸念 43923541761d 0

「川崎事件のように危害を加えては…」容疑の元次官 長男を懸念

2019年6月3日 16:55 東京新聞

 自宅で長男を包丁で刺したとして殺人未遂の疑いで逮捕された元農林水産事務次官の熊沢英昭容疑者(76)=東京都練馬区=が「川崎市であった殺傷事件のように子どもに危害を加えてはいけないから殺した」という趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材で分かった。

小学校の運動会に「うるさい」

 捜査関係者によると、殺害された無職の長男英一郎さん(44)は自宅の部屋に引きこもりがちで、家庭内暴力や家族への暴言があったといい、熊沢容疑者は「以前から身の危険を感じていた」とも供述している。事件の数時間前には、自宅に隣接する小学校の運動会について、英一郎さんが「うるさい」と言い、不機嫌になり、熊沢容疑者と口論になっていたという。

 警視庁練馬署は、家庭内暴力を受けていた熊沢容疑者が、英一郎さんの言動などから、先月二十八日に川崎市多摩区で私立カリタス小の児童ら二十人が殺傷された事件のように子どもや周囲に危害を加えかねないと考え、事件を起こしたとみて、調べている。

 署は三日、熊沢容疑者を殺人容疑で送検した。

 死亡した英一郎さんの傷は十数カ所に上り、胸や腹など上半身に集中していた。自宅からは、熊沢容疑者が殺意をほのめかす内容のメモも見つかった。

 英一郎さんは十年以上前から、都内の別の場所に住んでいたが、本人の希望で五月下旬から実家に帰っていた。別居中にはごみ出しを巡り、近隣住民ともめることもあったという。

 事件は一日午後三時半ごろ発生。熊沢容疑者が「息子を刺し殺した」と自ら一一〇番した。

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VRでリアルに 発達障害の感覚を疑似体験

2019年6月3日 16:55 東京新聞

 VR(仮想現実)で発達障害の人特有の感じ方を疑似体験し、働きやすい職場づくりに生かしてもらう取り組みが進んでいる。VRを制作したのは、認知症体験ができるプログラムなども作る千葉県浦安市の会社「シルバーウッド」で、6月からサービスの提供を始める。発達障害の特性の一つが、光や音に敏感すぎること。障害のある人に、周囲はどう見え、どう聞こえているかをリアルに再現している。 (五十住和樹)

障害のある人の声を参考に制作

 VRは、企業や役所の人事担当者向けだ。障害者の就労支援事業などに取り組む「LITALICO」(東京都目黒区)に協力を依頼。同社が長年接してきた発達障害の人の声を参考に制作した。社内の研修プログラムで使ってもらうことを想定している。

 サービス提供を前に四月に東京都内であった体験会には、省庁や大手企業の約五十人が参加。専用ゴーグルを着けて、発達障害の中でも自閉スペクトラム症(ASD)の人に多いとされる聴覚過敏や視覚過敏を体験した。

目の前が光の砂嵐に

 聴覚過敏の映像は、周りに人がいるざわついた空間での面接の場面。面接者の声に集中しようとするが、周囲の人の声が邪魔をして全く理解できない。視覚過敏は車の後部座席に座っている設定。真っ暗なトンネルを出た瞬間には、風景が真っ白になって車と歩行者さえ判別しにくい状態に。目の前に砂嵐のような光の粒が突然現れることも。

 普段、職場で発達障害の人と接しているだけでは分からないだけに、皆、驚いた様子。「障害の状態を、自分のこととして体験することが重要」とシルバーウッド社長の下河原忠道さん(47)。参加者の一人、インテリア小売り大手「ニトリ」労働組合副書記長小池美紗登さん(39)は「組合には、お客さんらへの対応で悩む声が寄せられている。本人の感じ方が分かったので、必要に応じて会社への改善を求めたい」と話した。

 「LITALICO」の社員で、発達障害の当事者でもある吉野公篤さん(37)は「自分たちのストレスや疲れやすさを周囲に知ってもらうことが大事」と説明する。四年前に発達障害と診断された吉野さんは、視覚や聴覚、味覚など五感に過敏症状がある。

 自らも協力したVRについては「私たちの日頃の状態をうまく表している」と評価する。その上で、光に過敏な人は職場でサングラスを使えるようにすることを提案。日光が差し込む窓際を避ける席替えや照明を暖色系に取りかえることなども落ち着いて仕事をするには有効という。一方、音に過敏に反応してしまう場合は「耳当てを着けることが役立つ」。集中できる静かな場所を設けるのも効果的だ。「発達障害の人を特別扱いするのでなく、全ての人が安心して働ける職場づくりを意識してほしい」

◆国もサポーター養成講座

 厚生労働省が4月に発表した障害者雇用状況報告によると、昨年の発達障害の人を含む精神障害者の雇用者数は約6万7000人。前年比で約35%増えた。診断を受けていない人は、さらに多いとみられる。

 発達障害の人は、こだわりが強かったり人との意思疎通が苦手だったりで就労が難しい人が多い。そこで、同省は一昨年9月から「精神・発達障害者しごとサポーター」の養成講座を開催。発達障害の人の特性に応じた配慮や接し方などを教えている。これまで全国で3000回以上開き、10万人近くが受講したという。

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cat_18_issue_oa-tokyoshimbun oa-tokyoshimbun_0_94e62cabf730_お笑い芸人 滝沢秀一さん 清掃員と二足のわらじ 妻が産後うつになって…〈家族のこと話そう〉 94e62cabf730 0

お笑い芸人 滝沢秀一さん 清掃員と二足のわらじ 妻が産後うつになって…〈家族のこと話そう〉

「出産に40万円かかるから」芸人だけでは稼げず

 お笑い芸人とごみ清掃員の仕事をしています。きっかけは6年半前、当時、妊娠していた妻から「出産に40万円かかるから用意して」と言われたことです。

 芸人では稼げず、別の仕事を探して電話をかけた元芸人の後輩がごみ清掃員でした。「俺にもできるか」と聞くと「できる」というので始めました。走ったり、重いごみを運んだりときつかったです。出産のために始めた仕事ですが、お笑いと両立できるので、その後も続けました。

第2子の出産後「子どもを抱っこできない」即入院

 しんどかったのは2016年の夏。妻が第2子を出産後まもなく、産後うつになったのです。ある朝、ごみ清掃の仕事に出掛けようとしたら、妻から「子どもを抱っこできない。仕事に行かないで」と言われました。 休むわけにいかず、妻の母を呼びました。予兆はありました。今までできたことができない、と泣くことがあったからです。でも稼ぎのため仕事に行きました。なんとか持ちこたえてくれという気持ちでした。

 その日の仕事を終え、妻と病院に行くと、医師の診断は産後うつ。「悠長なことは言ってられません。明日から入院です」

長男は母の家、長女は乳児院 まずは夫婦だけで生活

 長男は私の母の家に、長女は乳児院に預けました。当時は、朝5時にごみ清掃に出掛け、仕事が終わると乳児院の娘に会い、病院の妻に必要なものを届ける。母の家で長男とご飯を食べ、風呂に入って寝かしつける。自宅に戻るのは午後10時ごろという生活でした。

 妻は1、2カ月で退院しましたが、まずは夫婦だけで生活し、次に長男を迎え、娘と暮らせるようになったのは半年ほどたってからです。娘が戻るまで、妻は毎日泣いていましたね。

清掃員の日常が話題に 漫画化で”素人”の妻を推薦

 妻を支えたいと、ちょっとずつ家事や子育ての時間を増やしました。ツイッターなどで清掃員の日常を発信していたのが話題になり、昨年、漫画の出版を持ち掛けられました。担当者から漫画の描き手を相談され、「妻はどうですか?」と提案しました。妻は漫画を描いた経験はありませんが、置き手紙などに描く絵がうまかったんです。妻は「やる」と言いました。

 妻は締め切りが迫ると、夜中まで描きました。デザインやイラストを学んだこともない素人。技術を磨き、人さまに見てもらえるレベルまで努力したのは、たいしたものです。

生き方はいくらでもある、と考えられるようになった

 今は子どもの成長がすごく楽しみです。小学校1年の息子は「大人になったらごみ清掃員と何やろうかな」と言って、僕の影響なのか仕事は2つ持つものだと思っているみたいです。最近は「ごみ清掃員とプロ野球選手になる」って。下の2歳の娘もかわいいですね。2人とも将来どうなるか楽しみ。子どものために生きていると言っても過言ではないです。

 以前は芸人で成功しなければ人生は失敗と思っていました。でも、生き方はいくらでもあると、ごみ清掃をして学びました。稼げば、子どもは育てられますから。こう考えが変わったのも、家族ができたことが大きいですね。

◇たきざわ・しゅういち 1976年、東京都生まれ。1998年に漫才コンビ「マシンガンズ」を結成、お笑いライブやラジオなどで活躍。エッセー「このゴミは収集できません」(白夜書房)や妻と共同制作した漫画「ゴミ清掃員の日常」(講談社)など、ごみ清掃員の体験を基にした著作もある。

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cat_18_issue_oa-tokyoshimbun oa-tokyoshimbun_0_49779ed1a917_故郷追われた少数民族を支援 クルドを知る会代表・松沢秀延さん 49779ed1a917 0

故郷追われた少数民族を支援 クルドを知る会代表・松沢秀延さん

2019年6月3日 16:55 東京新聞

弾圧から逃れたクルド人、関東にも

 世界に三千万人以上いると推定され「国を持たない世界最大の民族」とされるクルド人。主にトルコやイラクなど中東の山岳部で暮らすが、第一次世界大戦の戦勝国が引いた国境で居住地が分断され、弾圧されてきた。

 埼玉県内では川口市や蕨市に多く、蕨周辺はペルシャ語で国を意味する「スタン」を付けて「ワラビスタン」とも呼ばれている。関東地方で活動する「クルドを知る会」代表の松沢秀延さん(71)=草加市=は、長年支援を続けている一人だ。

 クルド人との出会いは、一九八〇年代。人手不足で、勤務先の造園会社には多くの外国人が働いていた。ある日、突然一人の男性が姿を消した。二年後に再び事務所を訪ねてきた男性は、片言の日本語で「ウシクにいる」。茨城県牛久市にある入国管理センターに収容され、仮放免中だと説明した。トルコから迫害され、来日したクルド人だった。

 「トルコに旅行したことはあるが、迫害されている民族がいたとは知らなかった。歴史を学ばなくては、彼らがとんでもないことになる」。外国人との交流を通して、民族問題などへの理解を深めていった。

 二〇〇三年、同僚のクルド人から「自分たちのコミュニティーをつくりたい」との申し出を受け、JR蕨駅前に部屋を借り「クルディスタン&日本友好協会」を開設。日本人でつくる「クルドを知る会」も立ち上げ、行政手続きの援助のほか、歌やダンスを披露して日本人と交流する場を設けるなど支援している。

政府は難民認めて

 ただ、ビザがない場合の法律の壁は厚い。親が法務省の施設に収容されて寂しがる子ども、保険証がなく実費負担を分割払いする妊婦…。松沢さんは「彼らを難民として、人として、政府が認めないことが一番の問題」と怒りをあらわにする。

 日本では昨年、一万四百九十三人が難民申請をしたが、認定されたのはわずか四十二人。松沢さんが支援する、国に在留特別許可を求める訴訟を起こした仮放免中のクルド人の六人家族は今年二月、成人の子ども二人についてだけ、難民ではなく留学生として滞在が認められた。仮放免中に在留特別許可が出るのは画期的とされるが、松沢さんは「難民の申請数を減らそうとしているにすぎない」と国の対応を批判する。

 故郷を追われながらも、いつ強制帰国させられるか分からない不安におびえるクルド人は多い。「彼らは私たちと同じ人間です。人と人として向き合える社会になれるよう、まずは多くの人に存在を知ってほしい」との願いが松沢さんの活動の原動力だ。 (浅野有紀)

まつざわ・ひでのぶ 長野県出身。高校卒業後、航空自衛隊に3年勤務。美術学校を経て、3年間、中東など30カ国以上を周遊した。旅先で出会った見知らぬ人から食べ物をもらうなど、助けられた経験が今につながっているという。15日まで、東京都千代田区の日本教育会館でパネル展「わたしをここからだして」を開催中。

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cat_18_issue_oa-tokyoshimbun oa-tokyoshimbun_0_f273460d5c62_1000人ロックで「リンダリンダ」 群馬・渋川の音楽フェス ブルーハーツのヒット曲を子どもも熱演 f273460d5c62 0

1000人ロックで「リンダリンダ」 群馬・渋川の音楽フェス ブルーハーツのヒット曲を子どもも熱演

2019年6月3日 16:55 東京新聞

 全国から集まった1000人が1日限定で大バンドを結成し、同じ曲を演奏する音楽フェス「1000人 ROCK FES. GUNMA 2019」が渋川市の伊香保グリーン牧場で開かれた。今年はロックバンド「THE BLUE HEARTS」(ザ・ブルーハーツ)の曲を参加者らが演奏し、会場は熱気に包まれた。(市川勘太郎)

 フェスは二〇一七年、渋川青年会議所(JC)の創立五十周年記念イベントとしてスタート。高崎市出身の氷室京介さんや布袋寅泰さんらが、一九八一年に結成した「BOØWY」の曲を昨年まで演奏していた。今年は、より幅広い人たちの参加を促そうとザ・ブルーハーツに変更した。

出典: YouTube


 募集に応じ集まったのはボーカル三百人、ギター二百人、ベース百人、ドラム五十人の計約六百五十人。午前に予行演習をし、午後二時すぎから「終わらない歌」と「リンダリンダ」の二曲を演奏した。

 次男と参加した渋川市職員小林弘朋さん(43)は「大学時代に挫折してしまったギターだが、フェスを機にもう一度挑戦した。自分たちの青春の歌を、周りと一体となり演奏する感じが爽快だった」と振り返った。

 次男の豊秋小五年、篤弥君(10)はフェス参加のため集まった同市内の小学五、六年生十七人とギター教室で二カ月間練習を重ねた。「リンダリンダで速くピックを動かす所が難しかったけれど、本番では上手に弾けました」と笑顔だった。

 主催の「1000人ROCK実行委員会」委員長柄沢純一郎さん(37)は「今後のために、と曲を変更し不安はあったが、多くの人が集まって盛り上がり安心した。可能な限り来年も開催したい」と話した。

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五輪マスコットが結婚、出産お祝い 葛飾区

2019年6月3日 16:55 中日新聞社

 2020年東京五輪・パラリンピックの大会マスコットをあしらった婚姻届と出生届を葛飾区が作り、枚数限定で配っている。会員制交流サイト(SNS)で映えそうなデザインに仕上がり、区は「新しい人生を始める記念になれば」と話している。 (加藤健太)

手をつないで♥

 婚姻届は複写式になっており、手元に残る二枚目には五輪マスコットの「ミライトワ」とパラリンピックの「ソメイティ」が仲良く手をつなぐイラストがハートマークとともに描かれている。メッセージ欄も設け、区の広報担当者は「夫婦の約束事や相手への思いをつづってみて」と呼び掛けている。

 出生届にも、マスコットのイラストや公式エンブレムが描かれ、エンブレムにも使われた市松模様を帯状にあしらった。こちらは一枚刷りで手元に残らないため、提出前にスマートフォンなどで記念撮影してもらうことを想定している。

かつてはリカちゃん

 区は「五輪とパラリンピックを盛り上げよう」と制作を企画し、若手職員がデザインを担当した。婚姻届は三千五百枚、出生届は五千枚をそれぞれ作り、五月二十七日に区役所などで配り始めた。通常版の書類も選ぶことができる。

 区がオリジナル書式の書類を作るのは三例目で、二年前には区内に本社があるタカラトミーの「リカちゃん」をデザインした出生届を配布している。

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cat_18_issue_oa-tokyoshimbun oa-tokyoshimbun_0_8917382023ac_「不登校」呼び方変えよう 制服向上委員会 負のイメージから子ども守りたい 8917382023ac 0

「不登校」呼び方変えよう 制服向上委員会 負のイメージから子ども守りたい

2019年6月3日 16:55 東京新聞

 社会派アイドルグループ「制服向上委員会」が、「不登校」に替わる用語を募っている。不登校との言葉で浮かぶ負のイメージから、学校に行かなくなったり、行けなくなったりした子どもたちを守りたいとの思いからだ。(北條香子)

 きっかけは、不登校のメンバーがフリースクールに通えるよう、グループで手助けしたことだった。
 
 会長を務める橋本美香さん(39)は「私なんてどうせ不登校だから」とふてくされたように話すメンバーの姿が気になった。一時、学校に通わなかった経験のあるグループのプロデューサーが「それだけで不良と見なされるのが嫌だった」と話していたのも聞いた。

 「不登校という言葉では悪いことをしたかのようなレッテルを貼られ、余計に学校に行きづらくなってしまう」。そう考えた橋本さんは、学校に行かない選択も前向きに捉えられるような呼び方に替える運動に取り組み始めた。

 新用語案を四月から、グループ事務所宛ての手紙やメールで受け付けている。集まった案を、識者を交えて検討し、十月に東京都小平市でのイベントで発表する予定だ。新用語によせて曲もつくり、不登校と呼ばれて傷ついた子どもたちと一緒に歌う構想もあたためている。

 応募先は制服向上委員会のホームページを参照。クラウドファンディングで、イベント開催費用など二百五十万円も集めている。

 新しい用語は慎重に選ぶべきだとの意見もある。

 「不登校に、なりたくてなる子はいない。」との著書がある金沢こども医療福祉センター・金沢療育園の上野良樹施設長(小児科医)は「例えば『在宅就学』とした場合は『行けない』ではなく『行かない』印象で、子どもの実情にはそぐわない」と指摘する。「替えるとしても、学校に行けないことに、子どもが苦しんでいる意味合いを含んだ言葉であるべきだ」と話す。

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cat_18_issue_oa-tokyoshimbun oa-tokyoshimbun_0_10eb1bc5545e_「ゴクトレ」で酷暑克服 子どもほど脱水症になりやすい 楽しみながら水分補給を習慣化  10eb1bc5545e 0

「ゴクトレ」で酷暑克服 子どもほど脱水症になりやすい 楽しみながら水分補給を習慣化 

2019年5月31日 16:55 東京新聞

 各地で猛暑日を記録するなど、早くも暑さ対策が必要になってきた。特に、幼い子どもは脱水症になりやすいため、大人以上に水分補給が大事だ。ただ、遊びに夢中でなかなか飲んでくれなかったり、甘くないお茶や水は嫌がったりと、一筋縄ではいかないことも多い。夏本番に向け、こまめな水分補給を意識づけるにはどうすればいいのか。(添田隆典)

◆自分から欲しがらない

 東京都杉並区の主婦、中牟田優子さん(34)がヒヤリとしたのは酷暑だった昨年夏。一歳半だった長男を夏祭りに連れていった時のことだ。気温三〇度を超えていたため外出前にしっかりお茶を飲ませたつもりだったが、一時間ほどで長男は気分が悪くなるなど熱中症気味になった。

 長男にはこまめに水分を取らせることを心掛けていた。ただ「一口飲んで終わることもある。喉が渇かないと自分からは欲しがらないので量が足りているのか心配」。不安が的中したのが、夏祭りだった。

 同じ心配をする親は多い。アサヒ飲料が昨年六月、夏場の水分補給について三~五歳の子どもを持つ母親三百人に調査したところ、「どのくらいの量を与えればいいか分からない」「量が十分か自信がない」という選択肢に対し、「あてはまる」と答えた人の割合はいずれも八割に上った。

◆1回の分量コップ2~3口

 小児科医の首里京子さん(40)=同港区=によると、子どもは腎臓などの水分調節の機能が未熟なため、水分が汗や尿として体の外に出ていきやすい。また、身長が低く、地面からの照り返しを受けやすいのも脱水症になりやすい原因だ。環境省によると、大人の顔の高さで気温が約三二度のとき、幼児の顔の高さでは約三五度になるという。

 だからこそ水分補給が欠かせないが、摂取すべき量は年齢や体格、食事内容で変わるため「一概に目安を示すのは難しい」。そこで首里さんが勧めるのが、自ら監修した水分補給のトレーニング「ゴクトレ」。コップ二~三口の分量(五十~百ミリリットル)を、起床時や食事、おやつの時、散歩や外遊びの前後など毎日決まったタイミングで飲み、水分補給を日々の習慣にすることを目指す内容だ。

◆麦茶か水がおすすめ

 飲む物はカフェインが入っていない麦茶か水が基本だ。緑茶やウーロン茶はカフェインを含むので注意。スポーツドリンクは汗をかいた時の塩分補給には有効だが、砂糖も多く含まれるため「普段の水分補給では、なるべく控えたほうがいい」。

 ただ、お茶や水は苦手な子どもも。「まずは水分補給が楽しくなる仕掛けを」と首里さん。お気に入りのコップを選び、「マイコップ」として持たせるだけでも効果がある。加えて、頑張って飲めたときは「ごっくんできたね」とほめることも子どもにはうれしい。

 脱水症は、ある程度進まないと、顔が紅潮したり体温が上昇したりといった症状が出ず本人も周囲も気付きにくい。「ごはんを食べたら歯磨きをするのと同じ感覚で、親子一緒に水分補給のトレーニングをしてほしい」と首里さんは話す。

 「親がおいしそうに飲む姿を見せることが大事」と言うのは、元名古屋学芸大ヒューマンケア学部教授で社会福祉士の坂鏡子さん(62)=愛知県知多市。「『飲めるかな』と心配そうに見守るより、子どもがまねしたくなるような手本を示してほしい」と呼び掛ける。

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cat_18_issue_oa-tokyoshimbun oa-tokyoshimbun_0_e531dd57a239_通学バス どう守る? 安全なはずが…周辺の学校苦慮 e531dd57a239 0

通学バス どう守る? 安全なはずが…周辺の学校苦慮

2019年5月31日 16:55 東京新聞

 川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立カリタス小学校(同区)の児童ら十九人が殺傷された事件は、乗車する直前の惨劇だった。一般的に私立小学校などがバスを運行するのは、徒歩より安全と考えられるためだが、今回の事件は「想定外」の凶行。同小と生活圏が重なる川崎や横浜の学校が受けた衝撃は特に大きく、今後の対応に苦慮している。 (安田栄治、鈴木弘人、石川修巳)

 私立桐蔭学園小学部(横浜市青葉区)は、最寄り駅との送迎バスに教職員一人が添乗し、下校時には駅のホームまで見送る。事件後、二つの駅に計三カ所あるバス停に教職員を一人ずつ配置した。催涙スプレーを持たせることなども検討している。沢本敦校長(61)は「並ぶのは公共の場。何が起きるか分からない。子どもたちを守る手だてを考えていく」と強調する。

 私立横浜雙葉(ふたば)小(同市中区)は登校時、出発時間より早めにバスが到着。教員が見守る中で随時乗り込み、並ぶことはないという。「できるだけ人員を割いて対応したい」と北脇弘樹副校長(65)。事件を受けて下校時、バスに添乗する教員を増やした。駅近くの警察署や保護者にも見守り活動の強化を要請している。

 私立桐光学園小学校(川崎市麻生区)は、登校時にスクールバスを複数運行しているが、各児童が利用するバスは事前に決まっている。発車時間に合わせて駅前で並び、教員二人がその列を見守る。

 事件後は教員を二人増員。三十日朝は、斎藤滋校長(62)自ら駅前に出向いた。「刃物を持って襲われたら大人が何人いても防ぐのは難しい。教員の安全を守るのも必要。だからといって、さすまたを持たせるわけにもいかない」と困惑気味だ。

 文部科学省の調査(二〇一五年度実績)によると、登下校時の安全確保策としてスクールバスで送迎する国公私立学校の割合は28・9%で、うち幼稚園が55・4%(五千六百三十八校)、小学校が15・7%(三千百三十四校)、中学校が15・5%(千五百九十校)。

 「バス停で乗車を待つ時間を短くしてほしい」「ほかの駅からもバスを出して、分散させた方がいいのではないか」。カリタス小が開いた二十八日の保護者説明会では、そうした提案が寄せられたという。

 内藤貞子(ていこ)校長は「保護者会での提案も考えながら、できうる限りを尽くして、子どもたちを守っていきたい」と語った。

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川崎殺傷事件 カリタス小校長「命あっての教育」 子どものケアに万全尽くす

2019年5月30日 11:17 東京新聞

 川崎市多摩区で起きた児童ら十九人の殺傷事件を受け、被害児童が通っていた私立カリタス小学校が二十八日夜に開いた記者会見。内藤貞子(ていこ)校長は「子どもたちの命あっての教育です」と語り、警備強化とともに、児童や保護者のケアに万全を尽くす考えを述べた。主な発言は次の通り。(石川修巳)

 斎藤哲郎・カリタス学園理事長 この何とも言えない蛮行によって、落ち度のない子どもたちと、愛情深く子どもを育んでこられた保護者の方々が被害に遭ったことは、怒りのやり場がなく、痛恨の極み。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、けがをした方々の一日も早い回復とご家族の痛みに寄り添っていきたい。

 内藤校長 保護者のみなさんは、無事に学校に行って、無事に帰ってきてくれるかなと心配して、子どもたちを毎日見送り、そして迎えてくださっている。このような痛ましい事件が起き、たいへん悲しく、つらく思っている。

 倭文覚(しとりさとる)教頭 私は毎朝、子どもたちをスクールバス停で学校に送っている。今朝も同じだった。五本目のバスを送り、次の六番バスがバス停に到着。子どもたちの先頭にいて、六人ほどの児童をバスに乗せたその時、列の後方から子どもたちの叫び声が聞こえた。

 状況が分かるように列の後方に移動した時、目の前に、犯人が両手に長い包丁らしきものを持って、無言で児童に刃物を振りながら、バス乗り場の方に走っていく姿を確認した。スクールバス運転手が降りて、犯人の後を追った。

 私は携帯電話で一一〇番し、児童の被害状況を確認しながら、列の後方に向かった。それが七時四十五分。警察に救急車の手配と現場の説明をし、七時五十一分、学校に一報を入れた。

 泣いている子どもとけがをしている子どもが複数いたので、けがをしている子どもは動かさない方がいいと考えて、「元気な子は先生の後についてきなさい」と言って、二十人ほどをバスに乗せた。まだ後方に倒れている児童がいた。コンビニの奥にけがをしている児童が五人、ほかにその三倍くらいの児童がコンビニに逃げていた。重傷の児童のところで、警察や救急隊の到着を待った。

 内藤校長 一番心配なのは子どもたちの心のケア。小学校のカウンセラー二人に加え、中高からも派遣してもらい、外部の力も借りる。ケアが必要な保護者も多いと思うので、学校として受けていきたい。

 子どもたちの命あっての教育。保護者会で提案いただいたことも考えながら、できうる限りを尽くして、子どもたちを守っていきたい。

 -男が襲い掛かってきた時の様子は。

 倭文教頭 男は何も話をするでもなく、叫び声を上げるでもなく、怒鳴り散らしてもおらず、無言だった。だから子どもたちも、気が付かない。男は後ろから切りつけてきて、子どもたちの視界に入らない。「キャー」とか「痛い」という叫び声で、振り向いたところを、また切りつけていった。大声を上げてやってきたならば、子どもたちも三々五々、逃げられたかもしれない。

 -容疑者と学校との関連は。

 斎藤理事長 心当たりはまったくない。

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