高松商が令和最初の夏の甲子園切符をつかんだ。春夏連続の出場だが、夏は実に23年ぶり20度目。全国屈指の伝統校にとっては、これで大正、昭和、平成に続き、4元号での甲子園出場となった。原動力は昨秋以降の四国大会、明治神宮大会、今春の選抜大会などで得た一つ一つの経験と、その中で磨いてきた攻守の粘り、そして結束力だ。分厚かった“夏の聖地”への壁を突き破り、全員野球で躍進を誓うナインを紹介する。
【選手】
※写真(スライドショー)は紹介順
香川 卓摩(かがわ・たくま)投手
守り勝つチームの屋台骨。直球の切れと多彩な変化球で勝負する。選抜大会は春日部共栄(埼玉)との1回戦で、県勢24年ぶりの完封勝利を挙げた。「あの舞台でもう一度投げられる。全力で楽しみたい」。165センチ、62キロ。左投げ左打ち。志度中出身。3年。
安部 祐慧(あべ・ちさと)捕手
選抜大会はブルペン捕手。県大会は初戦から先発出場し、決勝でサヨナラ打を放つなど、チーム一の10打点を記録。「負けたチームの気持ちを受け継いでいる。ふがいない試合はできない」と力を込める。175センチ、91キロ。右投げ右打ち。屋島中出身。3年。
笠居 小史朗(かさい・こじろう)一塁手
打力を買われ、2戦目から先発出場。3回戦で本塁打を放つなど気を吐き、チーム一の打率5割をマーク。「甲子園ではヒットを打つ。それが自分の仕事」と自覚しつつ、「守りもしっかりしないと」と笑う。172センチ、75キロ。右投げ右打ち。屋島中出身。2年。
谷口 聖弥(たにぐち・せいや) 二塁手
3番としての役目は十分に果たせなかったが、得意の守備はさえた。軽快なグラブさばきを披露し、決勝を含めてチームを救う好守を連発。「夏の甲子園は春より観客が多い。燃えてくる」と頼もしい。166センチ、57キロ。右投げ右打ち。桜町中出身。2年。
石丸 圭佑(いしまる・けいすけ)三塁手
打順は9番ながら全試合で安打を記録。しかし、「打ったことよりも、守備でノーエラーだったことが一番」と胸をなで下ろす。甲子園に向けても「気持ちは同じ。確実に守り、投手を助けたい」。168センチ、70キロ。右投げ右打ち。香南中出身。3年。
大塚 慶汰(おおつか・けいた)遊撃手
堅実な守備で投手陣を支え、打ではつなぎの2番として常にチャンスメークを心掛ける。「自分に求められていることを考えながらプレーする。選抜大会の悔しい思いをぶつけたい」と2度目の聖地へ気合十分。174センチ、62キロ。右投げ右打ち。桜町中出身。3年。
岸本 将翔(きしもと・まさと)左翼手
俊足巧打の1番、主将。県大会は不調だったが、打てば不思議と打線がつながる。守備では外野の要。春夏連続の出場に「自分たちで考える野球をやってきた結果」と強調し、「最後の夏を全力で楽しみたい」。167センチ、61キロ。右投げ右打ち。龍雲中出身。3年。
浅野 怜(あさの・れん) 右翼手
県大会の終盤戦は打で活躍できず、「欲が出すぎて力が入った」と悔しがる。打席での感覚は悪くなく、明るい表情で「夏の甲子園は本当の実力が試される場。うちはチーム力で勝つ」と気合を入れる。166センチ、62キロ。右投げ右打ち。坂出東部中出身。3年。
立岩 知樹(たていわ・ともき) 内野手
選抜大会の4番打者。県大会は腰痛で悔しい思いをした。「最後の夏に懸ける思いは強い。どんな形でもいい。ヒットを打つ」。175センチ、85キロ。右投げ右打ち。志度中出身。3年。
中塚 公晴(なかつか・こうせい)投手
県大会序盤に、投手陣の柱として活躍した優勝の陰の立役者。「三振より打たせてリズムをつくる」と聖地での登板を見据える。172センチ、71キロ。右投げ右打ち。桜町中出身。3年。
新居 龍聖(にい・りゅうせい)捕手
選抜大会の正捕手。県大会は腰痛で不出場だった。「甲子園へ連れて行ってくれる仲間に感謝する。出られたら結果を残したい」。170センチ、67キロ。右投げ左打ち。飯山中出身。3年。
岡井 祐斗(おかい・ゆうと)内野手
長打力が魅力。春以降は逆方向への低い打球に磨きをかけた。「チームが勝つことが一番。力を発揮するには楽しむことが大事」。171センチ、77キロ。右投げ右打ち。桜町中出身。3年。
篠原 一球(しのはら・いっきゅう)内野手
貴重な左打者。課題にしていた守りも向上した。「打撃も守備も自信はついた。いつでも準備はできている」と士気は高い。167センチ、63キロ。右投げ左打ち。満濃中出身。2年。
古市 悠八(ふるいち・ゆうや)外野手
三塁ランナーコーチ。ここ一番の代走起用もある。「常に投手のくせ、外野の肩などを観察して、みんなで共有したい」。172センチ、69キロ。右投げ右打ち。太田中出身。3年。
谷 正純(たに・まさずみ)外野手
選抜大会でベンチを外れた悔しさを胸に、持ち味の打撃を磨いた。「支えてくれた両親に感謝し、初球から思い切り振っていく」。168センチ、78キロ。右投げ右打ち。白峰中出身。3年。
花岡 海音(はなおか・かいと)内野手
内外野の複数ポジションをこなせる器用さが売り。「ベンチ入りできなかった3年生のためにも、必ず勝ち上がる」と躍進を誓う。167センチ、59キロ。右投げ右打ち。直島中出身。3年。
松田 光稀(まつだ・こうき)投手
性格は控えめ。マウンドに立てばスイッチが入る。「投手陣のサポートが仕事。登板できれば気持ちで負けない投球をしたい」。170センチ、60キロ。左投げ右打ち。桜町中出身。2年。
【スタッフ・マネジャー】
▽監督 長尾健司
▽部長 三好明彦
▽副部長 藤沢宗輝、佐々木英二
▽マネジャー
合田祐希(3年)土肥稜奈、北尾礼那(以上2年)大西遼、長谷川さくら(以上1年)