クラゲがたゆたう幻想的な空間に没入できる新展示が池袋のサンシャイン水族館に登場。7月9日にオープンした話題の新クラゲエリア「海月空感(くらげくうかん)」に、さっそく癒されてきました!
劇的な環境の変化や、先の見えない状況にストレスを感じている人も多い今「癒しの時間」を大切にしたいもの。なんでも、何も考えずに「ぼーっと」リラックスする時間を取り入れることは、精神の緊張状態をほぐすのに有効なのだとか。海月空感は、まさに「ぼーっと」しながら、クラゲと一緒に心もたゆたう没入体験ができるエリア。計6つの展示には、そのための演出や仕掛けが満載。
一番の目玉は、大きな水槽いっぱいにミズクラゲが漂う、新登場の「クラゲパノラマ」水槽。国内最大級となる横幅約14メートル、高さ1.8メートルの水槽は大きく弧を描いた形にカーブしており、正面に立つと横幅が見切れないほど。しかも水槽の上下部分にはミラーが配置されており、反射によって実際よりもさらに多くのクラゲが浮遊しているように見え、まさに“視界すべてがクラゲ”という状態。
クラゲがまんべんなく広がって漂う幻想的な光景に、一瞬バーチャル映像かと思ってしまったほどだが、この非日常空間を作り出す演出には水族館ならではの知見が生かされている。
クラゲは、拍動によって自力で泳ぐことはできるものの、水流に逆らって泳ぐほどの遊泳力はない(ちなみに水中で漂って生活する遊泳力の乏しい生き物はみなプランクトンと呼ばれる。よってクラゲもプランクトン)。そのため、水槽全体にまんべんなくクラゲを漂わせるためには、複雑な水流を作らなければならない。今回「クラゲパノラマ」水槽では、なんと約40本もの配管を設置し、クラゲが複雑に張り巡らされた水流にのってたゆたう光景を偏りなく作り上げている。
また背景を暗くし、照明を手前に当てることで暗い海の中でクラゲが浮き上がるかのような光景を演出。ちなみに敢えてカラーライティングをしていないのは、クラゲの生態をありのまま観察できるようにするため。よく見ると、四つ葉のクローバーのような模様が濃いオレンジ色のクラゲもいれば、薄い色のクラゲもいる。実はこの模様はクラゲの消化器官。オレンジ色が濃いクラゲは、動物性プランクトンで“お腹いっぱい”、模様の色が薄いクラゲは空腹状態ということのようだ。
同じく新登場の「クラゲスクリーン」では、クラゲたちの長い触手が水槽の中で流れるような描線を作り出し、まるでアートのような情景が。展示されているのは、長い触手を持つシーネットルの仲間の1種、アカクラゲ。シーネットルの仲間の特徴の1つである、刺胞毒を持ったクラゲだ。海の中では決して近寄りたくない存在だが、何本もの長い触手が水流になびく姿は、美しくかつ壮観。
ちなみに、この長い触手はときどきからまるが、大抵は自然にほどける。たまに千切れることもあるというが再生能力の高いクラゲにとっては大して問題はないようだ。
常設で展示されていたクラゲ水槽も新エリアオープンに合わせてリニューアル。「クラゲトンネル」は、その名の通りクラゲがたゆたう水の中を歩くような気分を味わえるトンネル型の水槽。水槽内には左右と頭上にループする3つの複雑な水流を作り、いつ見ても頭上にも左右にもクラゲが漂う光景が広がる。今回のリニューアルでは床や壁面にもクラゲの姿が反射し、360度、クラゲに囲まれているかのような気分になれる。
円筒状の水槽が1本、いや2本? 8本? 無限? と惑わされる「夢幻海月(むげんくらげ)」では、愛らしい丸みとカラフルさが人気のブルージェリーを展示。
上下部分が床と天井で隠され円柱のように見えるが、実際は「O」の字型の水槽となっており、クラゲはチューブの中を水流に乗ってグルグルと回遊している。また、円柱部分の間にはマジックミラーをはさみ、さらに奥側の水槽の周りは四面鏡を配しているため、クラゲが上下する円柱が無限に続いているかのような光景を楽しむことができる。
水流に乗ってクラゲが目の前に浮き出てくるかのように見える「クラゲルーペ」ではインドネシアシーネットルを、天井からしたたる巨大なしずくのような水槽に入ったクラゲを見上げる「クラゲドロップ」ではタコクラゲを展示。
水の生き物たちのプロである水族館ならではの知見を活かした幻想空間。クラゲたちの生態を観察するのもよし、ルールを守って自分だけの癒し動画や写真に挑戦してもよし。もちろん、腰掛スペースに座ってただ「ぼーっと」を眺めるのもおすすめだ。エリア内では、心地よいアロマや、オリジナルサウンド、実際に水を使って揺らぐ水の影を投げかける照明など、ヒーリング演出が満載。水中世界に没入して、癒しを満喫してみて。
サンシャイン水族館 新クラゲエリア「海月空感(くらげくうかん)」
【場所】豊島区東池袋3-1サンシャインシティ ワールドインポートマートビル・屋上
【営業時間】9時30分~21時(~9月10日)、10~18時(9月11日~)※最終入場は終了の1時間前 ※時期や状況によって変更あり。
【入場料金】大人(高校生以上)2400円、こども(小・中学生)1200円、幼児(4才以上)700円
※オープンから当面の間、入場制限を実施。
WEBで販売する日時指定のチケット、一部コンビニで販売する時間指定チケット、またはWEB上で配布する整理券、年間パスポートのいずれかを持っている人のみ入場可能。詳細は公式サイトにて最新情報を確認のこと