部屋に付いているのは家具でも家電でもなく猫―。マンションに入居すると同居する猫の貸し出しが受けられる「ネコ付き賃貸」が高松市内に1部屋完成し、入居者を募集している。県内は長年、犬猫の殺処分数が全国ワースト上位となっており、猫と暮らせる物件を提案することで築年数の古い物件の入居者確保と保護猫の里親探しの両立を図る。
ネコ付き賃貸は、不動産業のライブエステート(高松市)とねこカフェ肉灸(同)が共同で企画。ライブ社が築約30年のマンションの1室を猫が暮らしやすいように改装。肉灸が猫の貸し出しや飼育のアドバイスなどを担当する。
物件は、同市上之町のマンションの1室で、延べ床面積約50平方メートルの2LDK。洋室の壁に猫が飛び移ったりして遊べるキャットウオークを設けたほか、一部の扉に猫用の出入り口となる小窓を付けた。
猫は、肉灸で飼育している7歳前後の猫から物件の契約者が気に入った1匹を選択。退居する際は、猫を返却するか、譲渡契約を結び、そのまま飼育するかが選べる。
同市上之町の物件は月額4万9千円。好評なら新たに物件を設ける方針。肉灸のオーナー伊藤俊明さんは「猫が飼える賃貸マンションは多くない。初めて飼う人も歓迎。猫との生活を楽しみ、魅力を味わってほしい」と話している。