新型コロナウイルスワクチンの接種が各地で進むなか、インターネットに不慣れな高齢者のため、予約を手助けする取り組みが広がっている。
神戸市では、ワクチン接種の申し込みをサポートする「お助け隊」として、大学生ら200人以上を区役所など約30カ所に配置。16日までに予約を完了した約15万5千人のうち、約16%にあたる2万5千人がお助け隊の手を借りた。
同市中央区役所では19日、予約のためのブースを8つ設置。スマートフォンで予約を試みたもののエラーが続き、約1時間の悪戦苦闘の末に諦めたという写真家の中野寛司さん(73)は「接種券を渡して名前、年齢、希望する日と会場を聞かれたぐらいで5分もかからなかった。いや、驚きました」。この日朝、接種券が届いたという無職、中谷修平さん(73)も「早く終わったし、学生さんは親切丁寧だし、大満足です」と喜んだ。
予約の手伝いをした神戸市外国語大4年、中林仁さん(22)は「就職も決まり、お世話になった神戸への恩返しも兼ねて応募した。思っていた以上に皆さん、喜んでくれるので、自分もうれしいです」と話していた。
一方、75歳以上を対象とした新型コロナワクチンの集団接種を15日から実施している奈良市では、市職員がネット予約を代行するサポートを17日から始めた。
市内計10カ所に設けた会場にネット予約ができるタブレット端末を配置し、市職員2~3人を派遣。午前9時から午後5時まで、市職員が希望日時や場所を聞き取って予約をサポートしている。
初日は10会場で計430人、18日は計215人が利用。会場でサポートを受けた男性(83)は「ネットは使えないし、電話はつながらないし、どうしようかと思っていた。予約ができてありがたい」とほっとした様子で話していた。
サポートは予約枠が埋まり次第終了する。奈良市の担当者は「インターネットに不慣れな高齢者は多い。サポートすることで、スムーズな予約につながれば。今後も検討したい」としている。
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