石田純一
「不快な思いをさせてしまった。(沖縄の)ホテルにも迷惑をかけて申し訳ない。判断が甘かった。本当に怖い。(移動中に他の人に感染させたら)“殺人罪になるんだぞ”とのお叱りも受けた。反省している」
新型コロナウイルスに感染し、約1か月の入院を経て5月12日に無事に退院した石田純一。今後は最低でも約2週間、自宅で経過観察を要するというが、14日の『とくダネ!』(フジテレビ系)に電話で生出演を果たしては早々と“復帰”してみせた。
謝罪と反省の言葉を並べる一方で、沖縄のゴルフ場のロッカールームでうずくまっていたことに触れられると、
「めちゃくちゃ調子が悪くて。発症はしてないんだけど、すごく疲れていて具合悪く見えただけ」
と、あくまでも「ゴル場で発症したわけじゃない」と強調してみせたのだった。
「石田さんにとってゴルフは大切な仕事なのです。スポンサーの絡みのイベントやコンペのお呼ばれがありますし、何より『石田純一のサンデーゴルフ』(テレビ東京系)というレギュラー番組を持っている身ですからね。“ゴルフ場でコロナを撒いた”という印象をもたれることだけはなんとしても避けたいのでしょう。それにしても、感染源とされる北関東のゴルフ場で、会食に同席した女性に対する“勘弁してよ”発言など、今回の件では彼の自分本位な面が見受けられました。
石田さんが世間に叩かれているのは、コロナに感染したからではありません。感染拡大が呼びかけられていた時期に“自分は大丈夫だろう”と、沖縄に行ったことが問題なのです。好感度がだだ下がりした今、いくら業界にお友達が多かろうともテレビ“復帰”は難しく、窮地に立たされていると言えます」(芸能リポーター)
とすると、石田のメインの仕事になるのはお得意のイベント営業になりそうだ。中でも大きな営業先は、彼を長年にわたってイメージキャラクターとして起用し続ける、パチンコ店などのアミューズメント施設を運営する『ベガスベガス』だ。
清原は打ち切り、石田の契約はどうなる?
「それまでは清原和博氏を起用していましたが、薬物騒動により2015年から石田さんが引き継ぎ、広告塔としてCM出演やホールのオープニングイベントにも出席しています。件の東京都知事選への立候補時には世間の反応を見てか、一時は起用を見合わせるも契約が打ち切られることはありませんでした。彼の大事なスポンサーですね」(広告代理店関係者)
奇しくもコロナ禍において、3密とされるパチンコ業界もまた窮地に立たされている。ベガス社の系列店もGW明けから一部店舗で営業を再開するも、北海道内や都心などの20店舗以上が臨時休業のままだ。
「おそらくは今月末まで延長された緊急事態宣言の解除にかかっているのでしょう。ちょうど、その頃には石田さんも自宅待機が解除されると思いますし、両者ともに絶好のタイミングではないでしょうか。そこを復帰舞台にすればマスコミの注目も集まることでしょう」(前出・広告代理店関係者)
というか、タレントイメージを下げた石田は契約を切られないのか? ベガスベガスの広報担当者に聞くと、
「契約は残っていますので(石田とは)続けさせていただいております。特に今のところ、(契約期間を)何月に変えるといった予定は特にございません」
これからも石田を起用していくようだ。では、彼の仕事復帰の場になるのだろうか。
「今後は(営業も含めて)未定ですし、(石田が参加するようなイベントなどの)具体的な予定は今のところはございません」(広報担当者)
信用してくれるスポンサーのためにも、是非ともいい話題で世間を騒がせてほしい。
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松本人志
「吉本興業の大﨑洋会長がWEBのインタビューで、“新型コロナの影響で、今年の前期だけで20億円から30億円の赤字”と語っていました。会社も所属芸人も苦しいでしょうね」(スポーツ紙記者)
劇場や地方営業の仕事がなくなり駆け出しの芸人たちは悲惨な状況だが、この窮状を見て助け船を出したのが、ダウンタウンの松本人志だ。
「4月中旬に、松本さんの資産で後輩芸人にお金を融資すると報道されました。予算の総額は最大で10億円という太っ腹です。“無利子、無担保。上限は100万円。返済期間は5年”というのは良心的ですが、もうひとつ条件が。“おもろいやつ”にしか貸さないというんです。松本さんを笑わせなければならないというのはハードルが高いですね」(同・スポーツ紙記者)
松本ローンの返済プラン
融資について吉本に確認すると、松本自身の資金を出すことと融資条件については事実だという。ただ、具体的な人数や“おもろいやつ”の審査方法については「回答を差し控えます」とのこと。
実際はどうやって選ぶのだろうか。松本と近い放送作家はこのように語る。
「“おもろいやつ”が条件というのは松本さん流の照れ隠しです。実際、すでに融資を受けた芸人もいるんです。吉本興業は駆け出しの芸人を地方に移住させて、地域密着の芸能活動をする『あなたの街に住みます”プロジェクト』を行っていますが、そのうちのひとりもお金を借りられました。芸人たちの間では、“松本さんと面識がない、あのレベルの芸人でも借りられるのか”と驚いています」
その一方で、融資を断られたケースもあった。
「借りられなかった芸人は“芸能の仕事が少ないため”という理由でしたが、それは建前。当の本人がギャンブルですでに借金があるなど素行が悪かったんです。融資の判断は吉本の社員たちも関わってるんでしょう」(同・放送作家)
芸人の私生活をよく知っているマネージャーなら、返済能力の有無を判定できる。
「無利子で貸すわけですから、本当に生活に困っている人を選ぶのは当然です。それでも借りるための条件が厳しくないため、融資の希望者はかなり多いらしいです。松本さんが億単位の身銭を切るのは間違いないでしょう」(テレビ局関係者)
審査も行き届いている“松本ローン”は、返済プランも抜かりはないようだ。
「借りた芸人たちは、会社の給与から天引きという形で少しずつ返していくのだと思います。それなら稼げていない芸人でも一定のペースで返済できますからね。借金をモチベーションにして芸にも精が出るかもしれません」(同・テレビ局関係者)
昨年の闇営業問題でも「動きます」と宣言後、吉本の上層部としっかり話をまとめた松本。今回の“男気融資”でさらに株を上げたようだ。
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(写真左から)堀江貴文、玉川徹、橋下徹、尾木直樹、舛添要一
ワイドショーや情報番組でおなじみのコメンテーター80人をピックアップ。同じような“上から目線”や“空気を読まない”率直な物言いでも、なぜか好かれたり嫌われたり。外出自粛でテレビ漬けになった女性たちがコメンテーターをメッタ斬り!
圧倒的1位の橋下徹に続いたのは?
好きなコメンテーターで1位に選ばれたのは、2位以下に大差をつけた元大阪府知事の橋下徹(順位一覧表は写真ページに掲載)。
「強引なところはあるが、非常にわかりやすいコメントで共感できることが多い」(68歳/専業主婦)
ハッキリと物を言う姿が評価されている。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、橋下は現在の政府に対して出演したテレビ番組で「今の日本は、責任者が誰かわからない」と、苦言を呈した。テレビウォッチャーとして活躍する飲用てれびさんは、
「弁護士としてメディアに登場した“茶髪の風雲児”時代から今に至るまで、わかりやすい語り口が印象的です。そのわかりやすさのひとつの理由は、敵と味方を明確に分け、敵を激しく論破していくコメント術。そのぶん彼の言葉に反発する人も増えますが、敵が増えれば橋下さんの論破はますます冴えわたります」
続いて2位に入ったのは、テレビ朝日報道局の局員で、『モーニングショー』(テレビ朝日系)のレギュラーコメンテーターを務める玉川徹。
「羽鳥さんとの組み合わせがいい」(52歳/専業主婦)
と、説得力とともに羽鳥慎一との掛け合いが高評価に。
「玉川さんは、番組の進行役である羽鳥慎一を“ヒーロー”に仕立て上げるために、自分を“悪役”にして対比させているのだと話していたことがありました。コメンテーターとしての立ち位置を、相当演出されているのでは」(飲用てれびさん)
3位は教育評論家の尾木直樹。“尾木ママ”という愛称で親しまれ、物腰の柔らかさに好感を抱く視聴者が多い。
「子どもの立場や目線に立ち、物事を見てくれる。親の気持ちも酌みながら解説してくれるから」(49歳/パート)
4位は、公衆衛生学者で白鴎大学教授の岡田晴恵。新型コロナウイルスについて報じる朝のワイドショーでおなじみとなった顔だが、
「今回の件で1月から的確な情報と判断を、私たち視聴者にわかりやすく、かつ真剣に伝えてくれている」(66歳/専業主婦)
「一貫してブレずに意見を伝えていて、説得力がある」(71歳/専業主婦)
というように、政府のやり方に忖度(そんたく)せず的確に発信する姿で支持を集めた。
5位は『スッキリ』(日本テレビ系)などで、“外国人”目線が入ったコメントをするモーリー・ロバートソン。
「知識が豊富で日本にも造詣(ぞうけい)が深く、ユーモアがある」(54歳/医療関係者)
飲用てれびさんは、
「モーリーさんは今の自分を“外国人枠で日本人が言いづらいことを言わせておいて、失敗して非難が集中したら切ればいい”と思われているのだろうと自己分析されていました。海外から日本がどう見られているか、という視点から語ることのできるコメンテーターとして貴重に感じます」
また、14位に入った同じく外国人コメンテーターのデーブ・スペクターについて、
「ダジャレを織り交ぜたコメントで軽く見られがちですが、ときに本質的な発言をしたり、巧みな印象があります」
偉そうに話すメンツは嫌われがち
ここからは“嫌い”票を集めた顔ぶれを。1位になった堀江貴文には、
「自分を肯定した話し方しかしない。賢い人だと思うぶん、言葉の使い方に残念さを感じる」(38歳/パート」
「偉そうな物言いが嫌い」(66歳/専業主婦)
といった声が。最近は外出自粛の風潮に疑問を抱くなど、SNSでの発言がたびたび取り上げられているが、
「メディアに最初に登場した“成り金”イメージが尾を引いてるのかもしれません」(飲用てれびさん)
2位は、前東京都知事の舛添要一。
「自分はロクでもないことばかりしてきたくせに、人の批判しかしない」(65歳/会社員)
都知事時代の世間のイメージがとにかく悪いよう。
続く3位は、野球解説者の張本勲。
「感情的で論理的でないから」(54歳/医師)
スポーツ以外にコメントしている場面をあまり見ないが、3位に入るあたりよほど嫌われていることがわかる。
4位の木下博勝には、
「コメントが嘘っぽく聞こえる」(48歳/会社員)
「ハラスメントで話題になったから」(51歳/パート)
『サンデー・ジャポン』(TBS系)などに出演するテリー伊藤の評価も低い。
「忖度しまくり。言ってることも偉そうなだけで、意味がわからない」(69歳/専業主婦)
6位の立川志らくは、ワイドショー『グッとラック!』(TBS系)のMCを務めているにもかかわらず上位に。
「発言が炎上すると“芸人だからしかたない”“芸人に何を期待しているのか”と反論する場面をよく見ます」(飲用てれびさん)
また、女性陣の室井佑月や香山リカには、
「私情が入りすぎて、路線から逸(そ)れた発言が多い」(51歳/専業主婦)
「コメントが常軌を逸しているときがあってドン引きする」(45歳/パート)
という声が寄せられた。
今回の結果を、飲用てれびさんに総括してもらうと、
「好きなコメンテーターの人たちは、発言が激しくても“茶目っけ”みたいなものがあるように思います。対して、嫌いなコメンテーターは、“茶目っけ”の乏しさゆえに厳しさがカバーされないのかもしれません。コメンテーターというくらいですから、コメント内容がもっとも評価されるべきだと思いますが」
(取材・文/高橋もも子)
※アンケートは全国の30代以上の女性600人を対象に1人1票でカウント(フリージーおよびアスマーク調べ)
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田中みな実
初の写真集が50万部を突破。美容雑誌の表紙を飾り、もはや美容家的存在のフリーアナウンサー・田中みな実。最近ではテレビ朝日系ドラマ『M』の怪演で女優としても躍進。さぞや意識の高いモーニングルーティン(朝の習慣)をこなしている?
「今年2月に行われた新作コスメ発表会では“8時起床→常温の水を飲む→美顔器→シートマスク→日めくりカレンダーをめくる→ボディークリーム→フットクリーム→洗濯→掃除機をかける→花の水切り→植物の手入れ→朝食→お弁当など昼食の準備→デコルテ、わきのケア→外出”と、なんと14もの工程を明かしています」(スポーツ紙記者)
と、想像以上! 常温の水は1〜1・5リットル飲み、朝食は旬のフルーツだけだという。
「ボディ用の日焼け止めは腕用と脚用を使い分け、ブラをつける前にバストクリームを毎朝塗り込むなど、あの美しさは、本人の水面下の努力のうえに成り立っているようですね」(美容系ライター)
“何もしてないんです〜”というひと昔前の芸能人と違い、“私も努力してる!”と声高に発信する姿が多くの女性の共感を得たが、それすらも計算ずく? との疑惑も。
バスローブでオシャレな朝を演出
もう1人の意識高い系といえばローラ。ハリウッド進出を目指して米国ロサンゼルスへと拠点を移し、おしゃれインフルエンサーとして活躍中だ。そんな彼女が今年1月、YouTubeチャンネルを開設。『ローラのモーニングルーティン』と題した動画の再生回数は、5月現在で391万回を超えている。
「憧れを絵に描いたようなルーティンを公開。バスローブでベッドから起き出し、お湯に生レモンを搾って、ピンクソルトを入れて飲むなど、いちいちおしゃれです。“朝から余裕あるな”なんて揶揄する声もありますが“理想”“まじで毎日やってそう”と崇拝するコメントも多い」(WEBメディアライター)
確かにおしゃれな朝だが、ツッコミどころも満載。フライパンでニンジンやブロッコリー、2切れのサーモンを焼きだすシーンでは、てっきり本人の朝食かと思いきや、愛犬たちへの手作り朝食……そのセレブ感、すごい。犬の散歩途中の『ブルーボトルコーヒー』では『オートミルクラテ』を注文。オート麦のミルクを使った栄養素が高いラテだとかで、ヘルシー志向もノンストップ! ほかにも3種のサプリを愛飲、なんだか高そうなシャンプーの紹介など、セレブな経済力を見せつけてくれた。
美を維持するには、手間とお金がかかるもの!
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氷川きよし
日本列島がコロナの脅威にさらされた2月末からコンサートを自粛・延期している氷川きよし(42)。しかし、立ち止まっていたわけではない。“その時”に向けて、人知れず準備を進めていた。まるで、蝶になる瞬間を待ちわびるサナギのように……。
演歌を歌って20年 次のステップへ
6月9日、氷川きよし初のポップスアルバム『Papillon(パピヨン)-ボヘミアン・ラプソディ-』が発売となる。
「“令和”という時代に変わって2年目の2020年。演歌を20年歌って、いろんな経験をさせていただいて、そこからまた、次のステップに行くため、自分の中でスタートを切るアルバムになりました」
収録の全14曲、オールポップス。昨年末の『NHK紅白歌合戦』で話題をさらった『限界突破×サバイバー』や『碧し』などの既存曲に加え、10曲が書き下ろしとなっている。念を押すが、演歌は収録されていない。
そのビジュアルは美しくも斬新。まさにアーティスティック。振り切れたその姿に迷いはない。演歌歌手という枠を突き破り、アーティストとして新たな空へと羽ばたいていく――。
この渾身のアルバムの構想は昨夏から始まった。そして、“人間にとって何が大事か”を考えさせられる作品を集めたという。
「表題曲の『Papillon』は、何よりも大事なのは“命”がテーマ。『キニシナイ』は、インターネットとかで、いろんな情報が飛び交っていて、フェイクニュース、噂、中傷もあり、信じて行動してしまう人もいる。そういう世界に対して、自分から歌で発信したいなと思ってできあがった作品です」
『Never give up』では初の作詞にチャレンジ。『不思議の国』のMVではドレスやブルーのウイッグで世界観を表現。演歌のフィールドとはまた異なるメッセージ性と挑戦がふんだんに。
「今まさに“生きる”ということ、命の尊さをあらためてこのアルバムで、私の歌で、伝えていけたらと思っています」
6月9日(火)発売
『Papillon(パピヨン)-ボヘミアン・ラプソディ-』
【Aタイプ/初回完全限定スペシャル盤】CD+DVD。
初の17cm紙ジャケット仕様。3545円+税
【Bタイプ/通常盤】CD。2909円+税
※写真はAタイプ 発売/日本コロムビア
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木村拓哉と母・方子さん
《「happy Mother's day !!」拓哉》
5月10日、開設したばかりのインスタグラムで「母の日」をお祝いした木村拓哉。添えられた「青いカーネーション」の花言葉は、「永遠の幸福」だ。
「当初は“Mather”と綴られていたのはご愛嬌(笑)。当然、工藤静香さんへのお祝いでしょう。代表曲『Blue Rose』になぞらえた、木村さんらしいオシャレな演出ですね。芸能界デビューしたCocomiさんとKoki,さんのためにも、さらに“母親”として頑張らなくてはいけませんね。
これまでは“キムタク妻”としての露出を控え、母親業を中心に2人の娘を育て上げてきただけに、木村さんも感謝が尽きないことでしょう」(スポーツ紙記者)
2000年の入籍後、都内一等地にある静香の実家で、いわゆる“マスオさん”生活をスタートさせた木村。娘たちが生まれた後の2007年には、その2軒隣に当時10億円とも言われた大豪邸を建設。木村の理解もあって、静香は実家近くで育児ができたわけだ。
長らく両親が“別居”、そして実家を売却
一方で、“疎遠”になっていったのが木村と実の両親だ。
「父の秀夫さんと母の方子さんとは、お世辞にも良好な関係とは言えないようです。現在の秀夫さんは都内でカフェを営み、方子さんは都心のマンションを拠点に講演活動で全国を回る日々。方子さんが千葉県内の自宅に寄るのは年に数回、荷物を取りに来るだけの“別居”状態だったのです」(写真誌カメラマン)
かつて、記者が何度か両親を尋ねた際にも、やはり“木村の実家”には秀夫さんと愛犬のボニータだけが住み、方子さんは会社事務所兼自宅のマンションに帰っていた。
「その“実家”も4、5年前に売り払われました。当時の登記ではキムタクが1/2、両親が1/4ずつ権利を所有していたことから、彼も容認しての売却であったと考えられます。キムタクにはもう帰省する実家がなくなってしまったのです」(前出・写真誌カメラマン)
また仲がよかった実弟“キムサク”こと、元アメリカンフットボールの選手として社会人リーグで活躍した木村俊作氏とも距離ができているようだ。
「以前は近所に住んでは豪邸にも頻繁に遊びに来ていましたが、アメフト引退後に経営していたアパレルブランドを閉めると、少々離れた場所に移り住んでいます。“カレッジリング”の制作と卸業を営む一方で、2019年春夏物のランウェイショーイベントにモデルとして出演。実際、兄弟の交友は減ったのではないでしょうか」(芸能プロ関係者)
それぞれが各々の生活を築いていることから“一家離散”状態、ともいえる木村家。かつて、講演会終わりの方子さんに息子夫婦との関係を尋ねたことがある。
「私がこうしなさい、ああしなさいとは言いませんよ。彼らもひとつの家族を築いていますから、口は挟みません」
もしかすると、このときすでに「口を挟める」関係ではなかったのかもしれない。
そんな方子さん自身が、家族との関係を突然、明かしたのが2015年。とある会員制活動団体のYouTubeサイトに出演し、代表者との対談で過去を振り返ったのだ。
夫の、子どもの、奴隷だった母親
《お友達から、すごい言葉なんですけども“あなた奴隷?”って言われちゃったんです。後になって、“そうか、すべていい妻、いい母をやっていて、私は自分がないんだ”って気づきました》
この1年前、“自身の活動を木村ら家族がどう思っているか”という記者の取材に対し、
「本人たちに聞いてみないとわからないですけども、心の中ではやはり、母親像というものがあるのかなと思います。なので、“静かに家にいてほしい”というのが、本来だと思います」
と、同様に胸の内をこぼしていた方子さん。ひとりの女性として自活する中で、何か変化があったのかもしれない。
というのいも、もともと彼女の講演会は「いただきます」「ごちそうさま」、食材に対する感謝の意を述べるといった“食育”が中心だったのだが、この時期から“スピリチュアル”な雰囲気をまとい、また交友関係にもその“色”が見えはじめていた。
それまで「ごめんなさいね、せっかくいらしたのに」と、直撃取材にも気遣う柔らかな対応をしてくれていた方子さんだったが、一切を避けるようになったのもこのころからだ。
薬に頼る生活が16年続いた
先のネット対談では、衝撃の告白が続く。木村らの育児中に抱えていた苦悩を吐露したのだ。
《普通の生活も安定剤がないとできなくなる。夜は睡眠薬を飲まなければ眠れなくなる、というのが16年間続いたんです。でも、家族はそれを知らないと思います。私が言わないから。言えないで、自分でなんとかしようと……》
普段は明るく振る舞い、木村のファンが次第に彼女のファンになっていくような魅力を持つ方子さんだが、そんな薬に頼らざるを得なかった壮絶な母親時代があったのだ。
「父の秀夫さんは昔気質の厳格なお父さんで、木村さんもよく殴られて育ったそうです。そんな男系家族では、母親の異変に気づけなかったのかもしれません。いま、方子さんは初めて“自由”となり、家族という形に縛られずに人生を楽しんでいるのではないでしょうか」(前出・芸能プロ関係者)
今年の母の日、木村から方子さんへの感謝の言葉は伝えられたのか。電話をかけてみるも、残念ながら応答はなく留守番電話に切り替わってしまった。
「キムタクは、自分が育った家族を“反面教師”にしているのかもしれません。もしかしたら当時、彼なりに方子さんの変調に気付いていて、静香の意思意見を尊重するのも妻に寄り添うという姿勢の現れだと思います。
今年で結婚20周年を迎えます。彼には静香がいて、CocomiとKoki,と守りたい家族がいます。最近、“家族がらみの露出が多い”との声も見受けられますが、“永遠の幸福”をアピールすることで、家族が、自分が、幸せであることを噛み締めているのではないでしょうか」(前出・芸能プロ関係者)
心から母の日をお祝いできる日が来ることを願いたい。
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磯野貴理子
世の中が令和になったばかりの昨年5月、2度目の離婚を発表した磯野貴理子。元夫のT氏は24歳年下のバーテンダーだったが、その離婚理由が物議を醸した。「自分の子どもが欲しいんだ」とT氏に言われて愕然とした磯野は離婚を受け入れるしかなかったと、レギュラー番組で告白。世間から多くの同情を集めた。
'12年に日本テレビ系『行列のできる法律相談所』でスペシャルサプライズとしてT氏が公開プロポーズ、その後、実際に入籍したことで話題に。磯野が1回目の離婚後、行きつけのバーで働いていたT氏と出会ったのがきっかけだったとか。結婚当時、夫のために磯野が出資して東京・青山にバーを開業し、2人で会社も設立し、夫婦円満に思えた。
しかし、都内一等地の高級マンションは磯野が購入しており、T氏に任せた赤字続きのバーの運営資金も磯野が出していた。さらに正月やGWなどの連休にT氏はハワイ旅行をひとりでエンジョイ。その旅費も磯野のお金だったという。「もう、これ以上お金を出したくない!」と、ついに爆発した磯野にT氏が「だったら離婚だ!」と応じたのが真相だったと週刊女性ウェブサイト『週刊女性PRIME』で報じていた。
「恋愛はしたいね〜」
離婚以来、プライベートの話題が聞こえてこない磯野。元夫婦は今どうしているのか自宅付近で聞き込みをしていると、磯野本人とばったり! 最近、近所で見つけたコーヒー店の帰り道とのことで、テイクアウトのカップを片手に取材に応じてくれた。
─Tさんはもうマンションから出て行かれたんですか?
「5月の離婚発表の後、しばらくして出て行きましたよ。お店は7月ごろまでやっていたと常連さんから聞きました。離婚してからは、会社をたたむための事務的な連絡をLINEでしただけ。今どうしているのか、どこに住んでいるのかも知りません」
磯野とT氏が作った会社は今年1月に清算され、バー跡地には4月から磯野たちとは無関係の寿司店が新たに営業していた。T氏は昨年7月、東京都下にあるファミリー向けの新築マンションを購入し、そこへ引っ越しているようだ。
ちなみに、磯野にこれからのことも聞いてみると、
「新しい恋愛もしていきたいですね。いい人がいたら出会いたいです! ただ、結婚までは考えていませんが、恋愛はしたいね~」
離婚の傷は癒えてきたのかいつもの明るい磯野だった。
─新たな出会いは?
「あったらいいんですけど。なかなか出会えないです。仕事も最近はたま~に、ちょこっとある程度ですからね」
今も元夫と暮らしていたマンションにひとりで住んでいる磯野。
2度の離婚を経て、そろそろ“違いのわかるオンナ”になれたかな?
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(左上から時計回りに)横浜流星、吉沢亮、星野源、松坂桃李、香取慎吾、りゅうちぇる(写真は本人、または事務所のSNSより)
外出自粛が続く毎日で、一部の男性芸能人たちがSNSにアップする姿にはとある変化が―。爽やかなイケメン俳優や人気のお笑い芸人たちが、髭を生やしたままの姿を続々と公開している。テレビで見る姿とは違い、オフ感あふれるワイルドな姿が印象的な“ヒゲ男”たちを一挙ご紹介!
元祖“ヒゲ男”に話を聞いた!
外出自粛の毎日は“おうち時間”をいかに楽しむことができるか――。テレビやネットでその方法がたくさん紹介されているなか、男性芸能人たちにある変化が起きていた!
吉沢亮、横浜流星という若手イケメン俳優から、子どもたちに人気のお笑い芸人まで、あらゆる芸能人たちが髭(ひげ)を伸ばした写真をSNSに投稿。星野源や斎藤工に関しては「どこまで伸びるか挑戦中」という“髭チャレンジ”を行っている。
この“髭チャレンジ”、もともとは海外のハリウッド俳優たちが「みんなが仕事が戻るまで」と言ったことをきっかけに世界に広がったもの。日本でも少しずつ広まりを見せるなか、テレビやオフィシャルの場では見られない芸能人たちの“オフ感”がいい! と一躍、話題になっている。元祖“ヒゲ男”といえば、お笑いコンビ・髭男爵の山田ルイ53世(45)。この世間の動きをどう思っているのだろうか?
「芸能人に限らず、一般の方々の“髭伸びた”みたいな投稿をSNSで見かけることは多くなったなと思います。僕はよく“髭男爵”でエゴサーチをするんですけど、最近、ある動きがあったなと思って。
去年の終わりから年始にかけては、バンドのOfficial髭男dismと僕らを間違えた、Official髭男爵とかoffice髭男爵とか、もはや何のことかわからないデジタル髭男爵という名前ばかりヒットして、僕らコンビのことを指したツイートが見つからなかったんです。
けど新型コロナウイルスが猛威をふるい始めた3月からは、“ずっと家にいるからそろそろ髭男爵になってきた”という自粛関係のツイートが目立ってきて、ますます本来の髭男爵に関するツイートが埋もれて見つからないな、という気づきはありました。
ていうか、髭を伸ばしている最中の人の“ここからが竹野内豊になるか、髭男爵になるかの分かれ道だ”みたいなツイートが目立っていて、“誰がカッコ悪いほうの髭やねん!”と少し傷つきました(笑)。みなさんが自粛を楽しんでいるならそれでいいんですけど……」
渋くてセクシー、ワイルドでカッコいい……髭を生やした芸能人たちのなかには、株を上げた人たちも。そこまで魅力的に感じてしまう髭の“良さ”とはいったい?
「これは僕の持論ですが、髭は男にとって“顔の額縁”だと思うんです。顔を一枚の絵だとして、枠になる部分ですね。額縁(髭)はとても立派でも、絵(顔)が微妙だとあんまりですけど、一流な絵に額縁が備わると、これはちょっとズルいですよね。
イケメンな俳優さんや味のある方が髭を生やすと魅力的になるのは、そういうプラスアルファの働きがあるんじゃないんですかね」
しかし、“ヒゲ男”の先駆者としては、少々気がかりなこともあるようだ。
「正直、危惧(きぐ)していることがひとつあるんですよ。僕は髭を生やし始めてからずっと叶(かな)えたかった夢が“剃刀(かみそり)のCMに出る”ということなんです。
髭男爵として有名になって、世の中のみなさんに知っていただいてから剃刀のCMのオファーで髭を剃(そ)るということを心待ちにしていたんですけど、この自粛期間が明けたと同時に、髭を伸ばしたイケメン俳優がそれをやってしまうんじゃないかと思っていて……。ネタをするときにワイングラスにファンタグレープを入れていたのも同じ理由で、ファンタのCM狙っていたんですけどダメでしたし……ちょっと心配ですね」
髭を伸ばしたくなる その心理とは
また、外出自粛で表舞台に出ないという理由があるものの、一部の女性たちからは「家にいても剃ってほしい」「清潔感がない」という否定的な意見も。剃らなくてもいい状況なら、男性は髭を生やしたくなるものなの?
「僕は中学2年から20歳くらいまで引きこもりだったんですけど、15歳のときくらいから、家でほぼ今の状態と同じくらい髭を伸ばしたことがあったんです。どうにもならない現実に対して気分転換がしたかった、あるいは変身願望みたいなものがあったのかもしれません。
芸人になって髭を伸ばし始めたときも、芸人として売れなくて、どうすればいいかわからないアンダーグラウンドにいた時期だったので、そういう心理になるのかもしれないですね。
よく空手家が修行で山ごもりをしたり、漫画の主人公が修行をすると髭がボーボーになっていることがありますけど、男ってこもると髭を伸ばすという行動パターンがあるのかもしれません。ある種いまは、この状況に耐えるという修行のような極限状態ですし」
自粛期間に髭を伸ばす男性たちに、“ヒゲ男”の先輩としての心得を聞いてみると、
「当たり前の話になるんですけど、自分の髭にしっかりと責任を持つということです。僕は形は剃刀で毎日を整えていて、長さは3日に1回バリカンで整えています。お庭に芝生を生やしたけど、ほったらかして草がボーボーに生えている、というのはよくないですよね。芝生はきれいに管理をしてこそ美しくなるので、そういう意識で髭を楽しんでほしいと思います」
答えてくれたのは……
山田ルイ53世(45)
お笑いコンビ・髭男爵のツッコミ担当。兵庫県出身。月刊誌『新潮45』に連載された『一発屋芸人列伝』が、'18年の『編集部が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞』作品賞を受賞。その他著書に『ヒキコモリ漂流記完全版』(角川文庫)など
俳優部門
吉沢亮 (26)
“国宝級イケメン”として人気を誇る吉沢。「ひきこもりの神」「今こんな感じです笑」と投稿された写真には、貴重な“髭沢”ショットが! 部屋着姿と相まってオフ感あふれる1枚は必見
横浜流星(23)
コロナ禍で過ごすファンたちに励ましのメッセージとともに投稿した1枚。普段とは違うワイルドな一面を公開し、俳優の山田孝之も「その顔が欲しい」とメロメロ
杉野遥亮 (24)
甘いマスクの杉野も、髭によって大人っぽい雰囲気に。SNSで「ヒゲ日記」と題して髭の長さを1週間記録していたというが、現在はすでに剃ってしまった模様
松坂桃李 (31)
自身のオススメ映画を紹介する動画に登場した松坂は、髭を生やし無造作な髪型という、リラックスした状態。爽やかな姿が印象的なだけにかなりのレアショット!
大泉洋 (47)
星野源がSNSで発表した楽曲『うちで踊ろう』に参加した大泉は、寝起きの強烈な寝癖と髭ショットで登場。歌のコラボなのに、面白すぎるオフショットに気を取られ、「集中できない」との声も
斎藤工(38)
感染拡大防止に向けて公開された動画内で、自粛生活について語っている斎藤は「髭の長さで記録」していると発言。もともとセクシーな雰囲気だけど、さらにダンディーさがプラスされて魅力アップ!
歌手部門
徳永英明 (59)
透き通るような声と歌唱力に加え、爽やかなイメージが評判。それを覆すような大人の色気満載の1枚は「渋すぎる!」と絶賛の声が
星野源(39)
“塩顔”の代表格といえる星野も、露出する仕事がないことから始めた“髭チャレンジ”を続行中。「親父に似ている」とのこと
りゅうちぇる(24)
普段のフェミニンな雰囲気とはほど遠いワイルドな髭姿もイケメンで、ポテンシャルの高さがわかる。'18年には歌手デビューも果たした
香取慎吾(43)
無造作な髪型に髭を生やしたアンニュイな表情は「色気がスゴイ!」と話題に。自粛生活を過ごすファンに「アイシテマース」とメッセージを送った
芸人部門
ピース 綾部祐二(42)
ダンディーなハリウッドスターのようなショットは、アメリカで自粛生活を送るピース綾部。本物の“ニューヨーカー”に一歩近づいた(?)
かまいたち 濱家隆一 (36)
あっさり顔の濱家も、髭によって少しいかつい雰囲気に。通常時との比較写真をSNSに投稿すると「髭あり」を支持する声も!
あばれる君(33)
一瞬、「誰?」と思ってしまうほど別人に変身。一部のファンからは「イチローに激似!」との声もあり、ワイルドな魅力を開花させた
有吉弘行 (45)
「バーバル。」とのコメントとともに投稿された1枚。音楽ユニットm-floのVERBALに憧れたのか、髭を生やした姿も似合っているかも?
オードリー 若林正恭 (41)
童顔が印象的な若林も、6日間生やし続けた髭で味のある雰囲気に。仕事のため、すでに剃ってしまったらしいが本人は剃りたくなかったとか
宮川大輔(47)
自身のSNSでオリジナルの布マスクの作り方を披露するなど、おうち時間の過ごし方も評判。髭を生やした姿は結構似合ってるかも!?
外部リンク
命や安全を脅かすのは、新型コロナウイルスだけじゃない。緊急事態宣言が延長され外出自粛が長引く中、DV被害が深刻化している。「ステイホーム」の陰で暴力にさらされ、孤立し、声を上げることもままならない―、追い詰められた女性たちの過酷な現実を緊急レポート。
写真はイメージです
都内在住の白石佳苗さん(30代=仮名)は4月7日、安倍晋三総理の記者会見をテレビで見ていた。画面の向こうでは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言について説明していた。
暴力は今回がはじめて
佳苗さんは保育園児の息子と実母、そして、離婚した前夫と4人暮らし。2年前に離婚したものの、経済的に安定していないため、会社員の前夫と同居を続けている。
緊急事態宣言が出された日は、今後の生活が見通せず、不安で泣いていた。
「自営業のため、経済的に安定していないうえに、自粛となると先の見通しが立ちません。休むのも決断がいります。子どももいます。心配でしたので、前夫に“しばらくは会社を休んで、一緒にいてほしい”とお願いしました。そこから言い争いになり、右目あたりを殴られました」(佳苗さん)
これまでに恐怖や不安を感じるほどの威圧的な言動はあったが、暴力をふるわれたのは今回が初めて。最寄りの交番に駆け込んで事情を話すと、「(前夫は)激情型ではないか」と言われた。つまり、感情を抑えられないと警察が判断するほどだった。
病院へ行ったあと、警察は前夫を呼び出すと、佳苗さんに「逮捕できるが、被害届を出しますか?」と言った。だが、子どもがいることを理由に結局、届けを出さなかった。
佳苗さんが言う。
「前夫は、普段はおとなしいのですが、ケンカをするとつかみ合いになります。言葉の暴力もあって、離婚の一因でもありましたが、これまでは手を出すことはなかったんです。前夫も、緊急事態宣言が出る前から仕事でキャンセルが続きました。コロナのことがなければ、ここまでにはならなかったと思います」
都内でドメスティックバイオレンス(DV)に関する支援活動を行う任意団体『ぶどうの木』の森史子代表は婦人保護施設の元職員で、地域にネットワークがある。かつてDV被害者だったメンバーとともに、森さんは当事者から相談を受けている。
「最近は身体的な暴力よりも経済的な暴力が目立ちます。さまざまな暴力を使って、被害女性を精神的に支配していくのです」(森さん)
DVは夫や恋人との間だけで起こるのではない。事実婚や、佳苗さんのように離婚した相手から被害を受けることもある。またDVには、殴るなどの身体的暴力だけでなく、暴言を吐いたり無視したりする心理的暴力、生活費を渡さないといった経済的な暴力も含まれる。
佳苗さんの場合、身体的・精神的な暴力に遭いながらも前夫と同居を続けているのは、こんな事情があるからだ。
「母が前夫を気に入っているんです。殴られたことを話しても“あんたにも原因があるんでしょ?”と、被害者の私を心配しませんでした。母は経済的に苦労したくないと思っているし、前夫は母に“お母さんの面倒は一生、見る”と言っています。実際、私には、母と2人で生活できるだけの稼ぎがありません」
母親との関係が問題を難しくさせているのだ。前夫は、周囲の評判は良好で、経済的に安定していることから子どもの親権者になっている。
「家の中に居場所がないのは、私なんです」(佳苗さん)
一方、都内で暮らす矢部実知子さん(30代=仮名)は、小学生の子どもがいるシングルマザーだ。2年前に知り合った男性と付き合い、昨年、子どもも一緒に3人での生活を始めた。しかし、コロナの影響でお互いにテレワークになると、言い争いが絶えなくなった。
望まない妊娠、そして流産
兆候はあった。昨年末、やってもいない夜遊びについて問いただされ、実知子さんが否定すると「なぜ嘘をつく?」と、言いがかりをつけられたのだ。その後も、仕事のついでに飲みに行くときに限って、彼から連絡がきた。
「もしかするとGPSでもつけられている? と思ったんです。バッグや財布を探してもありませんでした。タイミングが変で気持ち悪いです」(実知子さん、以下同)
違和感を抱きつつ、その後も同棲は続けた。しかし、行動を逐一チェックされる。
「彼が帰ってきたら、掃除をした箇所など、1日の行動を報告するのが義務です」
正確に伝えなければ責められるため、実知子さんは自らチェック表を作った。
彼は自分の話ばかりして実知子さんの言い分を聞かない。反発すると、威圧的な態度をとる。ただ、子どもへの接し方はよく、配慮を感じる。
そんな中で実知子さんはストレスから精神的に追い詰められ、ついに緊張の糸が切れてしまう。小池百合子都知事がロックダウン(都市封鎖)を匂わせた3月下旬、実知子さんはキッチンの包丁を持ち出し、お腹を刺して自殺をしようとしたが、彼に制止された。もとからあった関係のゆがみに、コロナが拍車をかけたのだ。
今年4月には望まない妊娠をしたが、流産する。
「生理不順で飲んでいたピルを止めるよう彼に言われたんです。でも、避妊はしてくれませんでした。その後、すごい腹痛がして血の塊が出て。検査薬では陽性でした。ストレスの影響? おおいにあるでしょうね」
DV被害者はすぐに相談機関に出向くわけではない。そのため地域の産婦人科などが、悩みに寄り添い支援につなげる“ゲートキーパー”の役割を果たしている。
富山県にある『女性クリニック We! TOYAMA』の種部恭子代表(産婦人科医)のもとには、20代、30代の被害女性たちが来院する。
「加害者は被害者が嫌がっても性交を求め、避妊に協力しない傾向があります。避妊用にピルを処方することで女性たちと関係を作れば、支援につなげることができます」(種部医師)
望まない性交はもちろん、避妊に協力しない、中絶を強要するなどの行為は、すべてDVだ。
現在、感染防止のためという理由で、彼は実家へ戻っている。実知子さんは「彼と関係を続けていくのは不安」とこぼす。周囲のほとんどが「別れればいい」と言うが、思い切ることができない。
実知子さんが言う。
「子どもが彼になついているんです。実家も知られている。別れ話になったら、面倒になりそうで、嫌なんです」
世界中でステイホームが叫ばれる中、国連女性機関は4月6日に声明を出し、「女性に対する暴力という隠れたパンデミック(世界的大流行)が増加している」と警告した。一方、日本では海外のような都市封鎖まではしていないが、外出自粛が強く求められ、家庭内の緊張が高まっている。
経済的DVもある
コロナ問題によって、DV被害の支援現場はどう変わったのだろうか。前出の森さんは、「影響を感じ始めたのは2月ごろ」と振り返る。
「これまでは家庭内別居をしてなんとかなっていたとしても、最近はテレワークによって夫やパートナーが長時間、家にいるため、言葉の暴力の被害に遭う場面が多くなっています」
ただし、当事者はDV被害に遭ったという意識をなかなか持てない。持つようになったとしても、時間がかかる。
「暴力を受けるのは自分に問題があるせいだ、と思ってしまうからです。加害者が精神的に支配しているのです。そのため当事者は、被害に遭ってもすぐには相談しません。悩んで、悩んで、ようやく連絡するのです」(森さん)
DVや虐待被害者の治療を行う『こころとからだ・光の花クリニック』の白川美也子院長(精神科医)は、DVなどの複雑なトラウマを抱えた場合、感情の調整が困難になり、自分を否定的にとらえやすくなる。結果、人間関係を作る力が弱まると指摘する。
「被害者は、加害者と一緒にいる状況に適応せざるをえません。人に相談できなくなるのもトラウマによる症状です。抵抗も逃げることもできないと、加害者に従ってしまいます」(白川院長)
佳苗さんや実知子さんも、行政や民間の支援団体に相談していない。加害者から逃げることよりも、学校が休校になったり、給食がないことのほうが深刻に感じたりする。
「収入があっても、夫が生活費を渡さないなどの経済的DVがあり、使えるお金がなくて、生活が苦しいこともよくあります」(森さん、以下同)
DVから逃れても、今度は経済的不安が襲いかかる。コロナの影響で就職活動は難しい。家を出るときに持ってきたお金があると「貯金」とみなされ、生活保護を頼ることもできない。
「ある被害女性は、少しでも稼ぎたいため、自ら手を上げてパート先へ出社していると言っていました。会ではマスクや商品券などを集めて渡していますが、フードバンクを作る計画もしています」
地方での状況は一層深刻と言える。コロナ以前に、支援体制の格差が大きい。例えば、婦人保護施設や民間シェルターは、東京や大阪などの大都市に集中する一方、青森県、富山県、奈良県には1つもない。さらに感染防止のため施設が閉鎖され、面談を中止する動きが相次ぐ。
そもそもDV被害者は、加害者から逃げようと思っても、先の生活をイメージできないことが少なくない。前出の種部医師が言う。
「私たちのところには、被害を受けても、加害男性から積極的に逃げたいという相談はありません。不眠や体調不良のためにクリニックを訪れています。それらの原因が夫の暴力にあるとわかっていても、逃げたあとの生活をイメージできず、家を出ようという気持ちにならないのです」
コロナ禍の緊急対策として、1人10万円の特別給付金が出されることになったが、世帯主へ家族の分をまとめて支給する方法だったことから、「DV被害者に届かないおそれがある」と批判を集めた。総務省はDVを理由に避難している場合、給付金を避難先で受け取ることが可能としているものの、懸念は残る。
「(支援団体の証明書が発行されるなどして)DV被害者と認定されたら配慮されますが、被害に遭いながら同居していると難しい」(種部医師)
また、加害者が家にいる状況では、気軽に相談窓口に連絡しにくい。内閣府は「DV相談プラス」をスタートさせた。電話やメールだけでなく、履歴がわかりにくいようにチャット相談も行っている。
感染拡大を防ぎ、命を守るために「ステイホーム」が求められる中で、DV被害は拡大し女性たちの命が脅かされている。そのことにも目を向けなければならない。
取材・文/渋井哲也 ジャーナリスト。長野日報を経てフリー。若者の生きづらさ、自殺やいじめ、虐待などを中心に執筆。東日本大震災の被災地でも取材を重ねている。新著『学校が子どもを殺すとき』(論創社)が5月29日に発売予定
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“自粛警察”のつぶやき
「4月26日の夜のライブは中止にして、東京都の要請に沿って動画配信のライブを私と妻だけで店内で収録していました。その最中に“ライブを自粛しろ”というビラを貼られてしまいました」
そう話すのは、古着店やライブハウスが立ち並ぶ若者の街・高円寺(杉並区)のライブバー『いちよん』の店主・村田裕昭さん(41)。
《次発見すれば、警察を呼びます。 近所の人》
という陰湿な貼り紙をされたことは、テレビなどでも報じられた。
一方的に貼られた張り紙
新型コロナウイルスの蔓延で外出や営業の自粛要請が続くなか、それに従わない人々や店舗を取り締まろうとする一般人による“自粛警察”の存在が問題になっている。
営業中のパチンコ店に猛抗議したり、他県ナンバーの車があると暴言を浴びせたりする自警団的な行為もそのひとつだろう。
各地の飲食店でも嫌がらせの電話を受けたり、誹謗中傷のビラを貼られたり、インターネット上で晒されるなどの被害が広がっている。
しかも、実際には“自粛破り”をしているわけではなく、一方的な誤解や誤認によることが多い。
高円寺では4月23日にも2件の事件があった─。
《態々カーテンで目隠ししてまで営業して協力金請求しようと思ってませんよね?》《これで請求したら詐欺罪か偽証罪になりますよ》
という貼り紙を貼られたのは先のライブバーから400メートル離れた、あるビストロ。
「一見さんはお断りして、いまはほとんど営業はやっていません。それでも近所の常連さんに頼まれたときだけ作って料金をいただき、余った材料で作るときはただで食べてもらっています。
20時以降はカーテンを閉めて、ほんの身内でやっているのに、それを闇営業と言われるのは心外です」
と店主は説明する。この店は5月1日の未明には、ガラス2枚を割られる被害もあり、10万円以上の損害だという。
貼り紙だけでも「威力業務妨害」「名誉毀損」「脅迫」に問われる可能性があるが、窓の破壊は「器物損壊」や「建造物等損壊」も問われかねない犯罪行為だ。
張り紙をしたと思われる人物を発見!
さらに、ビストロから70メートルほど離れたラーメン店「屋台らーめん 健太」も同じ日に自粛ポリスの標的に。
《シャッターを下ろして20時以降営業しないでください》《高円寺の為、ラーメン健太さんが詐欺罪で検挙されないために宜しく》
との貼り紙に店主の横尾健太さん(37)は、こう憤る。
「20時以降は、お客さんは断っています。シャッターを閉めて、近所の同業者と今後のことを話していただけなのに、隠れて営業していると間違われたのかも。
名前をちゃんと名乗れ、卑怯だと言いたい。こそこそやっているのは、どっちなんだと! お前のほうこそ、こういうことを自粛しろ! ですよ」
東京では、営業自粛の協力金が1店舗あたり50万円に加えて、さらに50万円を上乗せすることになったので、金銭面でも神経質になっていたのだろうか。
取材を進めるうちに、ある飲食店店主の存在が浮かび上がったので、週刊女性はそこを訪ね、率直に質問してみた。
あなたが、貼り紙の犯人ではないかと─。
「えっ、それはないですよ」
と笑みを浮かべ反論したが途端に目が泳ぎ、以降は記者と目を合わせないように。
さらに、ソワソワしはじめて、会話を避けてせわしなく手を動かし、仕事のほうへ集中しようとしたが、問わず語りに話し始めた。
「あのビストロと健太さんはひどいですよ。もともと商店街では評判が悪くてね。客層もよくないし、前からワイワイガヤガヤとうるさかったし、いまでも闇営業をやっているみたいですからね。
コロナで大変なときに、感染者でも出たら、隣の店だって営業できなくなるし、この高円寺全体が大変なことになりますよ。
近所の人で、よく思っている人はほとんどいないんじゃないですか。だから、誰があの2店にビラを貼ってもおかしくないと思いますよ」
そして、疲れた顔で深刻な経営状況をこう語った。
「コロナ以前はね、バイトを雇っていたんですが、事態が悪化して雇えなくなって。こうやってひとりで、てんてこ舞いの毎日で、きちんと時間を守ってやっているんですよ。ホントに疲れますよ。それなのに、ノー天気にやっている店があるのかと思うと……」
日ごろから抱いていた不満の増幅か
その後の取材で、この店主のものと思われるツイッターのアカウントを発見。
「#闇営業」「#仮面営業」とハッシュタグをつけながら、前出のビストロやラーメン店を写真や動画つきで紹介。
《こういう店には協力金下ろして欲しくない》
などとつぶやいていた。貼り紙の内容とも重複するので、この店主に改めて尋ねると、
「ええ、ツイッターは認めます。だけど、ビラやガラスを割ったのは、私じゃないですよ。それだけは別人がやったことで、私とは関係ない」
ビストロの貼り紙と同じ「態々」という表現が店主のツイッターにも出てくることを指摘すると、
「えっ、私は使いますよ。日常的に使っている言葉ですけどね」
と驚いたように話し、記者を店から追い出した直後からツイッターをブロック─。
「日ごろから抱いている他者への嫌悪感、妬み、そねみ、近隣トラブルなどが、休業要請がきっかけとなって、増幅されたのかもしれません。
自分のコロナに対する恐怖心や不安感が、一気に外に向けて吐き出されるという構図なんですね」
自粛警察の心理についてそう解説するのは、新潟青陵大学大学院の碓井真史教授(犯罪心理学)。
休業要請という言葉が“錦の御旗”となり、絶対的な正義を得たという気分になるのだという。
「本人は家族やコミュニティー、町、国を守りたいという気持ちが強く、それが過剰で歪んだ正義感となっているという側面もある。
一方では国や自治体、警察などへの不信感から、なぜパトロールしないんだという思いもあるので、こうした行動に出るのでは」(碓井教授)
要請を守らない人や店があることは問題だが、だからといって陰湿な行為が許されるはずはない。
街を歩き回り、パトロールまがいのことをしていることが、不要不急なのではということを考える必要がある。