南部九州4県などで開かれている全国高校総合体育大会(インターハイ)第16日は11日、沖縄県名護市で空手男子組手団体の決勝があり、高松中央が京都外大西に勝ち、2年ぶり2度目の優勝を飾った。女子組手団体でも高松中央が2年連続となる3位に入った。
高松中央の男子は、昨年のインターハイ決勝で敗れた日本航空(山梨)との準決勝を代表戦の末に勝利。春の全国選抜大会決勝に続いての顔合わせとなった京都外大西との決勝は、3―0で快勝し、選抜の雪辱を果たした。
本来の空手見せた
高松中央・崎山幸一監督の話 最高です。日本一の練習を積んでつかんだ日本一。選手たちは優勝候補と言われ、重圧があったと思うが、決勝では本来の空手を見せてくれた。結果を出してくれて本当にうれしい。
▽男子組手団体決勝
高松中央(香川) 3―0 京都外大西(京都)
○ 北代 6―1 蜜口
○ 山本 7―2 里村
○ 崎山 8―5 武田
(高松中央は2年ぶり2度目の優勝)
▽女子組手団体準決勝
帝京(東京) 2―2内容勝ち 高松中央(香川)
亀川 0―1 向井 ○
○ 米盛 3―1 松下
萩原 0―3 岡田 ○
白沢 0―0 定森
○ 今井 7―2 藤沢
選抜のリベンジ果たす
最後の最後に歓喜の抱擁が待っていた。空手男子組手団体で、2年ぶり2度目の栄冠をつかんだ高松中央。決勝は3月の全国選抜大会決勝で敗れた京都外大西に完勝。電光石火の攻撃で優勝を決めた主将の崎山は「選抜のリベンジができての日本一。やっと主将らしいことができました」と万感の思いを口にした。
「魔物がいた」と崎山監督が振り返る準決勝が大きなヤマ場だった。相手は昨大会の決勝で敗れた日本航空(山梨)。副将戦が終わって2勝1分け1敗と先行し、ポイントも8点差。楽勝ムードかと思われたが、大将を務めた崎山が大敗し、代表戦に突入する。ここで山岡が「絶対にやってやる」と崎山が敗れた相手に圧勝し、決勝へ駒を進めた。
決勝戦では普段通りを取り戻し、高松中央の空手を披露。「3人で決めるつもりだった」と先ぽうの北代が開始8秒で上段突きを決めるなど6―1で勝ってチームを勢いづけると、次ほうの山本も「仲間の声援が大きく試合を楽しめた」と7―2で圧倒。そして中堅として崎山が登場する。
「準決勝では情けない試合をした。決勝で取り返す」と畳の上に上がった崎山。残り20秒まで2―4と劣勢だったが、焦りはなく、ここからわずか4秒の間に上段蹴りを2発決めて大逆転。1年前、無情に鳴り響いた試合終了のブザーを、歓喜の合図にしてみせた。
直後には3位に入った女子選手も男子選手に交じって喜び合い、チーム一丸での優勝を印象づけた。崎山監督は「春の選抜を取れなくて、最後のインターハイは取りたいと懸けてきた。優勝できて本当にうれしい」と選手たちと共に涙した。
高松中央女子3位 組手団体
悔し涙が止まらなかった。空手女子組手団体で2年連続の3位に入った高松中央。昨年と同じ準決勝で敗れ、春夏連覇もならなかったが、主将の松下は「いい仲間に恵まれて空手を楽しめた。悔いはありません」と声を振り絞った。
頂点を目指して臨んだ準決勝の相手は帝京(東京)。先ぽうの2年向井が勝利し、いい流れをつくったが、続く松下が個人戦で勝った相手との再戦で「絶対に勝たなければ」と硬くなり、敗れてしまう。2年岡田は開始早々にポイントを奪うなど快勝して再び流れを引き寄せ、3年定森は引き分け。最後に登場した3年藤沢は大差で敗れ、2勝1分け2敗となり、総獲得ポイントの差で決勝進出はならなかった。
定森は「みんなと空手ができなくなることがつらい」、藤沢は「もう一度、戦いたい」と涙に暮れ、松下は「(春も含めた個人と団体の)完全優勝は後輩に託します」と激励。向井と岡田は「先輩たちの思いを背負って必ず成し遂げます」と前を向いた。