三豊市財田町と徳島県三好市を結ぶ「新猪ノ鼻トンネル(仮称)」の貫通式が11日、県境近くの現地で開かれた。現在、両地域を結んでいる国道32号はカーブの多い峠道のため、豪雨や積雪時に通行止めになることが多く、讃岐山脈を貫く新トンネルの完成は通勤などに利用する住民の悲願。工事を進めている四国地方整備局は今後、道路舗装や標識の設置工事を行い、2020年度中の供用開始を目指している。
トンネルの延長は約4・2キロ(うち香川は約2・8キロ)で、四国では4番目の長さ。2016年2月に着工し、国道32号のバイパスとして整備中の「猪ノ鼻道路」(延長約8・4キロ)の一部区間に完成した。工事費は約70億円。
式典は、浜田知事や山下三豊市長らが発破ボタンを押してトンネルを貫通させた後、両県の首長や工事関係者ら計約230人が合流してスタート。通り初めや財田小(同市財田町)と箸蔵小(徳島県三好市)の児童たちによる樽(たる)みこしなどで貫通を盛大に祝った。
浜田知事は「生活の利便性だけでなく、緊急車両の通行が可能になるなど防災面でも重要なトンネル。一日も早い開通を願っている」と述べた。
四国地整局によると、開通後は現在の国道32号を通るルートと比べ、所要時間を10分程度短縮できる見込み。猪ノ鼻道路は、新猪ノ鼻トンネルを含めて約80%の区間がトンネルとして整備されるため、悪天候による通行規制の発生頻度も減少するという。