ネット・ゲーム依存症から子どもたちの健康を守るため、議員発議による全国初の対策条例制定を目指している県議会の検討委員会(委員長・大山一郎議長)は17日、第2回会合を開いた。ゲーム依存に詳しい専門医2人を招き、条例に必要な視点のヒアリングを実施。幼少期からの予防教育の推進や、相談・治療にあたる人材育成、県レベルで深夜のオンラインゲームの利用制限などを盛り込むよう提案があった。
検討委は各会派の議員計14人で構成。国内初のネット依存外来を設けた久里浜医療センター(神奈川県)の樋口進院長、「脳内汚染」などの著書で知られる精神科医の岡田尊司医師=観音寺市出身=を招いた。
岡田医師は、覚せい剤などに匹敵する危険性、幼児が陥る特殊性を広く周知することが重要とした上で、保護者を含めた予防教育や、定期的な実態調査の実施を条例で定めるよう要請。ゲーム業界に対しても「対策や協力を働き掛けることを条例に盛り込んではどうか」と提案した。
深夜のネットやオンラインゲームのアクセス制限に関して樋口院長は、未成年者への規制に政府が乗り出している中国や韓国の事例を紹介。「制限は物理的な手法が好ましいが、少なくとも『午後〇時以降は使用を制限する』などの行動規範を明確に示し、香川全体で取り組む形にしてほしい」と要望した。相談窓口が不足している現状にも触れ、「対応する人材育成の推進や相談体制の構築なども盛り込んでもらいたい」と述べた。
検討委では今回の意見を踏まえ、11月下旬の次回会合で骨子案を議論する。その後、県内の学校・医療関係者らから意見を聞いた上で、啓発にとどまらず実効性のある対策を盛り込んだ条例案をまとめ、来年4月1日施行を目指す。
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