少林寺拳法グループを率いる第二世師家(しけ)の宗由貴代表(62)=東京都豊島区=が今年限りで退任し、1月から次男で副代表の宗昂馬(こうま)氏(34)=多度津町=が第三世師家と代表に就任する。トップの師家交代は約40年ぶり。由貴氏はグループ相談役に就く。昂馬氏は「新しい価値を生み出せる組織にしていきたい」と意気込みを語った。
少林寺拳法は、由貴氏の父・宗道臣氏が1947年に多度津町で創始。由貴氏は道臣氏の急死を受けて80年に師家を継承し、心身修行を行う「金剛禅総本山少林寺」や専門学校禅林学園など五つの組織から成るグループを率いてきた。
交代に当たり由貴氏は、家族の絆づくりや健康増進活動、地域へのボランティア活動などを例に挙げ「新しい取り組みも自分の判断でやり切った」と述べた。また、社会環境の急速な変化について触れ「少林寺拳法の未来をイメージできる、その時代に合った人物がトップに就くべき」と次期・師家に期待を寄せた。
昂馬氏は「流派のない世界に一つの少林寺拳法を守り抜く」と強調し、「価値観が多様化した今の時代にスピーディーに対応していきたい」と抱負を語った。
昂馬氏は85年1月生まれ。2009年にグループのSHORINJI KEMPO UNITYに入所後、総本山少林寺副代表、禅林学園副校長などを経て19年からグループ副代表を務めている。
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