cat_11_issue_oa-shogyokaionline oa-shogyokaionline_0_245aead735d8_人・手間・ローカルさ重視でもクリエイティブなスーパー!愛知県「クックマート(デライト)」 245aead735d8 245aead735d8 人・手間・ローカルさ重視でもクリエイティブなスーパー!愛知県「クックマート(デライト)」 oa-shogyokaionline 0

人・手間・ローカルさ重視でもクリエイティブなスーパー!愛知県「クックマート(デライト)」

2019年12月16日 05:00 商業界オンライン

 共働き世帯や高齢者の増加、人口の減少、EC販売の台頭により、リアル店舗にとって苦しい状況が続く今、スーパーマーケット各社はどのような取り組みで自社店舗の価値を高めているのだろうか?
 今回は本社が愛知県の(株)デライトが運営する「クックマート」の“メディア化”に迫る。これまでのスーパーマーケットにはない「今っぽさ」を感じる取り組みの数々と、人と手間をかけ、ローカルさを大切にしながら続ける地道な努力。そこには「魅力ある場づくり」を大切にする、白井健太郎社長の強いこだわりがあった。

誰もが目を奪われるWebサイトやキャラデザイン

「クックマート」は東三河・浜松エリアを中心に11店舗を展開している。私がこのスーパーマーケットを知ったきっかけはインパクトのある採用広告。何の機会だったか忘れてしまったのだが、同社の採用サイトにたまたま行きつき、そのクリエイティブな見た目の採用広告に一瞬で心を奪われてしまった。

「これは何だか、普通のスーパーマーケットとは違いそうだ……。」と感じた私は、公式サイトやSNSを見に行き、さらに驚くことになる。まるで「広告企業かIT企業かな?」と思うほどおしゃれで質の高いビジュアルの公式サイトや、温かみがありながらもスタイリッシュさを感じる熊のマスコットキャラクター「クックマ」の存在。
 公式サイトでは自社のWebマガジンを運営し、オンラインショップではクックマのキュートなキャラクターグッズを販売する。これまで見てきたどのスーパーマーケットよりも、同社は「今っぽさ」を感じた企業だった。

社長の経歴を生かしたクリエイティブとブランディング

「どんな人たちが働いているのだろう?」と興味が湧いたので、早速、同社に取材を申し込んでみた。対応いただいたのは、同社の社長である白井健太郎氏。白井氏は2012年にデライトに入社。2017年から先代の父親と代替わりし、同社の代表を務めている。

 もともと広告やクリエイティブ関係の仕事をしていた白井氏は、その経験を生かしてクリエイティブ・ブランディングを強化してきた。
 私が「おしゃれなビジュアルイメージですね」と伝えると、「おしゃれとは思っていないのですが『クックマートらしさ』『元気さ』を表現していったら今のような形になりました。形だけカッコよくなっても仕方ないので、何年もかけて(企業・組織・お店の)中身を磨き、それと一緒に、クリエイティブな部分を徐々に強化してきました」と白井氏は回答。
 よくよく話を伺っていくと、その「中身」こそに、同社の魅力が詰まっていた。

人のぬくもりがあふれる「場づくり」を最重要視

 インパクトのあるビジュアル訴求などに衝撃を受けたが、本当に面白いのはそのベースとなる取り組み。同社ではリアル店舗の価値を「実際に見て、触れて、感じることができる安心感。人々がワイワイ集まり、エネルギーがあふれる『場』としての楽しさ」と考えている。
 白井氏は「インターネットショッピングの利用が広がっている今の時代だからこそ、リアル店舗としての価値向上を徹底し、ネット企業や大手企業ができない『圧倒的な魅力を持ったリアル店舗』を追求することで地域社会に貢献したい」と話す。
 チェーンストアの巨大化・寡占化が進む中で、地域密着による人とお店のつながりを大切にする同社では、ローカルなエリアで店舗を運営していくことに並大抵ならぬこだわりを持つ。
 同社の売上高は1995年の創業以来、増加の一途をたどり、客観的に見ると業績は好調。しかし、急拡大はせずに「圧倒的な地元感を持った、日常生活のためのお店」を目指すため、地元の食文化や食材、生産者を大切にしている。
 多くの企業で機械化・効率化が進む中、「無駄や非効率」をいとわず、他社の何倍も人手と手間をかけた店舗運営をしているのもこだわりの一つ。クックマートの店舗には、一般的なスーパーマーケットの倍以上の従業員がいる。白井氏はその理由を「効率一辺倒では楽しさや価値が生まれることはないから」と教えてくれた。
「どんなに機械化が進んでも、人間の内面からあふれるモチベーションや創造力でしかできないことがあると信じています。想いがあふれる地元の人を採用し、仕事を通じて良い人生を歩んでもらいたい。そして、そこに関わる従業員やお客さまを幸せにしていきたい。そう考えています」
 他店よりも多い従業員たちにより、カットフルーツや鍋セット、デリカ、ベーカリーの多種多彩なラインアップなど、付加価値の高いオリジナル商品を提供し、地域に暮らす人に寄り添い、生活を支えている。
 人と人の会話が生まれ、地域のコミュニティになるようなお店であること。毎日安心して通え、行くと楽しくなる「場」であること。同社ではそんな店舗を、たとえ手間暇をかけてでも、地元に根差した環境でこだわりをもってつくり上げているのだ。

従業員に仕事を通じて人生を楽しむ「場」を提供する

 効率や無駄削減にこだわり過ぎず、温かみのあるお店作りに徹底的に取り組む同社。そのために白井氏が経営者として最重要課題ととらえているのが「組織文化づくり」だ。
 同社では社内に向けたビジョンとして「仕事を通じて人生を楽しめるプラットフォーム」を掲げている。良いパフォーマンス(店舗づくり)のためには、そこに働く従業員が楽しく、気持ち良く、幸せに、高いモチベーションを持って働いていなくてはならない。組織文化づくりを重要視するのはそのためで、従業員が集まり、育ち、楽しく業務に励める環境をつくっていきたいと考えているそうだ。
 具体的な取り組みとして、例えば2018年からは従業員間でコミュニケーションが取れる社内SNSを導入した。目的は素敵な社内文化や取り組み、そこで生まれる「楽しさ」や「熱」を、全社員に「見える化する(=形のないものを客観的に捉え、見えるようにする)」こと。店舗同士や、本部や経営陣と店舗間でコミュニケーションに距離が出ることにより生まれる負の部分を取り除くための課題解決手段として導入を決めたという。
 社内SNSでは、社長や経営幹部が経営としての考えや取り組み内容、その意図を発信することもあれば、従業員が休みの過ごし方を日記のような形で発信することも。
「土日に休めないのは当然」という業界だが、同社には全従業員が年に2回(正月を含めると年3回)の3連休を取得できる制度がある。制度はあっても機能しなくては意味がないが、同社の全従業員がこの制度を活用。社内SNSを通じて「私の休日」を発信することで、しっかり働きながらも「罪悪感なく、楽しく休む」ことが根付いてきたそうだ。
 ただし、この社内SNSは良いことを見える化してくれるが、組織が温まっていなければ、
逆に社内が「寒い」ことが見える化されてしまう。「ただ社内SNSを導入するだけではダメで、それ以上に社員との信頼関係づくり、密なコミュニケーション、楽しむ組織文化づくりが大事だと思います。その前提がないとしらけた雰囲気が見える化されてしまい、かえって逆効果でしょう」と白井氏。 
 社内SNSを導入し、「組織文化や経営陣の経営スタンス」を見えるようにしたところに、組織文化を育てていくという社長や経営陣の覚悟がみられる。
「いい環境=いい場」をつくれば、人は自然と集まり、育ち、より良い場となっていく。お客さまへの取り組みも従業員への取り組みも、一見手間暇がかかることは多いが、「場」を重要視する同社にとっては、決してなくてはならないものばかり。その集積が「クックマートらしさ」となり、同社の最大の強み・魅力となっていっているのだろう。

この"メディア化"をまねしたい!「デライト編」

 同社に興味を持ったのは「インパクトのあるアウトプット」からで、「どんな最先端の取り組み(=メディア化)をしているんだろう?」と思い、取材の依頼をした。しかし、実際に話を聞いてみると、非常に泥臭く人間味があり、地域と人を大切にしながら「人が楽しく幸せに暮らすこと」を重要視している企業であった。
 今後、スーパーマーケットが独自性を打ち出していくために「ブランディング」はとても重要なキーワードであるが、表面だけをつくり上げても意味がない。中身が伴っているからこそ魅力的なアウトプットとなるのだと、改めて同社の取り組みから学んだ。
 同社では印象的な方法でお店づくりをしたり情報を伝えたりしている。そしてそのメディア化の裏には、人や組織を大切にする熱い想いがある。
 自分たちが運営するリアル店舗の価値をどう発揮していくのか、そのために組織や経営はどうあるべきか、ぜひデライトの例を参考に「組織開発」と「ブランディング」について再度考えてみてほしい。
(谷尻純子)

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cat_11_issue_oa-shogyokaionline oa-shogyokaionline_0_d9d79771be88_飲み会シーズン「胃腸を整える効果的な食べ方」はこれ! d9d79771be88 d9d79771be88 飲み会シーズン「胃腸を整える効果的な食べ方」はこれ! oa-shogyokaionline 0

飲み会シーズン「胃腸を整える効果的な食べ方」はこれ!

2019年12月15日 05:00 商業界オンライン

 飲み会シーズン到来。飲み過ぎ、食べ過ぎで胃腸もお疲れの季節ですね。弱った消化を助けるだけでなく、胃腸を整えることは体全体の免疫力アップにもつながります。風邪やインフルエンザなど体調を壊しやすいこの季節を乗り切りましょう!

胃腸を整える食材の3つのポイント

1、消化を助ける酵素を含むもの
2、老廃物や有害物質を体外へ排出する 
3、善玉菌を増やす 

胃腸を整える食材3選とお薦めメニュー

1.「キャベツ」 “天然の胃腸薬”

 ビタミンUは別名“キャベジン”とも呼ばれ、胃や十二指腸の粘膜保護の働きがあり、胃腸薬にも使用されているほど。水と熱に弱いため、生のままで食べるか、スープなどで汁ごと食べましょう。腸内環境を整える食物繊維も豊富。

ソーセージにぴったり「ザワークラウト」!

 ザワークラウトはドイツではソーセージの名脇役。脂肪が多い肉の消化を助け、味ももちろん、栄養価的にも理にかなっています。飲み会シーズンにオススメ。
 ザワークラウトはキャベツを発酵させたすっぱい洋風漬物。漬物にすることで水分が抜け、ビタミンUが凝縮され、効率よくチャージできます。さらにキャベツを発酵させることで、腸内環境を整える善玉菌もプラス。

2.「大根」消化を助け、風邪予防にも

 消化酵素の“ジアスターゼ”が豊富に含まれ、消化不良による胃もたれや胸やけなどをケア。また、殺菌効果の高い辛み成分である“イソチオシアネート”が食中毒予防にも働いてくれます。
 生の大根をすりおろすのが一番、効果的。生の大根には、風邪予防のビタミンCが豊富に含まれています。

天ぷらやかき揚げの消化も助ける「おろしそば」

 肝臓ケアに働くルティンが豊富なそば。胃腸をケアする、大根おろしをたっぷりかけて食べましょう。人気のトッピング、天ぷらやコロッケなど揚げ物の消化も助けてくれます。そばは「温かい」ものを選ぶことで、体を内側から温め、免疫力もアップ。

3.「みそ」胃腸を整える優しいスープ

 その細菌には多くの酵素が含まれていて、食物の栄養を分解して消化や吸収を助ける役割が。原料である大豆がたっぷり含む水溶性食物繊維が、腸内の善玉菌を増やします。

万能!「具だくさんみそ汁」

 キャベツや大根など、消化を助ける野菜たちをたっぷり入れましょう。水に溶けやすいビタミン類を余すことなくいただけるのがみそ汁のメリット。

調理不要!手軽な「フルーツ」ならこれ!

1.「りんご」便秘にも下痢にも優しい

 皮の部分に多く含まれる水溶性食物繊維のペクチンは、腸壁に幕を張って保護してくれるので便秘と下痢、どちらにもやさしく働きます。クエン酸やりんご酸が胃腸の働きを助け、滞った代謝促進にも効果的。腸内環境が整う食物繊維やポリフェノールも皮に多いため、皮ごとどうぞ!

2.「キウィ」タンパク質を柔らかく!

 酵素のアクチニジン酵素には、肉類などたんぱく質の消化を促す効果が。肉を柔かくするときなどに使います。胃腸力を低下させるストレスに対抗するビタミンCが豊富。水溶性食物繊維のペクチンは善玉菌を増やし腸内環境も整えてくれます。
 いかがでしたか? 胃腸を優しくいたわって、楽しいパーティーシーズンをお過ごしください!
(松田真紀)

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cat_11_issue_oa-shogyokaionline oa-shogyokaionline_0_bd5826a98a43_〔36〕つけるべき力をつける bd5826a98a43 bd5826a98a43 〔36〕つけるべき力をつける oa-shogyokaionline 0

〔36〕つけるべき力をつける

2019年12月13日 05:00 商業界オンライン

 私が長らく主宰するワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)には、「企業」としてでなく、「個人」で入会している方がいらっしゃる。会社はまだワクワク系をオーソライズしていないが、自分はこれを学び活用したいと思い、行動する方々だ。そんなお一人、あるカーディーラーの店長さんからのご報告を、今日はご紹介しよう。
 彼からの報告には、昨年からのワクワク系の取り組みが実ってきた今年度上期の業績があった。まずは中古車販売実績だが、目標対比118%、前年比で181%の伸び。ここで彼が注目しているのは、数字以上にその中身だ。昨年度は、中古車センター出身の中古車販売が得意なスタッフ1人に頼った状態で、彼の調子次第で店舗実績が浮き沈みする不安定な状態だった。しかし今年度は全員がまんべんなく中古車を売れるようになってきた。特に昨年度上期、1台も売ることができなかったあるスタッフが今年は8台も売ることができており、全員が力をつけていることが伺える。
 もちろん、彼らについてきた力は中古車の販売力だけではない。ワクワク系でいう価値創造力、彼らの現場に落とし込んでいえば、商品やサービスの価値を的確にお客さんに伝え、値引きに走ることなく、正当な対価で売る力全般がついてきているだろう。
 また、ワクワク系でいう顧客創造力もついてきているだろう。今年頂いた別の報告には、他社より高い見積もりだったにもかかわらず、日頃育んでいる顧客との絆のおかげで、値引き合戦にならず販売できた事例もあった。
 また、彼が特に強調するのが、昨年の取り組みとの大きな違いだ。昨年の取り組みはおよそ店長である彼が考えて指示したもの。しかし今年の取り組みのほとんどは、スタッフそれぞれが考えて打った手立てや、全員で日頃から取り組んでいることの結果として現れたものだ。
 そうしたスタッフ各々の成長の結果、今年度上期、会社全体では目標未達という厳しい状況の中、彼の店は109%の目標達成率で全社1位。その達成率を大きく支えたのが、新車販売の利益率の高さと残価型割賦販売の付帯率の高さで、これらも全社1位。そして中古車販売も前年比181%。その結果、全14店舗の中で今年度上期最優秀店舗となったということだ。
 人がつけるべき力をつけること――それが今日最も重要なことだ。そして、ワクワク系を学び生かす会社や人と20年近く接してきて思うことは、ワクワク系の実践のような活動が人を伸ばすということだ。その結果こそが会社の業績となるのである。
(小阪裕司)

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cat_11_issue_oa-shogyokaionline oa-shogyokaionline_0_91985cb89a9c_「たばこの待たされ問題」解決するセブン-イレブン麹町駅前店の実験、確かめてきた! 91985cb89a9c 91985cb89a9c 「たばこの待たされ問題」解決するセブン-イレブン麹町駅前店の実験、確かめてきた! oa-shogyokaionline 0

「たばこの待たされ問題」解決するセブン-イレブン麹町駅前店の実験、確かめてきた!

2019年12月12日 08:00 商業界オンライン

「コンビニ問題」が噴出した2019年。セブン-イレブン・ジャパンの残業代未払いは駄目押しで最後の問題なのか、最終的に膿みを出し切っているのか気になります。
 そうした中、省力化・無人化など店舗課題解決に向けた実験プラットフォーム店舗、セブン-イレブン麹町駅前店が12日にリニューアルオープンしたので行ってみました。

 この店舗はキャッシュレス対応セルフレジ、電子棚札、ファストフードのスライド式什器などさまざまな省力化・無人化の実験がされていますが、その中でひときわ目を引いたのがたばこの新型什器です。
 私は月に1、2回 大手3チェーンのコンビニ店頭に立たせてもらっているのですが、コンビニの売上げの約25%を占めるたばこの販売で戸惑うことが多いのです。
 というのは、たばこには200銘柄以上あり、同じブランドでもタール値の違い、レギュラー・ロングとサイズバリエーションもあり、お客さまが指定したたばこを探すのはハードルが高いんです。コンビニではたばこが番号管理されて陳列されているので番号で言ってくださるお客さまは対応できるんですが、3割ぐらいいる番号を言ってくれないお客さまの対応には苦慮します。特にカートン買いの場合は、商品が什器下の戸棚やバックルームに番号管理なしで置いてあるため、探すのに5分以上かかってしまうことも多いのです。
 今回、新システムでたばこを買ってみたのですが、店舗従業員はストレス無く、たばこの販売ができているのではと感じました。

本部はこうしたFCでしかできない加盟店支援をすべき

 セブン-イレブン麹町駅前店ではレジ後ろのカウンターにたばこ什器が設置されていますが、この什器は前面が白いパネルに覆われており、たばこパッケージが見えません。しかも、購入する際にはお客さまがレジのタッチパネルで購入商品のブランドタグを選択し、商品も選択、次画面で個数ボタンとOKボタンを押す流れ。店舗で聞くと、レジの従業員側タッチパネルでも操作できるようです。
 こうしてOKボタンを押すと、バックカウンターに設置されている什器の該当商品部分が緑ランプで点灯、従業員は点灯している箇所から商品を取り出すだけで販売ができるのです。
 カートン買いもしてみましたが、単品の場合と同様、たばこ什器下部の収納場所が緑ランプで点灯し、従業員が迷うことなく商品を手に取れます。この仕組みで、たばこをカートン買いするお客さまの待たされるストレスが著しく軽減されるのではと思いました。
 現在、フランチャイズシステムの問題が噴出していますが、この店舗のような仕組み導入はフランチャイズでないと実現が難しいこと。チェーン本部が加盟店オーナーをバックアップする対応としては、こうした部分が非常に重要なポイントになると考えます。
 人手不足が進む中、たばこの新型什器はセルフレジンとともに、省力化の大きな武器となりそうです。
 今後、このたばこ什器が早く拡大されることを期待。コンビニ店員をやったことがある人のほとんどは私の意見に異論はないはずでしょう。
(渡辺広明)

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cat_11_issue_oa-shogyokaionline oa-shogyokaionline_0_4492105cd76e_「ハッピーカウ」で世界一になった和食レストラン 4492105cd76e 4492105cd76e 「ハッピーカウ」で世界一になった和食レストラン oa-shogyokaionline 0

「ハッピーカウ」で世界一になった和食レストラン

2019年12月12日 05:00 商業界オンライン

写真:「菜道」は東京・自由が丘駅近くの路地裏1階にある

 世界中のベジタリアンとヴィーガンの情報が寄せられる「Happy Cow(ハッピーカウ)」という情報サイトを知っているだろうか。今や世界中の人々が旅行を楽しむときに「TripAdviser」をのぞくように、世界中のベジタリアンとヴィーガンが旅行先のヴィーガン事情を知るために、「ハッピーカウ」は重宝されている。
 11月10日、東京・自由が丘の「菜道」というヴィーガンレストランがハッピーカウで、「Best Vegan Restaurants Worldwide」の1位を獲得した。
※ちなみに上位にランクされたヴィーガンレストランがある国と都市は2位ギリシア・アテネ、3位ドイツ・ベルリン、4位スペイン・バルセロナ、5位ベトナム・ホイアン。
 同店を経営するのは、(株)Funfairと(株)交洋により設立された(株)和食社中。「菜道」はグローバルに通用するレストランとして開発され、ヴィーガン、オリエンタル・ベジタリアン(台湾のフードダイバーシティ)、ハラールに対応、グルテンフリー(小麦粉不使用)にも応えられる。

 オリエンタル・ベジタリアンは動物性のものに加えて五葷(ごくん:ニンニク、ニラ、ラッキョウ、ネギあるいはタマネギ、アサツキ)を摂取しないが、その中で、味を引き立てるためには相当の工夫が必要。
このようなニッチな分野に取り組んでいる「菜道」であるが、いかにして世界一のヴィーガンレストランになったのか、同店で料理監修をする楠本勝三氏の解説に基き、紹介しよう。

東京で「食の禁忌」に関係のないレストランをつくる意味

「菜道」は、世界中の誰もが一緒に食事ができる、食の禁忌に関係のないようなレストランをつくることからスタートした。
 この店が「ハッピーカウ」のランキングに登場するようになったのは今年の6月から。それが少しずつランキングを上げ、第1位になったということは、「ハッピーカウ」で「菜道」を知った外国人が来店して、とても喜んだということだ(インバウンドにとって自由が丘という場所はアクセスが至便とはいえない。ヴィーガンはそれほど目的来店のファクターとなる)。
 楠本氏は「菜道」の料理監修をするようになり、東京のレストラン事情にある危機感を抱くようになったという。「東京は世界の都市の中でミシュランの星を一番持っている美食の都市です。『ハッピーカウ』には『Vegan Friendly Best City』というランキングもあるのですが、最新の2018年版で東京はランク外です。日本でランクインしているのは京都の18位。これは裏を返せば、欧米系のヴィーガンが東京に期待をしていないということ。ヴィーガンは環境問題と比例して増えていきますから、東京のレストランはこうしたトレンドを無視しているとも受け止められかねません」
 実際、ヴィーガンの人たちが書き込むサイトで「東京で何を食べるといいか、何が安全か教えてくれ」という問い掛けがあったが、それに対するある人の回答が「ライス」。「これはある種、東京の現象を嘲笑しているかのようです」と語る楠本氏は、世界一の評価を得た「菜道」を東京のレストランがヴィーガン対応の重要性を感じるきっかけでありたいとしている。

全てはハラール対応料理を依頼されたことから始まった

 楠本氏が料理人としてフードダイバーシティと出合ったのは、2015年に勤めていた会員制のレストランでのこと。その店の利用はほとんどが接待で、ある日会員の一人から「これからムスリム(イスラム教徒のこと)の人を接待することが増える。ハラールのことを勉強してほしい」と依頼された(ハラールはイスラム教の戒律に基づくもので「許されたもの」という意味。楠本氏はこの時に初めて「ハラール」という言葉を知った)。
 当時は使用食材でハラール対応のものがほとんどなく、調達が非常に困難だった。そこで、通常のメニューからハラールで禁じられている豚肉とアルコールを抜いたものをつくったが、ムスリムのお客さまには喜んで食事をしてもらえなかった。なぜだろうと考えた結果、「それはムスリムが好む料理ではないから」という考えに至る。
 海外のお客さまを接待する場面で「これが和食なんだ」ということを店側がごり押ししても評価はされない。接待で使用される店の評価は、接待をする人、つまりホストから「ありがとう」と言われることで決まる。ゲストは店ではなく、ホストに感謝するもの。だから、ゲストに感謝されたホストが店に「ありがとう」と感謝を伝える店が接待で使用される店のあるべき姿と確信するようになった。
 当時、ハラール対応の和牛が少しずつ登場。そうした中、ハラールと畜された神戸牛が登場したことで、ムスリムの需要が一気に増えた(これを使用した日本初レストランが楠本氏のレストラン)。これは2016年の頃である。
 こうしたハラール対応を継続する過程で、お客さまから「ヴィーガンができるか」「コーシャ(ユダヤ教徒対応)ができるか」と尋ねられるようになり、グルテンフリー、アレルギー対応などの問い合わせも受けるように。この要因を、楠本氏は「ハラール対応を先駆けて取り組んでいるということは『食の禁忌に詳しい』と印象付けたのだろう」と考えた。
 レストランの来店客はアッパー層が多く、そこで使う金額も大きいことから下手な対応ができない。もちろん、ハラール、コーシャ、ヴィーガンでいい加減なことはできない。料理を残されてしまったらそこでアウト。コース料理の金額が高いと期待感が高まることからフードダイバーシティの勉強を一生懸命に行った。

ヴィーガンを追求するとマーケットが広がった

 西麻布の店ではハラール対応料理が人気を博したが、そのきっかけはつくり手である楠本氏が「ムスリムが好む料理」に気付いたことであった。ムスリムで使えないのは豚肉とアルコールだけ。しかし、ヴィーガンになると肉も魚も使えず、その中で味付けを考えるのはとても難しく、ハードルも高い。こうした課題に取り組むことに楠本氏はやりがいを感じた。

 現在、料理監修をする「菜道」には「焼き鳥」「ウナギ」を称する料理があるが、実はこれらは肉でも魚でもない。野菜を使い、それぞれの食味に寄せてヴィーガンの焼き鳥やウナギをつくっている。
 オリエンタル・ベジタリアンに取り組むことも難易度が高いが、楠本氏はこう語る。「これは台湾人のニーズがあり、フードダイバーシティに取り組む上でやることができるのであればやってしまおうということで取り組みました。五葷フリーによってヴィーガンのフィールドが広がり、誰もまねすることができません」
「ハッピーカウ」でレビューを書いているのは主に欧米系のヴィーガン。彼らにとってはアルコールフリー、五葷フリーは関係のないが、「菜道」がこれを行っていることを意識せずに高く評価している。そして、オリエンタル・ベジタリアンにとってはこれが目的来店につながり、ノンベジタリアン(たまには肉、魚を食べる)にも受け入れられる。
 楠本氏は「オリエンタル・ベジタリアンもノンベジも味に満足しているのであれば、卓上にニンニクを置かなくてもよいと気付き、オペレーションが楽になりました。つまりスタッフにとって、どのような食文化や食に禁忌のある人が店に入ってきても、いちいち『食べられないものは何か』を聞かなくてもいいということです」と言う。
 つまり、フードダイバーシティをきちんと捉えた店は、多くの外国人が訪れる中で食のマーケットを広げる存在となりえる。その象徴が東京・自由が丘の「菜道」なのである。
(千葉哲幸)

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最新モデルをニトリ内の地下に出店、厚い足元に加え、広域集客にも期待

2019年12月11日 20:00 商業界オンライン

写真:サミットが部門横断で店内製造する「鍋セット」や「レンジで簡単調理セット」。生鮮部門で販売している素材を使って製造していることが特徴で、それを可能にできる店舗マネジメント手法は同社の強みの1つ。

 12月11日、サミットは東京都大田区に同区6店目となる大田大鳥居店をオープンした。サミットとして東京都83店目、全社116店目となる。大田区への出店は2010年の大森西店の出店以来。また、南西2kmほどの所にはかつてサミットストアであったオーケー南六郷店があるなど、サミットにとっては新商勢圏ともいえるエリアで、マルエツ、ライフが店舗網を築いている中で存在感を高める役割を担う。

 今回はサミットとしては珍しい出店パターンで、ニトリ大田大鳥居店の3つあったフロアのうちの1つに入居する形で地下1階に526.7坪の売場を確保した。産業道路の国道131号沿いに立地し、環八との交差点にも近く、ニトリとの相乗効果で広域集客が期待できる。
 サミットとしてはニトリとの共同出店は志村店(東京・板橋)での事例があるが、今回はニトリが売場を縮小し、そこにスーパーマーケット(SM)としてサミットが入る形で事情はやや異なる。ホームセンターなどが売場を縮小し、そこにSMが入る事例は他社でも見られ、今後もこうした形の出店はSMにとっても選択肢の1つとなり得るとみられる。何よりホームセンターとしては売場の効率を高められる上、集客上の相乗効果も見込めるというメリットがある。
 マーチャンダイジングは直近にオープンしたテラスモール新松戸店(10月24日オープン、売場面積571坪)とほぼ同様で、今期を最終年度とする中期経営計画を踏まえた「3年間の集大成」(竹野浩樹社長)ともいえる売場となっている。テラスモール新松戸店はショッピングセンター内への出店ということで、その意味では広域集客の店の出店が続いた。その意味では、「3年間の集大成」の売場の小商圏における真価は、20年2月オープン予定のフリースタンディングタイプの上星川店(横浜市保土ヶ谷区)で試されることになる。

(竹下浩一郎)

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cat_11_issue_oa-shogyokaionline oa-shogyokaionline_0_bc9d01df0f8a_19年11月「無印良品」が2カ月連続で好調 bc9d01df0f8a bc9d01df0f8a 19年11月「無印良品」が2カ月連続で好調 oa-shogyokaionline 0

19年11月「無印良品」が2カ月連続で好調

2019年12月11日 10:02 商業界オンライン

 11月は天皇、皇后両陛下の即位パレードなど前半は慶事ムードに覆われた。しかし、文化の日絡みの3連休は天候に恵まれたものの、都心でも最高気温が20℃前後で推移したために冬物衣料が動かなかった。後半の「BLACK FRIDAY」商戦はテレビCMを投入したイオンでは集客、売上げとも好調だった模様。大型商業施設ではららぽーと系が同商戦を打ち出していたが今年は本来の「BLACK FRIDAY」が11月29日だったこともあり、各社の足並みがそろわなかったようだ。これからの11月商戦への取り組みについて課題を残した月度となったのではないか。

〈1位〉良品計画(既存店)売上高 104.1%*1、客数 113.4%、客単価 88.9%

【主要施策】無印良品週間11/15~11/25(メンバー10%OFF)
【話題の取り組み】3日間限定特価11/22、23、24、~11/12 ~11/26まで期間限定価格、すべての毛にヤクわりがある(ヤクウールニット製品の訴求)
【注目アイテム】〔レディス〕首のチクチクをおさえた洗えるリブ編みタートルネックセーター(税込み2490円 期間限定割引)、ヤク入りウール畦編みモックネックセーター(税込み4990円 期間限定割引)/〔メンズ〕メリノウール ミドルゲージクルーネックセーター(税込み3490円 期間限定割引)
  中旬までは暖かな日が続いたが下旬に気温がようやく低下してきたことで徐々に冬物の動向が上がり、衣服・雑貨ではヤクウールのニット、軽量ダウンベスト、パジャマ、肌着が好調に推移した。生活雑貨では厚手毛布などの季節ファブや、主力のH&Bのケア用品の売上げは堅調だったが、前月末の良品週間の影響もあり、ベッド、ソファ、収納家具などの大型商材が伸び悩んだ。

〈2位〉ユナイテッドアローズ(既存店*2)売上高101.6%、客数100.5%、客単価99.3%

【主要施策】アウター&ニット15%OFFキャンペーン11/20~12/1(ビューティ&ユース)
【話題の取り組み】アウターキャンペーン10%OFF11/20~12/01(グルーンレーベル)
【注目アイテム】〔レディス〕【別注】<DESCENTE ALLTERRAIN>MIZUSAWA DOWN /水沢ダウン(税込み13万200円)、【別注】<DUVETICA> SAOIRSE ダウンジャケット(税込み10万7800円) /〔メンズ〕:Karrimor × Steven Alan マウンテンパーカー(税込み3万6900円)
  メンズのアウター需要、ビジネス需要が弱めだったものの、メンズ、ウィメンズともシャツ、カット、ニット、パンツなどの秋物商品が好調に推移し、小売+ネット通販既店売上げは前年同期を上回った。11月は前年同月に比べて休日が1日多く、小売+ネット通販既存店売上高前期比に対してプラス1.7%程度の影響があったと推測される。

〈3位〉アダストリア(既存店)売上高 99.3%、客数 96.7%、客単価 102.7%

【主要施策】BLACK FRIDAY 対象アイテム期間限定20%OFF(グローバルワーク)
【話題の取り組み】KEMコラボ企画(ニコアンド)、HAPPY HOLIDAY MAREKET(スタジオクリップ)
【注目アイテム】〔レディス〕洗えるガータータートルプルオーバー(税込み4290円)、軽やかストレッチ2WAYコート(税込み1万450円)/〔メンズ〕イタリアンブークレカラーニット(税込み5390円)
 月を通して気温の変動が大きく、冬物衣料の売れ行きが緩やかだった。ブランドではグローバルワーク、ニコアンド、ベイフロー、ページボーイなどが好調。アイテムではブルゾン・コートなどのアウター類、ニット類が売上げの中心となり、クリスマスツリーやショートブーツなどの雑貨が伸長した。

〈4位〉しまむら*1(既存店)売上高 98.7%、客数99.2%、客単価 100.2%

【主要施策】しまむら大創業祭
【話題の取り組み】冬のしまむらあったか生活/カジュアルコーデをアウトドアスタイルでアウターコレクション特集
【注目アイテム】〔レディス〕カットコールイージーワイドパンツ(税込み1900円)、裾ポケット付フェザートッパーカーデ(税込み1900円)/〔メンズ〕エンボスベストパーカー付ロンTセット(税込み1900円)
 スカートなどのトレンドアイテムを中心としたティーンズ衣料や、あったか機能シリーズ「FIBER HEAT」の寝具、子供衣料などの売上げが好調。ただ、月度上旬に日中の気温が高く推移したことで中綿ジャケットやタイツなど防寒衣料の販売が伸び悩み、売上げは前年実績を下回った。

〈5位〉ユニクロ(既存店*3)売上高 94.5%、客数 96.7%、客単価 97.7%

【主要施策】70周年 誕生感謝祭
【話題の取り組み】ディズニーホリデーコレクション
【注目アイテム】〔レディス〕ウルトラライトダウンジャケット(税抜み5990円)、エクストラファインメリノリブタートルネックセーター(税抜み2990円)、〔メンズ〕防風ボアフリースジャケット×JWアンダーソン(税抜み5990円)
 前半に新商品の売上げは伸びたが、後半になっても気温が下がり切らず、アウターの売れ行きが鈍かった。前半にはハイブリッドダウンやウィメンズのワイドカーブパンツ、メンズのテーパードパンツなど新商品が一定動いたが、22日から4日間開いた感謝祭のタイミングでは気温が下がらず、冬物アウターが思惑通りには売れなかった。

〈6位〉ライトオン(既存店)売上高 85.4%、客数73.7%、客単価 115.9%

【主要施策】最高20%還元お買い物プレゼント(1万円、5千円以上の買い上げ対象)
【話題の取り組み】リユースプロジェクト(洋服1袋で500円クーポンプレゼント)、期間限定メンズレディススウエットトップス、キッズトップス、MPSボトム2枚目半額
【注目アイテム】〔レディス〕チャンピオン・サイドスリットパーカー(税抜き6990円)、リー・サイドスリットビッグパーカー(税抜き6990円)/〔メンズ〕ラグマシーン・フードMA-1(税抜き6990円)
 スウェットやボアアウターなどブラックフライデーセールで打ち出した商品は堅調に推移も、防寒アウターやニット、ウォーム素材のボトムスの販売が鈍かった。 ウィメンズではシークレットライン(インナー 付き機能性ボトムス)が堅調だったが、既存店売上高マイナスは6カ月連続と厳しい状況が続く。

〈11月のまとめ〉暖冬気象とかけ離れた品揃えが敗因に

 11月は冬物商戦の大きなピークだったが、ここで取り上げた企業の大半が厳しい結果となった。最大要因の一つは、暖冬気象とかけ離れた品揃えにある。先月も指摘した通り、今のお客はダウン中綿アウターや丈長コートを身にまとう気分になれないのだ。ファッショントレンドもここにきて岐路に差し掛かっていて、表ステッチの入ったダウンジャケットなんかは完全に飽きられてしまっている。こうなってしまうと価格をいくら下げたからといっても売れる数は限定的になってしまい、最終処分に苦慮するケースとなるのが関の山。昨年の暖冬から、持ち越している商品もあるはずだろうから、大量に仕込んだ企業は少ないのがせめてもの救いでもある。
 冒頭にも触れた「BLACK FRIDAY」商戦は、イオンの一人勝ちだったのではないか。CM投入、メディアにも取り上げられ、最近のアンケート調査によれば認知度も75%まで上がってきている(株式会社ONE COMPATH『Shufoo!』 調べ)。イオン以外では、ららぽーと系商業施設が「BLACK FRIDAY」を打ち出していたが、テナントによって温度差が明らかに生じていた。店頭でしっかりと打ち出していた店とそうでない店とでは、賑わいにも差が生まれていたように見えた。
 年に2回行われるユニクロの一大セールスイベントの「誕生感謝祭」と「創業祭」、無印良品は「良品週間」と好業績企業は独自のセールスイベントを持っているのが強み。来年もイオンは「BLACK FRIDAY」を継続するだろうが、その他の企業の取り組みはどうだろう。独自のセールスイベントで結果の出ない企業は相乗りするのが良策だと思うのだが。

(12月商戦のポイント)売れ筋は通勤にも使える商品

 今年から天皇誕生日という祝日が減ってしまう12月は3連休もなく、年末に向けたイベントが中心となる。この冬物の売れ筋傾向を見ていると、通勤にも使えるような商品が根強い。考えてみれば1週間のうちの5日間は通勤しているわけで、同じ洋服ばかりは着ていられない。買い替え・買い足し消費が堅くレディスであれば、コーディネイトに最適なハイゲージクラスのリブ編みタートルのような商品が必須。他社と色柄、素材、ケア、価格で差別化をアピールするところから始めたい。メンズは職場のカジュアル化が進めば通勤スタイルにも変化が生まれてくる。ビジネスコードの変遷を注視していく必要がある。
 本格的な寒さが期待できる12月こそは重衣料アウターの最盛期にしなくてはいけない。そのためには「色」のある商品を訴求して、お客の関心を引いて足を止めさせたい。挿し色と呼ばれる魅力的な色の重衣料で商品の鮮度アピールをしたい。冬季休暇が始まるタイミングでもあるので、あったら良いと思わせる便利商品や家でのくつろぎ快適がキーワードとなる。師走の忙しなさに負けない活気のある売場の躍動感で集客につなげていきたいところだ。

*印の企業=20日締め、*1=衣料品部門の数字、*2=小売既存+ネット通販既存の合算数字、*3=既存店+Eコマースの合算数字/文中の売れ筋動向はIR情報および筆者視察によるもの。税込価格は全て10月1日以降の増税後価格とした。
(磯部孝)

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拡大するコスメ市場「これがロフトのベストコスメ 2019」

2019年12月11日 05:00 商業界オンライン

 メイクアップ、スキンケア、ヘアケア、ボディケア、フレグランスといった化粧品市場は毎年伸び続け、2018年の化粧品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は約1.7兆円(経済産業省)となっている。
 化粧品に注ぐ女性(若い男性も)の視線は熱く、その勢いは衰えないが、美しくなりたいという願いはどの世代も同様。インバウンドの伸びは落ち着いているが、使用アイテムは増え、国内市場は堅調に伸びている。

注目は「バラエティコスメ」

 化粧品をどこで買うか。百貨店、バラエティストア、ドラッグストアや総合スーパー、通販、ネット通販とさまざまなチャネルで販売されているが、注目は「バラエティコスメ」。バラエティコスメというのは、数百円~数千円の中低価格帯化粧品で、購買層も10代から50代以上と幅広い。百貨店と違い、いろいろなメーカーの商品を自分で見比べて選んだり試したりでき、気軽に購入できるセルフ販売スタイルが特徴で、ジュニア層やメンズも足を運びやすい。そのバラエティコスメを定価で販売するのが、プラザや東急ハンズ、ロフトなどだ。
 ここでは(株)ロフトの「ロフト ベストコスメ 2019」のインフルエンサー向けキックオフイベントをレポートする。

店舗とネットで2万アイテムの品揃え

 ロフトは、全国121店舗とロフトネットストアで約2万アイテムの商品を取りそろえ、そこから2019年の売上上位を「ロフト ベストコスメ 2019」として発表している。
注目のトップ5は次の通り。
 1位はUV下地クリーム「ラ ロッシュ ポゼUVイデアXLプロテクショントーンアップ」(日本ロレアル)30ml3400円(税別)SPF50+PA++++

 肌のトーンを明るくし、保湿効果もあることから人気。光を乱反射させるテクノロジーが使われ、1年中UVケアが必要といわれている昨今、注目の一品になっている。
2位は「ザ・プロダクトヘアワックス」(ココバイ)42g1980円(税別)

 体中に使えるマルチバームは天然由来原料だけでつくられ、ミツロウやシア脂がうるおいを閉じ込める。こうしたナチュラル系の商品は、意識高い系の人たちに人気だ。
 3位は「毛穴撫子お米のマスク」(石澤研究所)10枚650円(税別)

 乾燥して開いた毛穴に100%国産米由来成分ライスセラム配合の美容液を染み込ませたシートマスクをのせて、じんわり浸透させる。パッケージのかわいさも人気の要因か。
 4位は「デユオ ザ クレンジングバームホワイト」(プレミアムアンチエイジング)90g3600円(税別)

 天然溶岩であるモロッコのクレイでメイクを落としながら、古くなった角質を落とす。独自にブレンドしたホワイトセラムオイルで、潤いを与える。
 5位は「オペラ リップティントN 05コーラルピンク」(イミュ)1500円(税別)

 透明感のあるプルンとした口元になる。肌の水分に反応し発色するティント処方が、色落ちせず肌になじむ正統派のピンクをキープさせる。ティントは、韓国で人気が高いアイテムで、最近は日本の若者でも知らない人はいない。
 この他、ロフトでは28部門で各3アイテムを選定している。
 さらにバイヤーからのお薦め商品で私が気になったのが、子供から大人まで全身使える「ママバター フェイス&ボディオイルクリーム」(ビーバイ・イー)60g1600円(税別)だ。

 オーガニックシアバターとシアオイルを使用しているため、一部の商品を除き、新生児から使って大丈夫だと説明を受けた。
 メンズコスメの「バルクオム ザトナー」(バルクオム)200ml3000円(税別)

 20代から30代の購入者が多いということだが、「40代、50代の方にも、そして女性と共有で使ってほしい」と担当者のメッセージ。パッケージが従来の化粧品のようではないところが、画期的。メンズコスメ市場は昨年に比べて1.4%増加している(富士経済調査)。
 パッケージがかわいい「イルウェイ ロフト限定コフレ ルイーズ」(SHO-BI)3000円(税別)

 4人のデザイナーにパッケージデザインを頼み、それぞれの個性を際立たせた。
 「スリープデイズリカバリーレッグフィットロフト限定グレイカラー」(TWO)4980円(税別)

 ベストコスメの会場だが、ナノレベルの鉱物を特殊配合した繊維を使い、体内の熱エネルギーに反応して足をケアする靴下が置いてあった。締め付け感がなく、通気性も良く、年間通じて使えるだけでなく睡眠中もつけられるようだ。足のむくみが気になるOLが重宝するだろう。

インフルエンサーが拡散し、配信数は477万件!

 この会場、大変な熱気に満ちていた。インフルエンサーたちがこぞって写真を撮り、どんどんその場でSNSにアップしていく。12月1日時点で、#ロフトの展示会#ロフトのベストコスメ2019で検索すると、Twitte575件に対し配信数428万件、インスタグラム2091件で配信数477万件と拡散されている。
 ロフトのターゲットは30歳を中心に25歳から35歳の女性が中心だが、地域や出店方法によっても異なり、横浜や千葉は百貨店のテナントとして入っているため年齢層が上がるし、渋谷は町の特性から10代の学生などの若い世代がボリュームゾーンとなる。川崎や辻堂など駅近のショッピングセンターでは、駅を利用する通勤通学の人やファミリー層にも広がっている。一方、銀座では30代後半が増え、客単価も上がり高品質高単価商品を充実させている。
 商品部健康雑貨部メイクアップ担当の中川真理子バイヤーは「インフルエンサーの紹介によって急に売れることが多く、定番品が再注目されるようになることもあるのは現代ならではの現象ですね」と語る。会場のインフルエンサーたちは完璧にメイクして美しく着飾り、コスメを熟知しているように見える。
 また、会場のステージに登壇してトークをするのもYouTuber。古川優香さんは、個人のチャンネル登録者数は55万人、Twitter93万人、Instagramフォロワー88万人というティーンのカリスマ的存在で、会場の人たちに食い入るように見詰められていた。
 ロフトが年間ベストコスメを発表したのは、去年(2018年)が初めてだったが、この時はネット上での発表にとどまった。ベストコスメイベントとして開催したのは今回が2回目で、2019年1月~10月までの集計をネット上で発表し、冊子を作り、同時に店頭でも企画として展開する(期間は2019年12月1日から2020年1月12日まで)。
 イベントに招待されたのは、1日を2回に分け、メディア関係者とインフルエンサー、そしてロフトアプリユーザー。アプリユーザーの応募は今回1000人ほどあり、その中から抽選で150人が招かれた。
 会場全体を歩いて感じたのは、10代などの若い世代にはティント系の自然な血色感を出すリップが、20代ではブラウンに近いオレンジ系でマットタイプのものに人気があった。ライナーやマスカラはブラウン、もう少し上の世代はオフィスで使用しても気にならない香りのフレグランス、また、保湿アイテムやシャンプーなどはナチュラル系が好まれているという傾向が見受けられた。
 その上の世代は、メイクよりも基礎化粧品でエイジングが欠かせず、メンズ市場も広がってきている。今までなかったニッチなアイテムも開発され、新商品も続々と出てきている。マーケットとしても、個人の興味としても、コスメ市場は目が離せない。
(岩崎由美)

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無人レジはもっと説明が必要?

2019年12月9日 05:00 商業界オンライン
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小島健輔が伝授『売上向上は「カゴ落ち」防止に尽きる』

2019年12月9日 05:00 商業界オンライン

写真:ライトオンECサイトの検索サイドバー

 ECの売上向上には「カゴ落ち」防止が効果的だが、それは店舗販売でも同様だ。顧客の購買プロセスを妨げる要因を一つ一つつぶしていけば売上げは容易に伸ばせる。ECで顧客がショッピングを進めていく過程で「カゴ落ち」が生じるポイントはだいたい決まっている。それは店舗販売も似たようなものだから、ECと店舗を比較しながら検証していくと効果的な売上向上策が次々と見えてくる。

商品選択段階の肝は編集運用

 店頭と違ってECではさまざまな条件で並べ替えて商品を探せる。ホーム画面左側のサイドバーに選択に便利な検索条件が分かりやすくリストされていることが必要で、以下のような検索ワードが並んでいることが多い。
a)ブランドで探す(ABC順表記が多い)
b)ターゲットで探す(ウィメンズ/メンズ/キッズ・・・)
c)カテゴリーで探す(アウター/トップス/ボトム/インナー/シューズ/バッグ・・・)
d)アイテムで探す(アウターならダウンベストなど各カテゴリー内の具体的なアイテムを列挙)
e)サイズで探す(SS〜XXL、身長やドロップ、アンダーバスト&カップサイズなど)
f)カラーで探す(色相/トーン/トレンドカラー)
g)人気ランキングから探す(集計期間、対象分野の選択も可能)
h)価格で探す(高い順/安い順)
i)キャンペーンから探す(セール対象/クーポン対象など ※更新に注意)
j)トレンドのキーワードで探す(※タイムリーな更新が必要)
 この検索条件がチグハグだったり、長期間更新されないでアイテム名やトレンドのキーワードが陳腐化すると、検索しにくいだけでなく感性も疑われてしまう。i)やj)の更新を欠かさず、e)やj)についてはサイトの特性を生かす表現を意識したい。
 店舗でこれだけの情報を網羅するのはPOPや販売員の知識だけでは不可能で、タブレット接客やQRコードのスキャンでECサイトの情報を活用するのが必須となった感がある。販売員の誰もがタブレットを携帯して店舗とECサイトをリアルタイムで連携し、顧客利便を高めないと店ごと「カゴ落ち」しかねない。その意味で「百貨店」は丸ごと「カゴ落ち」してしまったのではないか。
 店舗販売では検索条件を変えて逐一並べ直すのは物理的に困難だが、ディスプレイと出前陳列だけなら小一時間で組み替えが可能だ。平日と週末、昼間と夕刻でルックやアイテム、色組みや色順などを替えれば効果はてきめんだ(再編集VMD)。ECでも「カゴ入れ」が悪い(落ちる以前の魅力の問題)と、ブツ撮りからモデル撮りに差し替えたりモデルを替えて撮り直したり、コーディネイトを替えたりするから、似たような運用が行われている。その頻度はもはや店舗販売と大差ないのではないか。

比較検証段階の肝は情報量

 店舗だと何店も見て回る手間を要するが、ECだと欲しい商品を検索して絞り込み、ブラウザーのウインドウを幾つか並べて類似商品を比較することが多い。デザインや素材、色やサイズ、価格やクーポンなどのキャンペーンを見比べるが、商品写真の精細度や立体感、見た目のインパクトが弱いと比較負けしてしまうし、ライバルサイトのキャンペーンに出し抜かれることもある。
 ライバル店の打ち出しや値引きキャンペーンをチェックすべきはECも同様だが、店舗販売よりテンポが格段に速い。時間の勝負という一面もあり、店舗とタイミングを合わせるのは難しいのが現実だ。
 素材感や物性、サイズやフィットの確認は実店舗に圧倒的な分がある。ECも写真や動画を工夫したり詳細な寸法表示や重量表示、物性表示(落ち感や透け感など)をしたり、バーチャル・フィッティングアプリを使ったり、あるいは返品自由をうたったりして「カゴ落ち」の回避に努めているが、手を打てば打つほど相応にコストがかさんでいく。
 そんな中でコスパが高いのが顧客のレビューだが、さまざまな体型・サイズの顧客の感想がそろうまで時間がかかるから新規投入商品には役立たないし、“さくら”が疑われることもある。ならば、ZOZOTOWNのように「スタッフレビュー」と明記し、さまざまな体型・サイズのアルバイトによる試着体験報告を商品投入に間髪を入れず掲載するのが効果的だ。
 店舗でそれを担うのは試着販売やフィッティングだが、前者は費用の制約(販売員が社販購入するか無償貸与)があってアイテムが限られ、後者は顧客に手間と労力を強いるから、ECサイトの顧客レビューやスタッフレビューを見る方が手早い。ECの商品情報もレビュー情報も手軽に見られるよう、商品タグにQRコードを印刷するのは今どきのジョーシキではないか。

店舗は情報を隠している

 比較検証は店舗販売に分があるといったが、それを生かしている店舗は限られる。ECに比べれば商品情報が決定的に不足しているし、見当てや試着という重要な購買プロセスが軽視されているからだ。
 POPや値札の商品情報はECのさ・さ・げ情報に比べれば格段に限定されたものだし、価格や品質表示は探さなければ見つからない。取り付け位置の不統一に加え、アパレル業界では値札は隠すものという慣習が定着しているからちょっとした探索が必要だし、素材など品質表示は内縫いの洗濯タグをひっくり返して探すことを強いられる。値札やネームのサイズ表記も記号だけで、ECのように各部位の実寸が詳しく表記されているわけでもない。ECに比べれば『売りたくない』という姿勢が露骨で、この段階で「カゴ落ち」する顧客は少なくないだろう。
 これを解消するにはQRコードをスマホでスキャンしてECの商品ページへ飛んでもらうという手があるが逐一スマホを操作する必要があり、値札をサクサク見ていく手軽さには敵わない。大きめな値札に全てをまとめて表記するのが親切ではないか(洗濯表示は別途に必要)。
※さ・さ・げ:ECの商品表現のための「さ」(撮影)、「さ」(採寸・計量)、「げ」(原稿書き)

接客空間は陳列空間より販売効率が高い

 鏡の前で商品を当てて似合うか確かめ、フィッティングルームで試着するというプロセスは買上率や客単価を決定的に左右するが、そのプロセスでの「カゴ落ち」が圧倒的に多い。鏡やフィッティングルームが軽視され、数やスペースが限られているからだ。
 閑散時間と繁忙時間では入店客数の桁が違い、繁忙時間の買上率は閑散時間の十分の一以下になる。繁忙時に販売員を増やすのは限界があるからセルフでの選択に期待するしかないが、鏡とその前の接客空間が足らないとそれも難しい。スペースを取るフィッティングルームはなおさらで、繁忙時には順番待ちになり、諦めて帰る顧客も少なくない。
 もとより壁面陳列は島陳列の何分の一しか売れず在庫回転も滞るから、壁面を陳列什器で埋めず、鏡を配した接客空間を間に入れた方が売上げは伸びる。フィッティングという行為はストレスが大きいから、ゆったり目のFRを多めに配すれば客単価も買上率も確実に伸びる。それも、集中して配置する方が接客の効率も顧客同士があおる相乗効果も大きい。
 単品構成のカジュアル店などでは試着を回避する工夫も効果がある。サイズ別のトルソーを集合フィッティングの前に並べ、それに着せてサイズ感を確かめてもらえば、手間もストレスもかかる試着をせずに済む。セールなどの繁忙時にはフィッティング待ちが長くなるが、トップスやイージーなボトムなどは簡易なトルソーフィッティングで代用してもらえば待ち時間を短縮できる。IT仕掛けのバーチャルフィッティングなどより手間もコストもかからず、よほど実用的だ。
 長年の経験則だが、接客空間は陳列空間より間違いなく販売効率が高い。なのに陳列を詰め込んで接客空間をつぶすのは「カゴ落ち」を招く愚行だ。現場の販売員は実感できても経営陣には絶対に見えない真実のようで、これまで幾度説明しても理解されることは稀有だった。

個人認証と決済段階

= ECで「カゴ落ち」を招く関門が会員登録と決済だ。外資ブランドのECでは最初にログインを要求するサイトも見られるが、未登録顧客には極めて敷居が高く離脱してしまうことが多い。商品選択を終えて決済をする段階でログインを求められるのが気楽だが、購買履歴によるレコメンドやサイズ推奨、会員割引やクーポンの付与などを表示するには先にログインを求める必要がある。
 会員登録済みの顧客には関門とはならないが、新規顧客には登録入力が煩わしい。スマホショッピングが圧倒的多数派となった今日ではなおさらで、SNSやメジャーモール(アマゾン/楽天/ヤフー)のIDによるログインが必定となっている。
 店舗販売でも、登録会員に対する優待セールやポイントの付与が定着した今日では決済時点でのログインが必須だが、AIレコメンドやレジレスな無人決済を行うには入店段階でのログインが必要になる。スマホのBluetoothをオンにしておけば入店と同時にアプリで自動的にログインされ、顧客情報を元にAIが推奨して販売員が対応するというプロセスが普通になるのに時間はかからないだろう。
 店舗販売ではログインが障壁となって「カゴ落ち」するリスクは考えにくいが、新規顧客はEC同様にSNSのIDで仮登録し、後で自宅のパソコンなどから本登録できるようにすると「登録落ち」を避けられる。
 ECでも店舗でも、決済段階で顧客の可能な決済方法が選択できないと「カゴ落ち」してしまう。現金やクレジットカード、デビットカードやQR決済に加え、ECではコンビニ払いや銀行振込、代引きやキャリア決済まで求められるが、トラブルの多い代引きやキャリア決済は外すサイトも多い。店舗販売では決済方法の選択肢は商業施設デベ一括加盟契約もあってあまり意識されないが、小口決済ではプリペイドICカードが不可欠だし、クレジットカードでアメックスやJCBを外せば高単価客を失うリスクがある。

送料と受け取りではC&Cで店舗小売業が優位

 さまざまなEC利用者調査に共通する3大条件として1)送料は無料、2)速く届く、3)試せる返せる、が挙げられるが、大手宅配会社の高コストな仕組みに依存しては無料は困難だし速くも届けられない。宅配料金の大幅値上げ以降、急拡大しているのが地域デポからローカル宅配業者や自営運送業者に宅配させる方式で、コストも時間も大きく圧縮できる。 
 速く届けるには1)地域デポからローカル宅配する、2)受注してからの取り寄せでなく出荷倉庫に在庫を持つか3)ドロップシッピングで出品者から顧客に直送する必要があるが、どちらにしても1)は必須だ。わが国では4カ所もあればほぼ全国に翌日到着が可能だが、在庫が地域デポに分散することになるからEC事業者にはハードルが高い。全国に店舗展開する小売りチェーンが店在庫を引き当てて店出荷すれば受注の時間帯によっては同日、遅くとも翌日には届けられるから、圧倒的なアドバンテージとなる。
 このアドバンテージを生かせばEC事業者より優位に立ち、顧客が店受け取りに来店すれば店舗売上げも伸ばせる。これがC&C(クリック&コレクト)の威力だが、システム更新が追い付かず店舗在庫をEC受注に引き当てられないなど実施できていないチェーンが多い。ユニクロも店舗在庫は検索できても取り置き(=引き当て)はできず、「店受け取り」はECで決済して有明のEC専用倉庫から各店舗に出荷しているのが実情で、顧客は店受け取りのスピードを享受できないでいる。
 逆にライトオンの「店受け取り」はECから店舗在庫を検索して取り置く仕組みで(決済も店舗)、スピーディーな受け取りを実現している。ライトオンの顧客を限定する商品政策や時代ずれしたフィットには賛同しかねるが、ECサイトの出来は出色でカジュアルチェーンの模範と言っても良い。

「顧客第一」は建前ではなく究極の戦略だ

 多くの小売業者が「顧客第一」を掲げ『店は客のためにある』とうたっているが、購買プロセスの各段階で「カゴ落ち」を放置している現状を見る限り顧客の利便に真摯に向き合っているとは言えず、「顧客第一」が建前にすぎないことを露呈している。
 購買プロセスの各段階で本当に顧客の利便を考えストレスの軽減を図るなら「カゴ落ち」は激減して売上げが伸び、「顧客第一」は十二分に報われる。「顧客第一」こそ業績向上の原点であり究極の核兵器でもある。決して「建前」でないことが分かってもらえたのではないか。
 そんな原点を忘れ顧客を突き放した百貨店やECモール事業者、外資アパレルチェーンやしまむらが苦境にあえいでいるのは必然の結果というしかない。「顧客第一」こそ究極の戦略なのだ。
(小島健輔)

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