(撮影/佐藤靖彦)
「現場で“姉さん”と呼ばれることが多くなってきまして。そう言われる年になってきたんでしょうね。私自身はおっちょこちょいで頼りがいなんてないんですけど(笑)」
現在、ドラマ『プリンセスメゾン』(NHK BSプレミアム・毎週火曜夜11時15分〜)で、ヒロイン(森川葵)のマンション購入を応援する、大手不動産会社の派遣スタッフ・要理子を演じている陽月華(ひづき・はな)。ネットの検索ワードで彼女の名前を打ち込むと《陽月華 吉田羊》という予測検索ワードが出るくらいに似ていると話題になっているけど?
「そう言っていただいていると、友達から聞きました(笑)。私、宝塚というずっと比べられる世界にいたので、人とかぶることがイヤなときもありました。10代後半、20代前半のとき、誰かに似ていると言われたら、“私は私だ”って言っていたかもしれません(笑)」
宝塚歌劇団に9年在団し、宙組のトップ娘役も務めた。
「退団公演の千秋楽の次の日、朝起きて“さて、これからどうしよう”と思ったくらい、そのときは何も決まっていなかったんです(笑)。時間ができたから、好きなことをしようと思って映画を見たり舞台を見たりしていたんですけど、自然に自分ならこう演じるとか考えて、役者さんたちに嫉妬している自分がいました。そこからですね。私はお芝居が好きなんだ、って」
映画『駆け込み女と駆け出し男』や、ドラマ『忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣〜』などに出演してきた陽月。今年も残すところあと少し。'17年はどんな年にしたい?
「私の顔と“陽月華”という名前をみなさんに、もっと知っていただきたいです。この人が出ている作品だから面白いだろう、と言われてみたいですし、逆に、あの役を演じていたのは陽月華だったの? と思われる作品にも出てみたいです。何か言っていることが、あまのじゃくですね(笑)」
今ハマっているものは?
「その質問にいつも即答できないんです。なんだろう……。昔から好きなのは読書ですね。あ! 一周回って宝塚ファンになってしまいました(笑)。時間が空いたとき、普通に観劇に行ってます。若い子たちが頑張っているのを見ていると泣きそうになる自分がいます(笑)。
あとは映画を見ることかな。今、『寅さん』シリーズ全48巻を見ています。いろいろな雰囲気の女優さんが出演されていて勉強になりますし、私の父が好きなので、一緒に見ながら“この表情がいい”とか共通の話題にもなりますしね」
『プリンセスメゾン』について──。
「高橋一生さんとの共演は、間が独特で演じていて面白いですし、勉強になります。私、漫画も大好きなので、映像化されたときに原作のファンが“違うじゃないか”という気持ち、すごくわかります(笑)。
できるだけその気持ちに寄り添いたいと思っていまして、現場に原作の漫画を持ち込みながら、このコマのセリフはここで使える、と思ったらアドリブで入れたりしています。原作漫画と脚本と、共演者のみなさんと一緒に作っていっている感覚です」
左から森川葵、陽月華、高橋一生。ドラマ『プリンセスメゾン』(NHK BSプレミアム・毎週火曜夜11時15分〜)