JA鳥取中央(倉吉市)管内の鳥取県中部で生産されたスイカの2019年の販売額が、前年比1億4千万円増の31億6700万円(2日現在)となり、単一農協として全国1位の見通しになった。ハウス栽培へ移行を進めて出荷時期を前倒し他産地との差別化を図ったほか、大栄西瓜(スイカ)の「地理的表示(GI)」登録を追い風に販売を伸ばした。
同JAの栗原隆政組合長が5日、鳥取市東町1丁目の県庁で平井伸治知事に報告。栗原組合長によると、近年、トップを続け、既に本年度の販売が終了したJA鹿本(熊本県山鹿市)の販売額は31億6500万円で、これを上回った。その他の産地の結果によるが、JA鳥取中央はまだ秋の販売を残していることから全国1位が確実という。
JA鳥取中央管内では、北栄町産の大栄西瓜をはじめ、大玉のスイカ生産が盛ん。19年は農家377戸が計265ヘクタールで栽培し、糖度が高く京阪神を中心に高値で取引されている。
販売額は、1998年に44億円あったが農家の減少などで2015年に26億3千万円まで落ち込んだ。ただ、ハウス栽培を推進し、16年にゼロだった面積を徐々に増やし、19年は28ヘクタールに。従来の7月ではなく、全国的に少ない6月出荷が全体の6割以上になり、需要が高まった。
さらに、主力の大栄西瓜が今年6月、国が伝統的な生産方法や産品の名称を知的財産として保護するGIに登録。19年産の販売額は15年ぶりに20億円を超えた。栗原組合長は「品質日本一を自負していたが名実ともに日本一の産地になった」と喜んだ。