作って楽しく、食べておいしい。あると心強くて安心するもの。単なる時短や効率ではなく、季節を感じながら健やかな自分を持続させるための保存食、今月は夏にうれしいスパイシーなドライカレー。「たっぷりの野菜とトマトピュレでしっとり仕上げたドライカレーは、いつでも食べられるように多めに作って冷凍するのがおすすめ。クミンの香りをつけたご飯もセットにして、1食分ずつ小分けにしてフリーザーにストックしておくと、面倒なときのお助けごはんになりますよ」。ドライカレーだけでなく相性のいいクミンライスもセットなら、気分もいっそう上がる。「ホールスパイスは先に油で炒めて香りを引き出します。ひき肉はラムや鶏肉に替えてもおいしく、内側から脂が出てくるまでしっかりと炒めるのがコツ。この2品だけでも十分ですが、余裕があるときはさらにサラダやサブジを作って合わせるとかなり充実したごちそうに」。一人ごはんにもおもてなしにも役立ちそうなセット、今度の週末に仕込んでみては。
材料(作りやすい分量)
合びき肉 600g
しょうが 約50g
にんにく 小1片
玉ねぎ 1個
パプリカ 大1個
セロリ 1本
香菜 1株
玉ねぎ 1個
青唐辛子 3本
クミンシード 小さじ1と1/2
シナモンスティック 1と1/2本
クローブ 5〜6本
ターメリック(粉末) 小さじ2/3
コリアンダー(粉末) 小さじ2/3
トマトピュレ 150g
米 3合
塩 適宜
植物油 適宜
作り方
❶しょうがは皮の硬い部分を取り除き、クミンライス用に2〜3枚スライスし、残りは皮ごとすりおろす。にんにくもすりおろす。玉ねぎは粗みじん切りにし、パプリカも同様に切る。セロリは茎、葉ともに粗く刻む。香菜は茎を刻み、根もよく洗って刻む(葉は取っておく)。青唐辛子は小口切りにする。
❷フライパンに油大さじ1を入れ、クミンシード小さじ1とシナモンスティック、クローブを炒めて香りが出たら、しょうがとにんにくのすりおろし、青唐辛子を加えて炒める。香菜の根、茎と①の残りの野菜を加え、途中で適宜、油少々を足しながら炒め合わせ、塩少々をふり、いったん鍋に移す。
❸②のフライパンを洗わずに油少々を足し、ひき肉を炒める、油がなじんだらターメリックとコリアンダー、塩少々を加え、ひき肉からしっかり脂が出るまで炒め合わせる。野菜の鍋に移し、トマトピュレを加えて混ぜ、焦げないように弱めの火加減で時々混ぜながら水分を飛ばし、火を止める。
❹クミンライス用に米を同量の水加減で炊く。フライパンに油小さじ2と残りのクミンシード、しょうがのスライス2〜3枚を入れて、弱火で香りが出るまで炒める。少し煙が立ってきたら、炊きたてのご飯に回しかけて塩を軽くふり、ざっと混ぜ合わせる。器に③のドライカレーとクミンライスを盛り、レモン汁と塩少々で和えたきゅうり(すべて分量外)を添え、香菜の葉を散らす。
保存は密閉式のフリーザーバッグが便利。「粗熱が取れたら、1食分ずつ小分けにして保存袋へ。平たく均一にならしてから冷凍すると解凍しやすくなります」。保存期間は、どちらも冷凍で約1カ月。ドライカレーは、冷蔵の場合は4〜5日。ライスは味が落ちやすいので、保存するなら冷凍で。
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍。「最近タクシーに乗ると、SPURの動画広告で見覚えのある料理の映像が流れてハッとすることが(笑)」。SPUR.JPにて展開中の本連載の料理プロセス動画も大好評。ぜひチェックを!
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda