昨年8月に開かれた全国高校総合文化祭の演劇部門で、最優秀に当たる文部科学大臣賞を受賞した丸亀高演劇部の舞台「フートボールの時間」が映画化されることが決まった。監督を務めるのは、フリーのテレビ番組ディレクターとして活躍する坂本春菜さん(34)=東京都在住、京都市出身=。オール香川ロケを予定しており、2020年の公開を目指す。
「フートボールの時間」は、国内女子サッカー発祥の地とされる同高の前身の一つ、県立丸亀高等女学校を舞台に、大正時代にサッカーを愛した女学生の姿を描いた群像劇。当時同部の顧問を務めていた豊嶋了子教諭(現観音寺一高)と部員が制作した。サッカーに打ち込む女学生の心情を細やかに描き、男女差別など社会問題も盛り込んだ点が総文祭で高い評価を受けた。
坂本さんは昨年、ドキュメンタリー番組で部員たちを3カ月間にわたり密着取材。総文祭の1時間という制限時間の中では描ききれなかったストーリーを映画で表現したいと、初めてメガホンを取ることにしたという。キャストや具体的なロケ地は今後決める。
坂本さんは「作品で描かれた男女差別は、現代にも通じるものがある。今の若い人たちにも共感してもらえる映画にしたい」と意気込んでいる。豊嶋教諭は「映画ならサッカーの躍動感や女学生たちの思いがより表現できる。とてもうれしい」と話している。
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