台風24号の影響で、高松市牟礼町の牟礼小学校(田﨑伸一郎校長)のユーカリの木が倒れた。県内最古・最大のユーカリとされ、運動場の真ん中で根を張り、天高く枝を伸ばしていた巨木。子どもたちの成長を見守ってきたシンボルの“最期”に、児童や地域住民らは往時を懐かしみ、長年の労をねぎらっている。
ユーカリは1890(明治23)年に植樹。県によると、78年に香川の保存木に指定された。樹高は15メートル、幹回り4・8メートル、樹齢は約130年。樹勢の衰えが目立ち始めた2008年以降、土壌改良などの樹勢回復治療を施してきた。
倒れたのは9月30日夕方。1日に登校した児童たちは倒れた木を囲み、変わり果てた姿に驚いていた。同校には問い合わせが相次ぎ、駆け付けた住民らが「子どもを巻き込まないようにひっそりと逝ったんだな」などと話していたという。
同校では、数年前から挿し木で後継樹の育成に取り組み、運動場の東端で3メートルほどに育っている。6年の牟礼有彩さん(11)は「卒業するまで見守っていてほしかった。赤ちゃんの木には頑張って大きくなってもらいたい」と話していた。
同校では今後、処分方法を協議する。田﨑校長は「学校にも地域にも貴重な木。何らかの形で残すことができれば」としている。