病院スタッフの働き方改革に伴い、新たに設立された夜間勤務専門の救命医チーム〝ナイト・ドクター〟。「夜の医療を守る」という使命のため、若き5人の医師が集められた。5人は長い時間を共に過ごしながら、絆を強め、医師として人として成長していく。令和6年度に施行される医師の働き方改革を題材にした物語。「こういう働き方が広がったらいい。医療の質も上がると思う」と話す。
チームの一員で、医師としてのステップアップとともに、女性としての幸せも目指す高岡幸保(ゆきほ)を演じる。「いわゆる〝できる人〟。でも、心がざわつくようなことを、平気でズバッと言ってしまう」という。頭の回転が早く、医師としての責任感もあるが、地位や名誉など人の表面にこだわっており、高飛車。主人公の朝倉美月(波瑠)への当たりも強い。
「あまりにも自分と違うので、脚本を見て『うわ、すごいこと言っているな』と思った。でも、彼女に対して違和感を持ってしまうと、演じるときに影響があるので」と話す。「彼女のような壁があって怖く見えるタイプは、周囲からからかわれるような〝いじられキャラ〟として定着した方が、楽しいはず」
今作で初めて、本格的な手技に挑戦した。気道確保のため、口や鼻から喉頭を経由して「気管内チューブ」を挿入する〝挿管〟など、医師の指導を受けて演技に反映させている。「これまでは研修医の役が多かった。自ら処置をする医師を演じられるようになったことに成長を感じる」と笑う。「できる医師」である幸保を演じるにあたり、カメラの前での手技の見え方を研究している。「どうしたら、より格好良く見えるのか。腰を落として、この角度で…と考えながら、練習している」といい、「演技でも大変なので、本当のお医者さんは、ずっと、ものすごく大変なのだと日々感じている」
患者が死亡する場面の撮影はつらい気持ちになる。「お芝居だと分かっていても、現実の救急医療の世界でも全員を救えるわけじゃないと思うと、何ともいえない重さを感じる」と話す。命と向き合う夜の一方で、それぞれのプライベートを描く昼の場面の撮影が気分転換になっている。「みんなでわいわいするような、明るくて楽しいシーンが多い。幸保がどうチームに溶け込んでいくのか、どう成長していくのかも、毎週楽しみに見てほしい」と話した。「ナイト・ドクター」はフジテレビ、月曜午後9時。(三宅令)
おかざき・さえ 平成7年生まれ、愛知県出身。女優としては、27年に映画「脳漿炸裂ガール」、連続ドラマ「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」(フジテレビ)に出演し、本格的な活動を開始。ドラマ「パーフェクトワールド」(関西テレビ)、「アライブ~がん専門医のカルテ~」「教場Ⅱ」(フジテレビ)など、話題作に多数出演。女性ファッション誌「Ray」の専属モデルとしても活躍。