オンラインゲームなどのし過ぎで生活に支障が出る「ゲーム依存症」を防ごうと、徳島県美馬市内の小中学校で児童・生徒を対象にした出前講座が開かれている。四国新聞社が制作した予防啓発DVDやタブロイド紙などを活用し、来年1月中旬までに市内計13校で実施予定。17日は穴吹中学校で行われ、全校生がゲームの過剰利用が心身に与える悪影響を学ぶとともに、普段の生活で心掛ける予防策を考えた。
出前講座は、香川県NIE推進協議会長で日本NIE学会長も務める鳴門教育大大学院の阪根健二教授(学校教育学)が講師を担当。美馬市内15小中学校のうち7小学校と6中学校を対象に、啓発DVD「ゲーム依存から子どもを守る!」や、四国新聞のこどもニュース特別号などを使い10月末から順次開いている。
穴吹中では、1~3年生約70人がゲームやインターネット依存度を確かめるチェックシートを使って、自身の生活を振り返った。阪根教授は、ゲームの時間をコントロールできないなどの依存症の特徴を示し、「薬物やアルコールと同じで、やめたくてもやめられない。本人はもちろん、家族など周囲も巻き込んでしまう」と解説した。
続いて生徒たちはグループに分かれ、「ゲーム依存で失うもの」をテーマに意見交換。睡眠や勉強時間、家族と過ごす時間や友人との信頼関係などを挙げたほか、課金のし過ぎや視力低下を指摘する声もあった。依存にならないために注意することとしては、▽ゲームの時間を制限する▽課金をしない▽家族との過ごし方を大切にする▽ゲーム以外の趣味を見つける-などの意見が出された。
スマートフォンでゲームをするという3年の斉藤疾風さんは「やり過ぎに注意している。勉強や睡眠などの優先順位を守りながら上手に付き合っていきたい」、3年の赤池真心さんは「LINE(ライン)やゲームをするため、ついついスマホを触ってしまうことがある。使い方をしっかり決めることが予防につながると思った」とそれぞれ感想を話した。
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