2021年春に予定される、江津市役所の新築移転に伴う現庁舎(江津市江津町)の保存と利活用について、市が、民間事業者からアイデア、意見を募る。「モダニズム建築」として学術的価値が高いとされ、市都市計画課の山本雅夫課長は「官民のさまざまな案の中から財政への影響を踏まえて最善策を考えたい」とした。
1962年完成の現庁舎(鉄筋コンクリート8階建て)は世界的建築家ル・コルビジェに師事した故吉阪隆正氏が設計。橋桁を思わせるデザインは、歴史的な近代建築として評価されているが、市は耐震上の問題から継続して使用するのは難しいと判断し、新築移転を決めた。
市民から要望もある現庁舎の保存と利活用について、市は図書館や郷土資料館などの改修案をまとめたものの、維持管理費を含む将来的な財政負担の懸念から、民間への貸し出しや譲渡も検討。民間事業者からも意見を聞くため、国土交通省が11月に岡山県、12月に東京都で開く、全国の自治体と民間事業者の説明会に参加し、助言、提案を求める。