日渡容疑者の肩から腕、背中、大腿部には和彫りの刺青が彫られている
「最初は今年の2月でした。スポーツクラブの駐車場で、“ママ、ママ”と泣いている声がしたので、スタッフが行ってみると女の子がいました。上半身は薄手のシャツと肌着だけ。下半身にはオムツ。すっかり身体も冷えていました。迷子かな、とも思いましたが親は一体、何をしているんだって、みんな憤っていましたよ」(同クラブのスタッフ)
17歳で出産、母親はまだ21歳
「名前が印象的だったので覚えていました。ニュースで璃愛来ちゃんと聞いたときは、もしかしたらと震えました」
「あいつはやっていないってみんな話してます。だって駿は璃愛來ちゃんのことを可愛がっていました。
「あいつは特にお金にうるさい。闇金まがいのこともしていたようだ。後輩に“明日〇〇円持ってこい”と脅したり、駿のおごりだと思ったら後から“返せ”とお金をせびられたやつもいた。自分の思いどおりにならなくて後輩に手を上げるなど強引な面もあり、そういうところが嫌で駿から離れたやつも少なくない」
「今年2月にもう1回、雨の日に裸足で、璃愛來ちゃんが駐車場で“ママ”と泣いていたんです」
「3回とも迎えに来た母親に心配する様子はまったくなく、“ありがとう”も“すみません”もありませんでした」(前出・クラブのスタッフ)
4月までに4度の保護
「アザなどはなく、健康な状態だったのでホッとしました。1時間ほどしてお母さんが迎えに来ました。ドアのところから“璃愛來!”と声をかけると、璃愛來ちゃんはニコっと笑ってから椅子から立ち上がってお母さんに駆け寄ってハグをしたんです」
「お母さんの表情は無表情でした。茶髪で今どきの若い子って感じで、“ひとりにするのは危ない、1度目じゃないよね”と言うと、“ハイ”とうなだれて、“すみませんでした”と小声で言いました」
「髪が金髪になって以前よりも派手な雰囲気になっていました。5月にはお母さんが大きなビニール袋に洋服を詰めて車と自宅を往復しているのを見ましたよ。娘さんは後ろをついてちょこちょこ歩いてました。お引っ越しかな、と思いました」(前出・看護師)
「今年になってから、月に1回来るかどうか。来ても友達を送って来るだけだったり、飲んでいても早く帰っていました。理由を聞くと“夜、女が仕事行っているから子どもの面倒を俺が見てるんだ”って言っていましたし、彼女と子どもと3人で買い物に行ったという話はよく聞きました。意外と子煩悩であいつは璃愛來ちゃんの父親になろうと必死だったんだと思います」
璃愛來ちゃんの誕生日の7月22日、「テーブルで頭をぶつけて嘔吐した」と病院を受診。おかしいと思った病院は、8月1日に市に情報提供した。
「8月ごろ母親がSNSに、璃愛來ちゃんのことをつねっている動画を投稿していました。けっこう強めにやっているなと伝わるものでした」
娘の面倒は容疑者に丸投げ
同5日には「顔などに青アザがある」という情報が、別の病院からもたらされた。事件現場のアパート近くでは、「うるさい」や「だまれ」と怒鳴り散らす母親の声を、近所の住民が耳にしている。
「以前住んでいた鹿児島市や薩摩川内市の自宅、現在の出水市の自宅近くでも、女性の怒鳴り声を聞いたという話がある。直接手は出していないかもしれないが、母親にも問題があったのではないかと思えますね」
「夜9時から3、4時間程度。多くても週に4回。娘は自分の母が見てくれていると話していた。でも妊娠もわかっており、8月には辞めました。この月はほとんどシフトには入っていなかった」
児相に県警が伝えた「一時保護」の必要性も重視されなかった。病院から市にもたらされた「アザがある」という情報も児相や警察と共有されなかった。関係各所の温度差は最後まで埋まることなく、結果悲劇を招いてしまった。